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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

冬の妖精

2023年03月02日
上川 忠鉢伸一
2月の午前中、上川の事務所の前にあるナナカマドの木にシマエナガがやってきました。
北海道土産のパッケージなどにもよく登場する近年とても人気のあるかわいらしい鳥です。
白いふわふわした羽毛に黒い目と長い尾が印象的です。
 
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【シマエナガ】
エナガはスズメ目エナガ科の鳥で、北海道に生息するエナガはその亜種でシマエナガと呼ばれます。亜種とは同じ動物として分類されているのにも関わらず、地理的要素で見た目が違う種族のことで、シマエナガは世界でも北海道にしか生息していません。

生物の中には種類の違うもの同士が混じり合って行動することがあります。
この写真を撮った日もシジュウカラ、ヤマガラ、シマエナガの混群でした。
おそらく捕食者から身を守るために皆で協力して警戒を行い、採餌の時間をできるだけ増やそうというチームプレーではないかといわれています。
 
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【一緒に群れを成していたヤマガラ】
何羽も集まると同じ餌を求めて喧嘩になるのではないかと心配になりますが、
くちばしの小さいシマエナガはアブラムシ。シジュウカラは木に潜んでいる昆虫、ヤマガラは虫よりも木の実がそれぞれ好みのようで、同じ木を訪れても餌の取り合いにはならないのです。
 
シマエナガはとても小さい鳥ですが、その雛はさらに小さく、弱い存在です。そのためか、卵が孵らなかったり、育児中の雛が天敵に食べられてしまったシマエナガの個体は、別のつがいの子育てを手伝うという珍しい習性があります。稀にシジュウカラの子育てにも参加している例が確認されているようです。
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【こちらの様子をうかがうシマエナガ】
シマエナガはかわいいだけではなく、生き残る為の大切な知恵も持ち合わせているようです。
仲間や、時には種の垣根を乗り越えて、助け合いながら懸命に生きているのですね。