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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

黒岳石室まで巡視に行ってきました。

2016年05月10日
大雪山国立公園 岩城大洋

みなさま、はじめまして。

4月より上川自然保護官事務所にアクティブレンジャーとして着任した岩城と申します。

これから上川地区(主に大雪山)の自然の情景や各イベントの情報などを定期的に、

みなさまにお伝えできればと思っております。

 

上川町でも春の訪れを少しずつではありますが感じられるようになってきました。

桜の花もようやっと咲き始めたところです。

 

さて、今回は4月26日に黒岳7合目から石室までを巡視してきましたので

その様子をみなさまにお伝えします。

 

(7合目リフト乗降場より。積雪は2mほどありました。)

 

層雲峡はあいにくの天気でしたが、7合目までやってくると、少しではありますが

青空もありました。

もちろん登山道は雪の下にあります。雪が解けてその姿が見えるようになるのはまだまだ先になります。

準備を整え、山頂へと出発です。

踏みしめる雪の状態は登るには最適のコンディションでした。

 

(黒岳9合目付近。急勾配が体力を奪います。)

 

山頂に近づくにつれて雪も硬くなってきましたが、この日はアイゼンを装着するほどではありませんでした。

 

(山頂に到着。)

 

黒岳の山頂には雪がほとんどありませんでした。強く吹きつける風が雪の着地を

拒んでいるかのようです。

今回は黒岳石室までの行程なので、のんびりしている時間はありません。

それに加え、吹きつける風雪に山頂を満喫する時間はありませんでした。

早々に石室へと足を進めます。

 

(山頂より石室方面)

 

視界が悪く、桂月岳や凌雲岳の姿はみえません。

登山道の両はじに刺さっているテッピンを頼りに先へと進みます。

 

なかなか姿を現さない石室にようやっとたどり着きました。

 

(手前:黒岳石室 後方:黒岳トイレ)

 

屋根の大きさが分かりにくかったので、私の手袋がここで活躍。

 

石室はほとんどがすっぽりと雪に埋まっていて、屋根がほんの少しだけ顔を出していました。

四方からの強風を雪の中でじーと耐えながら春を待っているかのようです。

こんなにも雪に覆われている石室ですけど、これから日に日に暖かくなるにつれて雪も解けて、

例年6月20日前後にはオープンします。

そしてそこは大勢の登山者の憩いの場と、休息と宿泊の場となります。

 

それがうそのような静かな静かな石室。

こんな静かな世界もいいなあと今回は感じ取れた1日でした。

 

巡視を行ったのは4月の終盤ではあったものの、少しでも天候が悪化すると、視界はホワイトアウトに

近い状況となり、気温は低下し、冬山装備でも体温を奪われてしまいました。

5月に入り暖かい日も増えてきましたが、入山される方は、充分な準備と装備をしてお出かけください。

 

今度は雪のないときの黒岳もレポートできればと思っています。

 

ではまた次回の日記でお会いしましょう。