アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
高山植物保護キャンペーンinウペペサンケ山
2009年07月02日
上士幌
山の稜線上空をけたたましい音が鳴り響く。
道警航空隊のヘリコプターが旋回しているのだ。
山頂には衛星電話を持ったレンジャーがヘリに向かって何かの合図をしている。
やがてヘリは谷の合間に飛び去った。
翌日の新聞には「高山植物を踏んで5人逮捕」の見出しが。
容疑は登山道を故意に外れて高山植物帯に踏み入れて下山したというもの。
穏やかでない文章で驚かせて申し訳ありません。↑はフィクションです。ただし、登山道を外れて下山していった5人組は実際にいました。このことが常態化してしまうと近い将来、国立公園内で登山道外に踏み入った場合、上記のような逮捕劇がないとは言い切れない。そういう世の中にはなって欲しくはないが、登山者自らが自分の首を絞める行為をしてどうするのだ。
「彼らは登山者かもしれないけれど自然愛好家ではないねえ」とは目撃していた別の登山者の憤りに満ちたコメント。
5人組の皆さん(うち女性一人)、しっかり顔見られてますよー。
さて、その5人組が目撃された6月28日は十勝支庁の高山植物保護キャンペーンに協力するため森林管理署や道警の方々とともに朝5:00から登山口でパンフレットを配りました。
ウペペサンケ班として最初に配った登山者が道警の航空隊員だったり、配った登山者の合計が5人だったり人気の面ではニペソツに完全に水を開けられている山ですが、せっかくなので登ってみることにしました。
糠平コース登山口から稜線に出るまでの1時間20分ほどは針葉樹と白樺の混じる森林帯で所々ぬかるむ場所があります。後半は急勾配の段差もあるので特に下山時には転倒に注意ですね。稜線に出てからはハイマツ帯の尾根を2時間30分ほど登ると1834.5の山頂に到達します。途中、ホシガラスが出迎えてくれました。この山頂はウペペサンケ山とも糠平富士とも表記されています。実は本峰(1848)はさらに尾根伝いに1285m歩く必要があります。
糠平富士からウペペサンケ本峰まではイワウメやエゾノツガザクラの群落が目を楽しませてくれます。滑落に気をつけて進みます。本峰に到達すると南に然別湖の姿が現れるのもこの山の魅力であります。
この日の気象は非常におもしろく、糠平富士への尾根から東側では猛烈に霧が発生している一方で西側は晴れて見通しが良い状況が続いていました。尾根から真っ二つに分かれる天気が目の前で見られたことに他の登山者も興味深かったようです。
最後に花の状況です。みんなまとめて一枚の画像にしました。クリックで拡大します。
本峰はどれだ?
立ち上がる霧
他にも咲いていましたがこれで勘弁してください
道警航空隊のヘリコプターが旋回しているのだ。
山頂には衛星電話を持ったレンジャーがヘリに向かって何かの合図をしている。
やがてヘリは谷の合間に飛び去った。
翌日の新聞には「高山植物を踏んで5人逮捕」の見出しが。
容疑は登山道を故意に外れて高山植物帯に踏み入れて下山したというもの。
穏やかでない文章で驚かせて申し訳ありません。↑はフィクションです。ただし、登山道を外れて下山していった5人組は実際にいました。このことが常態化してしまうと近い将来、国立公園内で登山道外に踏み入った場合、上記のような逮捕劇がないとは言い切れない。そういう世の中にはなって欲しくはないが、登山者自らが自分の首を絞める行為をしてどうするのだ。
「彼らは登山者かもしれないけれど自然愛好家ではないねえ」とは目撃していた別の登山者の憤りに満ちたコメント。
5人組の皆さん(うち女性一人)、しっかり顔見られてますよー。
さて、その5人組が目撃された6月28日は十勝支庁の高山植物保護キャンペーンに協力するため森林管理署や道警の方々とともに朝5:00から登山口でパンフレットを配りました。
ウペペサンケ班として最初に配った登山者が道警の航空隊員だったり、配った登山者の合計が5人だったり人気の面ではニペソツに完全に水を開けられている山ですが、せっかくなので登ってみることにしました。
糠平コース登山口から稜線に出るまでの1時間20分ほどは針葉樹と白樺の混じる森林帯で所々ぬかるむ場所があります。後半は急勾配の段差もあるので特に下山時には転倒に注意ですね。稜線に出てからはハイマツ帯の尾根を2時間30分ほど登ると1834.5の山頂に到達します。途中、ホシガラスが出迎えてくれました。この山頂はウペペサンケ山とも糠平富士とも表記されています。実は本峰(1848)はさらに尾根伝いに1285m歩く必要があります。
糠平富士からウペペサンケ本峰まではイワウメやエゾノツガザクラの群落が目を楽しませてくれます。滑落に気をつけて進みます。本峰に到達すると南に然別湖の姿が現れるのもこの山の魅力であります。
この日の気象は非常におもしろく、糠平富士への尾根から東側では猛烈に霧が発生している一方で西側は晴れて見通しが良い状況が続いていました。尾根から真っ二つに分かれる天気が目の前で見られたことに他の登山者も興味深かったようです。
最後に花の状況です。みんなまとめて一枚の画像にしました。クリックで拡大します。
本峰はどれだ?
立ち上がる霧
他にも咲いていましたがこれで勘弁してください