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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

アーチ橋

2008年03月07日
上士幌
みなさん糠平のアーチ橋を知っていますか。
アーチ橋は旧国鉄士幌線で使われていた鉄道橋です。士幌線は農産物や森林資源の開発に貢献した鉄道で、1937年9月に上士幌~糠平間が1939年11に糠平~十勝三股間が開業しましたが、森林資源の枯渇と車社会の到来により、1978年に糠平~三股間が、1987年に帯広~糠平間が廃止されています。1000m進むと25m登るという急勾配と半径200mのカーブが続き、終着十勝三股駅は海抜661.8mと北海道の鉄道の中では最も高い位置にある本格的な山岳鉄道でした。特に音更川の渓谷に沿って作られたため、たくさんの橋を造る必要がありましたが、工事費を抑えるために現地でとれる砂利や砂を使って作ることのできるアーチ橋をかけることになりました。また、大雪山国立公園の渓谷美に似合った橋の形にしたいということもあったようです。

◆特にお勧めのアーチ橋◆
① 第三音更橋梁:鉄筋コンクリートアーチ橋としては32mと北海道一の高さを誇る美しい橋。桜の名所泉翠峡という景勝地にかかり元小屋ダムの静かな湖面に影を落としています。

第3音更川橋梁
② 第二音更川橋梁:音更川の断崖絶壁に沿った川を渡らない陸橋。とてもきれいな石組み護岸が続き、天然素材とコンクリートが自然と調和している美しい景観を見ることができます。
③ 第四音更川橋梁:音音更川に架かるところは36mの鉄の桁橋でしたが、今は撤去されています。残ったアーチ橋の上には木が生い茂り歳月を感じさせます。

第4音更川橋梁
④ 第五音更川橋梁:国道273号線から見える大きなアーチ橋です。10mの無筋コンクリートアーチが連続し、音更川をまたぐところには23mのものが作られています。
⑤ 第六音更川橋梁:国道から少し入ったところに架かる大きな橋。橋の下に降りることもでき、見上げる眺めは迫力があり、周囲の緑や険しい崖とのコントラスト、音更川の流れが心地いい。
⑥ タウシュベツ橋:ダムの水位が少ない一月頃から凍結した湖面に姿を現し、水位が上昇する6月頃から水に沈み始め、10月頃には糠平湖の湖底に沈みます。季節によって見え隠れするアーチ橋は日本でここだけです。幻の橋と言われる所以です。

タウシュベツ橋

みなさんも歳月と歴史が刻んだ美しいアーチ橋の姿を見に糠平に来てみませんか。
(冬の間は糠平湖でのワカサギ釣りもお勧めですよ)
※タウシュベツ橋へいく林道の入り口は現在通行止めとなっています。
※現在多くのアーチ橋が危険防止のため立ち入り禁止となっていますので、見学は立ち入らずに離れたところから気をつけて行って下さい。