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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

夏の名残

2023年10月06日
上川 村岡龍岳
こんにちは。大雪山国立公園管理事務所の村岡です。
 
今年も紅葉期における車両交通規制(マイカー規制)が銀泉台と高原温泉にて実施されました。
マイカー規制期間中は入山者対応や携帯トイレブースの設置等をパークボランティアや山岳関係者と協働して行いました。
既に大雪山では初冠雪が観測され、平地に先駆けて冬の様相を呈していますが、マイカー規制が始まった9月中旬頃は残暑の影響による紅葉の遅れが心配されていました。
 
赤岳第一花園
【9月16日時点】
【9月24日時点】
コマクサ平から見た赤岳第三花園
【9月16日時点】
【9月24日時点】
マイカー規制の初日と最終日にほぼ同じ地点から紅葉の様子を撮影しました。
9月16日時点ではまだ緑色が目立ちますが、わずか一週間ほどで大きく変わりました。
 
マイカー規制終盤には綺麗に紅葉した赤岳ですが、前半にはまだ夏の面影も随所に残していました。
今日はマイカー規制期間中に銀泉台から赤岳で見つけた夏の名残について紹介します。
【9月16日 エゾノツガザクラ】
【9月16日 コメバツガザクラ】
【9月17日 アオノツガザクラ】
【9月17日 メアカンキンバイ】
【9月20日 チングルマ】
【9月20日 キバナシャクナゲ】
いずれも夏に花期を迎える高山植物ですが、残暑の影響からか狂い咲きが見られました。
紅葉期シーズンはつい遠くの景色を眺めてしまいがちですが、足下に目を向けると花が咲いていたりします。
狂い咲きしている花の数はわずかかも知れませんが、周囲は既に紅葉している植物も多くあります。紅葉とのコントラストが際立つため、多く見つけることができました。
 
【9月17日 エゾヒメマルハナバチ】
【9月17日 コヒオドシ】
快晴で風も穏やかだった9月17日にはマルハナバチやチョウも飛んでいました。
この時期まで残っていた個体もいたようです。
既に枯れている花も多い中で、わずかに残ったアザミの蜜を吸っている様子を確認することができました。
 
蓋しこの時期に咲いてしまった花は来年咲かないのかもしれません。
夏山シーズンには多くの群落を見かけますが、この時期に花を見ると儚さを覚えます。
来年はどのような景色となるのでしょうか。観察を続けたいと思います。