上士幌

十勝三股の小中学校跡地を森に還す活動を続けています。
大雪山国立公園パークボランティアのみなさんとテキサスゲートを構築しました。

十勝三股植生復元活動

2022年08月18日
上士幌 上村 哲也

十勝三股植生復元活動

上士幌町三股は、かつて林業で栄え1,200人ほどが暮らし、人々の往来や木材の搬出にと国鉄士幌線の終着駅が置かれるほどでした。現在は2世帯が暮らすのみになりました。
環境省は一帯を所管地とし、上士幌管理官事務所では小中学校跡地を中心に、植樹や自生樹木の食害防止など森に還す活動を続けています。当初、木枠と金網で柵を巡らし複数の植樹を囲むように鹿の侵入を防いでいましたが、現在は、樹脂網と支柱を用いて1本1本を守っています。
長い時間を経て防鹿柵が傷み、金網に穴が開き木枠が倒れてきています。順に解体し廃材として処分するところでしたが、専門家から「テキサスゲート」として活用できると助言をいただきました。鹿は岩や木道など堅く不整地であるところ、滑りやすいところを避ける性質があります。テキサスゲートは、金属製のアングルを格子状に敷き並べ、自動車などは通行できるようにしながら、鹿が侵入することを防ぎます。小中学校跡地の植樹区画では自動車を走らせることはないので、防鹿柵を解体した木枠や松製材でも十分効果が期待できます。試験的にこれらの廃材で囲んだ植樹区画と何もしなかった植樹区画にセンサーカメラを設置したところ、囲んだ区画の方が43%侵入が少ないことが観察されました。
大雪山国立公園パークボランティアのみなさんと小中学校跡地の植樹区画にテキサスゲートを構築しました。目的や効果、構築の段取りなどを説明し、作業に取りかかりました。段取りに複雑なことはなくみなさんの呑み込みも早かったので、構築はあっという間に終わりました。先行した試験的な区画より高さを増し、より鹿の眼に触れやすいように改良しました。
その後は、手分けして食害防止樹脂網囲いの下草刈りや倒壊防鹿柵の解体などをお手伝いいただきました。参加のみなさん、お疲れ様でした。ありがとうございました。
テキサスゲート構築の段取りを説明
資材を搬入、構築
資材を搬入、構築
完成しました。
倒壊防鹿柵の解体
食害防止樹脂網囲いの下草刈り
お疲れ様でした。