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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

然別湖湖水開き

2012年05月28日
上士幌
前回の日記で見事に復活した公園看板の近くで24日、然別湖湖水開きが執り行われ、夏の観光シーズンに向けて登山安全祈願や水難者慰霊式などに多くの関係者が集まりました。もちろん大雪山国立公園であるので上士幌自然保護官事務所から山北自然保護官も出席。


(冷たい風の中厳かに式は進みます)

式典に続いて湖への献花、オショロコマ稚魚の放流と続きました。この日の湖水開きでは最後に上流の孵化場で育ったミヤベイワナ稚魚を500匹放流しました。


(大きく育てよ~)

(全員後ろ姿ですみません)

ここで然別湖豆知識。
然別湖は大雪山国立公園でただひとつの天然湖(東雲湖や駒止湖は水深からみて沼にあたるそうです)。今から2万年以上前に周囲の山々(東ヌプカウシヌプリ山、白雲山、天望山)が次々と噴火し、その際に川がせき止められて、然別湖が誕生したと考えられています。付近の駒止湖と東雲湖はそのときの爆裂火口といわれています。然別湖周辺の山々は溶岩円頂丘といわれ、大きい溶岩が盛り上がってできたもので、現在でも白雲山頂上付近をはじめとする然別湖の各所で火山噴火の痕跡を見ることができます。

このように形成された然別湖ですが、それまで棲んでいたオショロコマは陸封されて独自に進化を遂げ、ミヤベイワナと名付けられました。然別湖北岸と繁殖河川は、ミヤベイワナ繁殖地域として北海道の天然記念物に指定されています。
然別湖に生息する特定外来生物であるウチダザリガニの防除も2ヶ月後には始まります。ザリガニ防除と平行してかつてあった水草の植生復元プロジェクトもスタート予定です。人間の手による復元がどこまでできるのか、こうご期待。