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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

登山中に出会える小動物

2009年07月24日
上士幌
あしたのジョーに出てくる丹下段平のモデルとなった人物(注1)と同郷の三浦です。

これまでいくつか高山花を紹介してきましたが、東大雪エリアの山々には野生動物もたくさん生息しています。
先週の登山道巡視の際に撮影できた野生動物を紹介します。

まずはエゾシマリスです。


地下巣を作って出産や冬眠をするのですが、冬眠中に目を覚まして貯め込んだ植物の実を食べたりします。地下巣が登山道に近い場所にあったりするので見られる確率は高いのではないでしょうか。




そして同じ日に撮影できたナキウサギです。冬眠をしません。


繁殖期は春から夏で6-7月に3頭前後の子を産みます。子育ては岩が積み重なってできた「迷路」を利用しているのでその様子が確認されたことはありません。でも見てみたいですね。

北海道のほぼ全域に分布するエゾシマリスですが、ナキウサギとともに本州には分布していません。これは最終氷河期のときに津軽海峡は陸橋化しなかったために北海道から本州へ渡れなかったからなのです。
これが生物の授業で出てくるブラキストン線という分布境界線なのです。

一般登山者はナキウサギやエゾシマリスなんかを見ることができれば非常にうれしいものです。
そして写真を撮ろうとあわててカメラを構えたときには時すでに遅し。さっきまで居たはずなのに目の前から消えてどこかに行ってしまった、なんてことが多いのではないでしょうか。
そこで、私の工夫をご紹介します(撮影テクニックではありません)。
自称忍者研究家の私がやっているのは、気配を消すこと、それだけです。
感情も消します。逃げられても悔しがってはいけません。感情を消しているのですから何の欲もありません。「忍」とは心に刃と書くのです。
動作も止めます。
これだけで会える確率がぐっと上がるはずです。間違っても餌付けしようなどと思わないでください。餌付けなどせずとも会えます。

※この方法でヒグマと出遭っても環境省および三浦ARは一切の責任は負いません

(注1)千葉県市川市キクチジム会長菊池萬造氏(元日本フェザー級王者)