アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
春の予感
2019年04月04日みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。
先月上旬は例年になく暖かい日が続きましたが、中旬以降はすっかり冬の再来の3月でしたね。
新年度を迎え何かと環境の変化で心が揺れる時期ではありますが、春らしい陽気が心を弾ませてくれる時期でもあります。
今回のAR日記は、上川町で感じた春の予感を記事にしました。
上川町は北海道のほぼ中心に位置しています。町は山と森に囲まれ、北海道で最も長い石狩川が町沿いを流れています。
自然が豊かな立地だけあって集落から少し山へと足を運ぶと、そこには手つかずの自然が
どっしりと根を下ろしています。
早速、森の中へと探検してみましょう。
ユキウサギの足跡
最初に出逢ったのはユキウサギの足跡、表面の雪は真冬とは違いザラメとなり足跡を眺めているだけで華麗なジャンプをしている姿が目に浮かんできます。(真冬の雪深い時期だと飛びづらそうですもんね)
さらに森の奥へと進むとそこには小さな沢がありました。沢のすぐ側まで足跡があります。
足跡の正体はキツネでしょうか。写真を良く見ると沢を飛び越えているのが分かります。
日差しを感じながら沢をのんびり眺めているうちに冷たい風が山側から吹き下りてきたので、そろそろ退散することにしました。
帰途の中、ふっと樹木に目をやるとそこには生々しい傷跡が。。。
ヒグマの爪痕
よく見るとヒグマの爪跡のようです。
4月に入ると冬の厳しい季節を冬眠でしのいでいた動物たちがいっせいに目を覚まします。それはヒグマにとっても同じこと。目覚めたヒグマは空腹なため、人間をみると攻撃的になります。冬眠明けで飢えているためと、自分の餌場である場所によそ者が入ると攻撃的になるのです。
新しい爪跡だったので、私はすぐさま辺りを観察しましたがヒグマらしき個体はいませんでした。
「あー良かったー」と思った瞬間、強張った全身の筋肉が緩みました。
足踏みだった春も森の番人が目を覚まし、季節は冬から春へと移り変わろうとしています。
今回のAR日記はここまで。
また次回をお楽しみに。。。
おまけ