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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

3年目のテンサ-

2016年08月31日
大雪山国立公園

ご無沙汰していました、東川の渡邉です。

短期間に凝縮された大雪山の四季。この夏はタイミングを逃し高山植物の大群落には出会えず...気づけば9月を目前となっていました。

赤・黄・橙・茶になるモザイク色の山の斜面や、陽に当たる美しい黄金色の穂、冬眠の準備に忙しそうな動物たちの残した食べ殻や足跡。淡々と、着々と、長い冬を受け入れる前のいつもより静寂を増した秋の大雪山は一段と美しく、山の稜線に立ち、乾いた透き通った風に吹かれると、このまま風になり山肌を撫でたり、稲穂を揺らす風になりたい、と願ってしまいます。

山が白くなる前に、まだまだたくさん大雪山を歩かなければ。

先日、パークボランティアと裾合平で登山道補修をしました。

流水で洗掘が進む登山道に、河川の土留めとして使われるテンサーを使い、土留め補修をするようになり3年目。

今年も北海道山岳整備の岡崎講師に来て頂き、頭の体操をしながら土木作業の開始です。

つくづく、登山道整備は体力はもちろん必要ですが、相手は山。

その場しのぎの整備では誤魔化しが効かず、中途半端な施工をするとすぐにひっくり返され、前より状態が悪化してしまうこともあり、そこで何が起こっているのかよくよく観察することが重要なのだと感じます。次にこれに対応するためにはどうすれば良いのか考える柔軟な頭、その次が技術...と登山道整備に関わるようになり駆け出しですが、毎回新たな発見と感動を覚えつつ、作業をしています。

2年前に置いたテンサーには土砂が満タンまで溜まり、予想よりもうまく機能していることに一安心。

しかし去年置いたテンサーに土砂はあまり溜まっていない・・・流速が早いところでは土砂が水と一緒に勢いをつけてテンサーを乗り越えて流れ出していってしまうようです。なので、昨年度の検証を生かし、大きな水たまりが出来易い、流速の弱まる部分にテンサーを設置することにしました。

3年連続参加してくださる方もいるので安心して作業をお任せでき、ARは石運搬係に徹します。(ときどき口うるさく監督します。)

そして設置したテンサーは10基。水たたき石代わりにササをはさみ石運搬は最小限にし労力を削減、ヤシロールで土砂を誘導しテンサーに土砂を溜まり易くするなど、確実に進化している3年目のパークボランティアでの登山道整備!!

嬉しく、燃えますね。

作業中、当麻岳の斜面には食事中のヒグマを見ることが出来ました。

100年後、200年後...山にはヒグマが悠々と草を食み、裾合平にはチングルマの大群落が咲き、毎年そこを訪れることを楽しみにしている人がいること、そしてその人たちが大自然から無限の癒しと力をもらい続けていること、それがいつまでも続くことを心から願い、今年も登山道整備をしました。

参加された皆さん、岡崎講師、楽しい作業でした。お疲れさまでした。