アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。上士幌管理官事務所では大雪山国立公園の東大雪地域でオオハンゴンソウの抜取りなどの防除を続けています。
オオハンゴンソウとの戦い
2024年12月04日
上士幌
特定外来生物オオハンゴンソウ
オオハンゴンソウは北米原産の外来植物で、その繁殖力の強さから在来植物への影響を懸念し特定外来生物に指定されています。
詳しい生態は明らかになっていませんが、草丈は3メートルに及ぶことがあるといい、密生すると株元には日の光が届かず、ほかの植物は衰退してしまうようです。土の中に根塊を作り、刈り払っても変わらず芽を出し、掘り取っても親指ほど残せば高い確率で再生するといいます。
詳しい生態は明らかになっていませんが、草丈は3メートルに及ぶことがあるといい、密生すると株元には日の光が届かず、ほかの植物は衰退してしまうようです。土の中に根塊を作り、刈り払っても変わらず芽を出し、掘り取っても親指ほど残せば高い確率で再生するといいます。
国道、道道脇での抜取り防除
大雪山国立公園の東大雪地域では、糠平国道と道道忠別清水線の道路脇に点在し生育しています。上士幌管理官事務所では主に特別地域に注力して開花茎の抜取りなどの防除を続けています。開花茎の抜取りは、同定に誤りがなく、種子の産出を途絶えさせることができます。
2019年から抜取り本数や作業時間を記録してきました。その推移は次の表の通りです。
作業時間には移動時間を含んでいません。
2022年の糠平国道49kmは、どなたかが当事務所より先に抜き取っていただいたらしいことから不明としました。
糠平国道の国立公園界には、やはり特定外来生物であるヤエザキハンゴンソウが生育しています。2020年から取り組み始めたため、2019年に値がありません。
さらに、グラフにしてみました。
2019年から抜取り本数や作業時間を記録してきました。その推移は次の表の通りです。
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
糠平国道51km | 23 | 11 | 0 | 0 | 3 | 1 |
糠平国道49km | 734 | 266 | 303 | 不明 | 44 | 114 |
黒石平音更第3橋梁 | 62 | 79 | 17 | 25 | 19 | 60 |
糠平国道国立公園界 | 379 | 75 | 116 | 48 | 51 | |
そのほかの糠平国道 | 18 | 5 | 1 | 1 | 2 | 0 |
忠別清水線1 | 179 | 109 | 59 | 15 | 19 | 30 |
忠別清水線2 | 10 | 4 | 2 | 1 | 0 | 0 |
合計 | 1026 | 853 | 457 | 158 | 135 | 256 |
作業時間 | 17:35 | 16:55 | 9:10 | 1:51 | 3:17 | 5:40 |
作業時間には移動時間を含んでいません。
2022年の糠平国道49kmは、どなたかが当事務所より先に抜き取っていただいたらしいことから不明としました。
糠平国道の国立公園界には、やはり特定外来生物であるヤエザキハンゴンソウが生育しています。2020年から取り組み始めたため、2019年に値がありません。
さらに、グラフにしてみました。
生育地によって生育数に桁違いの開きがあるため縦軸に対数目盛を用いました。このため0本は図の外になります。
2022年の糠平国道49kmは不明のため、破線でつないでいます。
グラフからは総じて減少しているように読み取れ、抜取りの効果が現れています。作業時間も当初の3分の1になりました。
しかし、今年は比較的生育数の多い場所で盛り返しています。昨年からの猛暑がオオハンゴンソウに力を与えたのでしょう。寒冷に強い植物とはいえ、強い日射、長い日照時間、高い気温を歓迎したのではないでしょうか。
生育数の少なくなった場所も油断できません。0本が2年続いた場所にも再び現れました。土に埋まった種子が何年にわたり生き延びるのか分かっていません。
それでも、防除を続けていけば本数は減り、作業に割く時間も減ることでしょう。いずれ僅かな労力でオオハンゴンソウを目にすることのない公園を維持することができると考えています。
2022年の糠平国道49kmは不明のため、破線でつないでいます。
グラフからは総じて減少しているように読み取れ、抜取りの効果が現れています。作業時間も当初の3分の1になりました。
しかし、今年は比較的生育数の多い場所で盛り返しています。昨年からの猛暑がオオハンゴンソウに力を与えたのでしょう。寒冷に強い植物とはいえ、強い日射、長い日照時間、高い気温を歓迎したのではないでしょうか。
生育数の少なくなった場所も油断できません。0本が2年続いた場所にも再び現れました。土に埋まった種子が何年にわたり生き延びるのか分かっていません。
それでも、防除を続けていけば本数は減り、作業に割く時間も減ることでしょう。いずれ僅かな労力でオオハンゴンソウを目にすることのない公園を維持することができると考えています。