アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
ルピナス防除活動
2018年06月28日6月8日と13日に大雪山パークボランティア活動で層雲峡地区のルピナス駆除をしました。
ガーデンやお庭で手入れ管理されている分には園芸種として華やかな存在ですが、野生化したものは、もともとあった在来植物を脅かす存在でもあります。層雲峡の中でも紅葉谷入り口や写真ミュージアム付近で繁茂しています。外来生物法に基づく特定外来生物には指定されていないものの、繁殖力が非常に強いので、層雲峡峡谷の在来植物が抑圧されないように早めに駆除しています。
ルピナスは、マメ科の属で、地中海沿岸地方と南北アメリカ、南アフリカなどに200種以上が分布しています。日本では、明治期に緑肥用作物として導入されたようです。藤の花に似ていて、下から上に立ち上がって咲く姿形から、昇藤(ノボリフジ)と呼ばれ、親しまれています。
名前の由来は、ラテン語でオオカミを表す「ループス」という語源からきています。オオカミにたとえられるように、どんな土地でも育つ強さを持っているという意味をするのではないかと解釈されているようです。
そのルピナスを駆除して7年。根っこが残っていると、翌年以降に芽を出すので、根っこまで完全に抜き取らないと駆除成果がでないのですが、それがなかなか苦労します。根っこが長くて太く、容姿はまるで山芋のようです。どんな場所でも生えるし、根っこも強靱なので、株を抜き取る前に、駆除道具の方が変形することもあり、度々唖然します。
そんな労力の多いルピナス駆除活動ですが、今年も2日間活動しました。活動日は雨降りだったり雨上がり後だったりと、抜きやすい土の状態とはいえ、大変な作業に協力してくれたパークボランティアの皆さんには感謝です。おかげさまで1日目は100kg、2日目は120kg抜き取ることができました。