アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
静かなる層雲峡温泉
2020年03月19日みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。
今日(3/19)は雲一つない晴天で、外に出ると春の香りが胸を満たしてくれます。
長―い冬が終わりを迎え、吹く風の冷たさが和らぎ、心地よい日差しが心を包んでくれる
待ちに待った春の到来。
外へと出かけたくなる季節なのですが、こちらでも新型コロナウィルスの影響は深刻です。
そこで、今回の日記では大雪山国立公園層雲峡地区での新型コロナウィルスの影響について
お伝えします。
環境省上川自然保護官事務所が管理している層雲峡集団施設地区* には有名な層雲峡温泉があります。
春は新緑、夏は登山の拠点、秋は紅葉、毎年厳寒期には氷瀑まつりが開催され、
美しい氷瀑が幻想的な世界へといざなってくれます。
一年を通して多くの観光客が訪れる観光拠点となっているのです。もちろん温泉も最高です。
*集団施設地区
国立・国定公園の特に重要な利用拠点で宿舎、野営場、園地などを総合的に整備する地区として、
公園計画に基づき環境大臣が指定する地区(自然公園法第36条)。
指定されると集団施設地区計画が樹立され、これに基づき各種の施設の整備が図られる。
北海道では支笏洞爺国立公園の支笏湖温泉、定山渓、洞爺湖温泉、登別温泉地区などが代表的。
(参考:自然公園法第36条 集団施設地区)
層雲峡温泉地区も集団施設地区である。
2020年2月上旬の氷瀑まつりの様子
私が氷瀑まつりへ行った2月上旬、すでにテレビや新聞では、新型コロナウィルスのニュースが連日取り上げられていました。そのため、人出を心配していましたが、思いの外会場は賑わっていました。
しかし、その後、新型コロナウィルスの猛威は、瞬く間に日本各地へと広がり、その影響は特に観光資源が豊富な北海道の各地域へ波及しはじめました。
また、2月28日には、北海道知事が緊急事態宣言を発表し、週末の外出自粛を要請すると状況はさらに厳しいものに。層雲峡温泉の各宿泊施設ではキャンセルが急増、残念ながら氷瀑まつりも、2月28日(3月15日まで開催の予定)をもって終了せざるを得ない状況に。
層雲峡温泉地区のキャンセル数(3月4日時点のキャンセル数)は下記の通り。
2月約7,600人、
3月約15,600人に上っています。
観光への影響は想像していたよりかなり深刻です。
しかし、今はただ新型コロナウィルスが一刻も早く終息することを願うことしかできません。
そして、一番大事なことは終息してからどのように従来の層雲峡温泉の姿を取り戻すのかを考えることだと
思います。
そのため、今から様々なことを提案し議論しなければならないでしょう。
北海道の春は一年で最も美しい季節。
そんな季節に静かなる層雲峡は似合いません。
今回の日記はここまで。
また次回をお楽しみに。。。