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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

オオハンゴンソウとの戦い

2021年09月14日
上士幌 上村 哲也

 上士幌管理官事務所では、大雪山国立公園の特別地域において特定外来生物「オオハンゴンソウ」の駆除を行っています。国立公園利用者の目に留まりやすい道路脇から堀取りを行っています。主に国道273号糠平国道と道道718号忠別清水線の道路脇に生育しています。オオハンゴンソウは、寒冷な気候にも対応でき、根を張り葉を広げ土の中で根茎を太らせると、やがて茎を伸ばし花を咲かせるようです。埋土種子の寿命や発芽率など詳しい生態はわかっていませんが、根茎を残さず掘り取り種を落とす前に駆除することで、徐々に生育数が減っていくはずです。

 駆除の効果を確かめるため、2019年からは掘り取った開花茎を数えながら進めています。なかなか思うように減っていってはくれません。全体としては減少させていると言えますが、年々半減ということにはなっていません。

主な生育場所における駆除数の推移(本)
生育場所 2019年 2020年 2021年
忠別清水線

189

113 61
糠平国道49km地点 757 266 279
音更川第3橋梁付近 62 79 17

 フキやササ、イラクサの混在する茂みからオオハンゴンソウを根茎ごと掘り取るのは辛い作業です。次の写真は糠平国道の道路脇を見下ろした様子です。乗用車の運転席からは一部しか見えないかもしれませんが、大型バスからは黄色い花が広がる生育地全体が見えるに違いありません。写真の範囲の124本を駆除するのに1時間以上かかりました。土壌に石が混じっていたり、フキの根に癒着していたり、ササの根と絡み合ったりしているととても厄介です。

駆除前(黄色い花を咲かせているのがオオハンゴンソウ)

駆除後

 もう3年ぐらい駆除を続けた結果として約100本以下になれば、計画的に日付や時間を割り振らなくても、目に付いたときに掘り取っていけば生育数を抑制した状態が保っていけるのではないでしょうか。