アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
大雪山国立公園ヒグマセミナー開催しました
2022年12月27日
上川
今年度は白雲岳避難小屋周辺でヒグマが居付いたり、黒岳石室周辺で多数の目撃情報があったり、ヒグマと登山者との距離が特に近くて、あれこれと心配が多かったシーズンでした。
大雪山はその全体がヒグマの生息地であり、その生息地へ我々人間が登山と称して足を踏み入れているのが現状です。
12月16日(金)に上川町かみんぐホールにて、大雪山国立公園ヒグマセミナーを開催しました。
これは、ビジターセンター職員やホテル、観光協会職員など、登山者への案内をする立場の人を対象として、ヒグマの情報を正しく伝えることができるように、まずはヒグマの正しい知識を皆で共有しようという主旨のセミナーです。
国立公園でもあり世界遺産でもあるため、毎年沢山の観光客が訪れる、知床のヒグマ対応や情報発信の現状について、知床財団の秋葉さんと伊集院さんに講演をしていただきました。大雪山からは高原温泉ヒグマ情報センターの取り組みとして、北海道山岳整備の岡崎さんに講演をしていただきました。
いつもヒグマと人間の間で活動をされている方達から「ヒグマ」への対策と「人間」への対策を両方進めていくために、現場ではどのように対応しているかお話しを聞くことができました。
今回のセミナーでは「ヒグマに出会ったらどうするか」というシンプルだけど多くの方に共有したいと思う内容があったので、一部を紹介したいと思います。
大雪山はその全体がヒグマの生息地であり、その生息地へ我々人間が登山と称して足を踏み入れているのが現状です。
12月16日(金)に上川町かみんぐホールにて、大雪山国立公園ヒグマセミナーを開催しました。
これは、ビジターセンター職員やホテル、観光協会職員など、登山者への案内をする立場の人を対象として、ヒグマの情報を正しく伝えることができるように、まずはヒグマの正しい知識を皆で共有しようという主旨のセミナーです。
国立公園でもあり世界遺産でもあるため、毎年沢山の観光客が訪れる、知床のヒグマ対応や情報発信の現状について、知床財団の秋葉さんと伊集院さんに講演をしていただきました。大雪山からは高原温泉ヒグマ情報センターの取り組みとして、北海道山岳整備の岡崎さんに講演をしていただきました。
いつもヒグマと人間の間で活動をされている方達から「ヒグマ」への対策と「人間」への対策を両方進めていくために、現場ではどのように対応しているかお話しを聞くことができました。
今回のセミナーでは「ヒグマに出会ったらどうするか」というシンプルだけど多くの方に共有したいと思う内容があったので、一部を紹介したいと思います。
もしクマに出会ってしまったら?
●まず落ち着いて、冷静に行動する
慌てて背を向けて走って逃げたら追いかけられる可能性があります。それはクマの習性だそうです。クマを刺激するような行動はやめましょう
●クマスプレーはすぐに取り出せる所に身につけること
出会ったときクマスプレーがザックの中にしまってあったら持っている意味がありません。スプレーを取り出して、噴射できる体勢までの一連の動作は練習しておくべきです。
●ヒグマの様子をうかがう
クマがこちらに気づいていない場合はゆっくりとその場を離れましょう。
クマが遠くから近づいてきた場合、手を大きく振ったり、大きな声でこちらの存在を知らせます。
ヒグマは耳と鼻はとても利くのですが、目はあまり良くないため、ただ単にこちらに気づいていない場合が多いです。
慌てて背を向けて走って逃げたら追いかけられる可能性があります。それはクマの習性だそうです。クマを刺激するような行動はやめましょう
●クマスプレーはすぐに取り出せる所に身につけること
出会ったときクマスプレーがザックの中にしまってあったら持っている意味がありません。スプレーを取り出して、噴射できる体勢までの一連の動作は練習しておくべきです。
●ヒグマの様子をうかがう
クマがこちらに気づいていない場合はゆっくりとその場を離れましょう。
クマが遠くから近づいてきた場合、手を大きく振ったり、大きな声でこちらの存在を知らせます。
ヒグマは耳と鼻はとても利くのですが、目はあまり良くないため、ただ単にこちらに気づいていない場合が多いです。
危険な状態のヒグマ
大体のヒグマは人間がいると去っていきます。ですが、以下の状態にあるヒグマは威嚇してくる可能性があります。危険なので近づいてはいけません。
●子グマを守ろうとしているとき
子グマの近くには必ず親グマがいます。子グマを守ろうと威嚇してくる可能性が高いです。かわいいからといって子グマに近づいてはいけません。
●食べ物を守ろうとしているとき
自分の食べ物への執着心が強いため、一旦クマに取られたザックなどを取り返そうとすることは大変危険です。
●自分を守ろうとしているとき
けがをしているクマは危険です。
●子グマを守ろうとしているとき
子グマの近くには必ず親グマがいます。子グマを守ろうと威嚇してくる可能性が高いです。かわいいからといって子グマに近づいてはいけません。
●食べ物を守ろうとしているとき
自分の食べ物への執着心が強いため、一旦クマに取られたザックなどを取り返そうとすることは大変危険です。
●自分を守ろうとしているとき
けがをしているクマは危険です。
間違った対処方法
最近まで信じられてきた対処法も実は良くない方法だったり、そのときの状況によっては異なった対応が必要だったりします。まずは冷静になって状況を把握し
けして慌てて走って逃げたりしないことが大事です。
×クマにあったら死んだふりをしてやり過ごす
死んだふりをしている間に致命傷を負わされる可能性が高いです。
ゆっくり後ずさりをして、その場を離れましょう。
×荷物を置いてクマが気をとられている隙に逃げる
荷物を置いた人は助かるかもしれませんが、その後、他の登山者がストーキングされたり、襲われる可能性があります。
けして慌てて走って逃げたりしないことが大事です。
×クマにあったら死んだふりをしてやり過ごす
死んだふりをしている間に致命傷を負わされる可能性が高いです。
ゆっくり後ずさりをして、その場を離れましょう。
×荷物を置いてクマが気をとられている隙に逃げる
荷物を置いた人は助かるかもしれませんが、その後、他の登山者がストーキングされたり、襲われる可能性があります。
クマにあったらどうするかということよりも、出会わないためにはどうするか、クマとの適切な距離の取り方が大事です。
見通しの悪い場所では手を叩いたり、声を出したり、笛や鈴等を鳴らしたり、こちらの存在をヒグマに伝えるのです。
沢沿いの道や、風の強い日、雨の日など、音が聞こえづらい場所はお互いの存在に気づきにくく、近距離で遭遇する可能性があるため、十分注意が必要です。
セミナーの最後に、ヒグマについて皆がどのように感じているか、問題点や心配などを共有するためのワークショップを参加者全員で行いました。
ヒグマ情報の共有や発信の具体的な方法が今後の課題になっていきそうです。
先進的な地域の例を学びながら、大雪山でも取り組んでいけたらと思います。