アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
久しぶりの山仕事
2016年09月21日みなさま、こんにちは。
上川自然保護官事務所の岩城です。日に日に秋めいてきましたが、
いかがお過ごしでしょうか。
8月は度重なる台風の上陸により、大雪山の各所でも被害が出ました。
特に各地の登山口までのアクセスは8月下旬から9月中旬までできない状況でしたが、
関係者の方々の懸命の復旧により徐々にアクセスは正常化しつつあります。
8月中旬以降は台風の影響で大雪山への巡視もできない状態でしたが、9月に入り
ようやっと山へと行く仕事も順次できるようになってきました。
今回は9月12日に上川総合振興局、上川中部森林管理署、上川自然保護官事務所が
合同で行った登山道補修の様子をお伝えします。
久しぶりの山仕事で気合い入りまくりです。
もちろん現場へは、まずは登山しないと着きません。
この日は薄曇りの中、黒岳7合目より背負子に補修に使う道具を取付け出発しました。
紅葉はまだ始まって間もない感じで、今年は例年より1週間くらい遅いようです。
山頂までせっせと登ると、雲はすっかり抜けきって青空が現れました。
その青空には、筆で薄く描いたような雲が連なっていて、その光景は秋を感じさせてくれます。
山頂をあとにして、黒岳石室まで進みます。石室の分岐まで来ると現場はもうすぐです。
当初は登山道の石組みが外れている箇所や、大雨の影響で壊れてしまったところを
補修する予定でしたが、赤石川の少し手前まで来てみると、昨年度に水が流れる区間の浸食を防止する
ために設置したワラムシロが大雨の影響で1箇所に集積してしまっている状況でした。
これはほうっておけません。
集積してしまったワラムシロを分け、大きめの石をワラムシロに包んで設置し、
土砂を堆積させ浸食を防止することとしました。
石を包んだワラムシロを真ん中に配置し、両サイドには石をしっかりと設置し雨水のせき止め土砂などが
堆積する効果を狙います。
おおよそ2m間隔でワラムシロを包んだ石を設置しました。
すっかりきれいになった現場。
この写真ではわかりにくいかもしれませんが、ワラムシロで補修を行った左側には
昔もう一本の登山道がありました。
見た目では自然に戻っているように見えますが、底の方は今現在も掘れた状態のままです。
自然が元の姿に戻るまでには、とてつもなく長い時間が必要になります。
今回、補修した箇所も元の様に戻るには長い時間が必要でしょう。
しかしゆっくりでもいいので、少しずつ確実に本来の自然の姿に回帰してくれたらと願っています。
今回のAR日記はここまでです。
また次回をお楽しみに・・・・・