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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

アウトドアはコロナに負けないか。

2021年12月14日
上士幌 上村 哲也

 東大雪地域には、十勝岳新得コース、トムラウシ山短縮コース、トムラウシ山温泉コース、石狩岳シュナイダーコース、ユニ石狩岳十勝三股コース、ニペソツ山幌加温泉コース、ウペペサンケ山糠平コース、白雲山士幌高原コース、白雲山然別湖畔コース、東ヌプカウシヌプリ、南ペトウトル山などの登山道があります。上士幌管理官事務所では、主な登山口に登山者カウンターを設置し、そのほかの登山口については森林管理署から入林簿をお借りして、利用者数を集計しています。

 登山者カウンターの計数値には誤差があり、入林簿は全ての方に記入いただけてはいないでしょうが、おおまかな利用者数やその推移を推し量ることはできるでしょう。

 新型コロナウィルスの感染拡大が始まったのは2020年の冬、2月28日に北海道が独自の緊急事態を宣言。4月16日、緊急事態措置は全国に拡大、5月25日全国で解除。大雪山が登山シーズンを迎える頃には緊急事態宣言こそ解除されていましたが、咳エチケットや手指衛生を心がけ、人々が密集、密接し、密閉された空間を避けることが求められていました。新しい習慣が登山という活動にどう影響するのか予想が付きませんでした。大雪山国立公園では、避難小屋の利用を避けたり、人との距離を取ったりするよう呼びかけましたが、それが万全の策なのか、手探りが続きました。

 2021年も北海道には5月16日から緊急事態宣言が出され、6月20日にまん延防止等重点措置へ移行、7月11日に解除など、感染拡大と収縮が繰り返されました。

 各登山口の年間入山者数を、新型コロナウィルス感染拡大前の一昨年(2019年)から並べてみると、ほとんどの登山口で、一昨年より昨年、昨年より今年の方が入山者数が増えています(下図参照)。東大雪地域の山々は、表大雪の旭岳や黒岳に比べれば登山者が少なく、ロープウェイや路線バスなど登山口にアクセスする公共交通機関が少ないことから、密を避けて登山できることが好まれたのかもしれません。

 登山に関連して新型コロナウィルスの集団感染が発生した話は聞きませんが、できうる対策は取りながら山を楽しみましょう。