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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

寒いです

2010年07月29日
上川
最近事務所へ登山中の服装についての問い合わせの電話が多いので普段私が巡視やプライベートで使用している服装を紹介します。

一番下は半袖のTシャツを着ます。日焼けが気になる方は長袖が無難です。

次に薄い長袖のシャツです。温度調節が安易にできるように胸元がジッパーで開く様になっているものを選んでいます。早朝体が暖まる前や肌寒いがフリースを着て歩いたら汗をかきそうなときに重宝します。




その次はフリースです。いわゆる防寒着です。強風と豪雨の稜線はもちろん山頂でのティータイムにも使用します。汗をかいたあとの休憩時には肌寒くなることが度々あります。そんなときこそザックからおもむろに出してパッと羽織ると便利で快適です。




これら全ての服の素材は化学繊維です。例外としてメリノウール100パーセントのシャツは使用しますが、綿のシャツは一切着ません。
汗や雨に打たれて濡れて風に当たると驚くほど寒くなります。速乾性のある化学繊維はそんな時にこそ真価を発揮します。




最後に一番大事な雨具ですが、これはゴアテックスのセパレートタイプのものを使用しています。雨だけでなくウインドブレーカーの代わりにも使います。登山道で100円ショップに売っているような合羽?や傘を差して歩いている人を見かけますがやめましょう。傘は転んだときに運が悪いと骨組みが体に刺さって大けがをします。

街は暑いかもしれませんが山は寒いです。事務所の標高が約300m。ロープウェーで手軽に行ける黒岳が約2000mです。山の気温は100m登るごとに0.6℃下がると言います。真夏でも20℃を下回ることがちょくちょくあるので、事務所の気温を20℃として単純計算したら標高差1700mの山頂では約10℃低い10℃です。東京の真冬の気温と同じくらいです。風に当たると体感温度がさらに下がります。風速1mで1℃と言われていますので悪天候時は体感温度が簡単に氷点下になってしまいます。

山のウェアはお金がかかります。高いからといって手抜きをしますか?楽しいはずの登山が苦行になり、場合によっては命を落とすことにもなりかねません。
命の値段だと思えば安い買い物だと私は思います。装備をそろえれば安全になる訳でも、事故が起きない訳でもありません。しかし装備の貧弱さに起因する事故は未然に防ぐことができるはずです。