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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

寒く美しい冬

2022年02月22日
大雪山国立公園

こんにちは大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。

日照時間は少しずつ長くなっていますが、まだまだ寒い上川です。

今朝の気温は-15°を下回っていました。

春が来るまでは、なかなか気温が0°を上回ることは無さそうですが、

そんな今冬の寒さにも少し体が慣れてきたなと感じています。

私は北海道で一番美しい季節は冬だと思います。

冬でなければ見られない現象がそのように感じさせるのかもしれません。

特に雪や氷に覆われた冬山の美しさは格別だと感じます。

よく晴れた日の朝はより寒くなります。これは放射冷却という現象で、晴れれば晴れるほど気温は下がります。冬の朝はとても寒いけれど、最も美しい時間です。

先日良く晴れた朝、仕事が始まる前に石狩川へ寄った時に、綺麗な風景が撮れたのでその時の写真や、野外での活動中に撮った美しい冬の現象を紹介しようと思います。

蒸気霧(じょうきぎり)

非常に低温の空気が水面近くに流れ込むことで、水蒸気が冷やされて霧が発生するという現象です。非常に寒い朝に河川や湖池でみられます。

また海面に見られる蒸気霧を北海道では「気嵐(けあらし)」と呼びます。

 

石狩川【2月 上川町にて撮影】

ダイヤモンドダスト

寒い朝はダイヤモンドダストが見られます。これは大気中の水蒸気が、雲になる前に氷の粒になる自然現象なのですが、太陽の光でキラキラ輝いてとても神秘的です。

川の撮影をした日にもダイヤモンドダストが見られたのですが、写真には収めることができませんでした。早朝よりも8~9時頃の太陽の光が綺麗に見えるようです。

霧氷(むひょう)

水蒸気の多い川や沢沿いでよく見られます。

極寒の冬の北海道のなかでも、特に寒いといわれている内陸部でよく観測されます。

付着している氷の結晶が白い花のようです。

 

石狩川周辺【2月上川町にて撮影】

樹氷(じゅひょう)

霧氷の一種ですが、一般的に標高の高い場所で見られます。

スノーモンスターは、はじめはすぐに壊れてしまうような氷の塊ですが、徐々に隙間に雪が入り込み、固まりながら成長していきます。原型がわからないほど大きく育ったものをスノーモンスターと呼ばれることがあります。

エビの尻尾は山頂の標柱に付いていたものです。風上に向かって長く伸びていきます。

確かにエビの尻尾に見えなくもないですが、面白いネーミングですね!

成長中のスノーモンスター         エビの尻尾

【2月 チトカニウシ山にて撮影】     【10月 北鎮岳山頂にて撮影】

しっかりとした防寒対策等の準備は必要ですが、気温の低い今の季節しか見られない自然の芸術作品を観察しに出かけてみてはいかがでしょうか。