アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
エゾシカの香箱座り
2020年10月23日
大雪山国立公園
然別湖周辺の森の中で、エゾシカの寝床らしい痕跡を見つけました。
写真の左上を頭の方向にして前足の肘を折ってたたみ腹を地面に押しつけていたようです。両肘が深く地面に押し込まれています。その後方には立ち上がったときに付いた蹄の跡も残っていました。
肘を折ってたたむのは、リラックスした家猫が見せる香箱座りという姿です。猫が香箱座りをしてうとうとと目をつむっているとたいへん可愛らしいものですが、警戒心の強い野生のエゾシカが寝姿を見せてくれることはありません。
日が落ちれば真っ暗になる針葉樹の森の中、周囲にはほかに痕跡は見当たりませんでしたから、オスジカが独りで夜を過ごしたのかもしれません。
痕跡から想像してみました。