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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブ・レンジャー写真展~北の自然の舞台裏~

2023年06月01日
上川 忠鉢伸一

大雪山国立公園

大雪山国立公園管理事務所 アクティブ・レンジャー 入江端生 (現任:村岡龍岳)

秋色


雲井が原 9月
 
 紅葉シーズンが終わりに近づき、山は静けさを取り戻します。愛山渓から続く登山道の閉鎖作業をした日は雲ひとつない晴天でした。作業後に立ち寄った雲井が原湿原から見える大雪山の山並みがとても綺麗でした。
これから数日もしないうちに、山には雪が積もり長い冬が訪れます。無事に夏山シーズンを終えることができてほっとしている気持ちもありますが、春が訪れるまでしばらくの間ここへは来られないと思うと、目の前に広がる景色が名残惜しく感じました。

命の循環

 

緑岳 8月

 エゾコザクラが咲く草原を、キタキツネがアオダイショウをくわえて歩いていきます。家族が待つ寝床へ帰る途中なのでしょうか。大物を仕留めて、心なしか自慢げに私の前を通り過ぎて行きました。
アオダイショウはこのキタキツネの家族の生命を保つための糧となり、死んだキタキツネの骸は山の植物たちを育てるための養分になります。あらゆる生き物はお互いの命を投げ出しあって、お互いの命を支え合っています。
野生の生き物は人間が忘れかけている食事への感謝や、命の尊さに気づかせてくれる気がします。