アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
今年の紅葉
2021年10月28日今年の大雪山の紅葉は当たり年だったといわれるほど綺麗で、見頃が長く続き多くの人に楽しんでいただけたのではないかと思います。高原温泉沼巡りコースでは、二十年に一度ぐらいの素晴らしさではないかとの声も!
綺麗に紅葉をするためには初秋昼の温度が高く日が十分にあり、夜冷え込むことが必要といわれていますが、皆さんはどうして木は紅葉するのかご存じですか?
木は葉から水分が外に出る仕組みを持っています。葉を付けたまま乾燥している冬になると、水分が出過ぎてしまうため木は秋になると葉を落とす準備を始めます。準備とは木の葉に含まれている栄養を回収するためにクロロフィル(緑色)とカロチノイド(黄色)という色素を分解します。秋になり日差しが弱くなると両方の色素が分解されますが、クロロフィルの方が早く分解され、黄色のカロチノイドが目立つようになり黄葉します。さらに寒くなるとクロロフィルが分解させていくときに葉の中に元々含まれていないアントシアニンという赤い色素が作られることがあります。しかしなぜこの赤い色素が作られるかについてはよく分かっていないそうです。
湿度や気温が関わっているそうで、その年々によって紅葉の雰囲気は変わるそうです。
さて、この秋に私が撮った写真をお見せしますね!!
<高原温泉沼巡りコースの紅葉>
ナナカマドの葉が赤と黄色のグラデーションになっていてとても綺麗なのですが、これはどうしてこうなったのかまだ分かっていないとは...びっくりですよね!?
<赤岳の紅葉>
上の写真は晩秋を迎えほとんどの葉が落ちている中、林道に沿って筋のように残った黄色の並木がありました。どうしてあの場所だけ残っているのか気になり見に行くと、ヤナギとミヤマハンノキという樹種たちでした。
秋も終わりに近づく中、ふと小川に目をやると小さなバイカモが一輪咲いていました。
季節外れだと咲く花が小さくなるようです。寝過ごしちゃったのか、早起きか...不思議ですね。他にも季節外れに咲く花たちがいました。
季節外れに咲いたアオノツガザクラやミヤマキンバイは、最後のマルハナバチたちの憩いの場になっていました。
この翌週には大雪山の初冠雪が観測され、長い冬が始まりました。
来年はどのような紅葉なのか今から楽しみです。