アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
上空からのパトロール
2020年02月21日みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。
今回の日記は、2月9日に実施したスノーモビル等乗り入れ規制啓発合同パトロール(以下、合同パトロール)の様子をお伝えします。
大雪山国立公園の一部の地域では、スノーモビルなどの乗り入れを規制しています。
なぜ規制されているかというと、スノーモビルなどの無秩序な走行が自然環境や動植物の生息・生育環境に悪影響を与えるからです。
規制区域への侵入を防ぐため、環境省及び関係機関では、毎年1月から3月にかけて、監視・普及啓発活動を目的とする合同パトロールを実施しています。
さて、今回の合同パトロールでは、私は北見峠を担当しました。
当日は今年一番の冷え込みとなり、北見峠に到着すると車の外気温度計はなんと氷点下26度ととんでもない数字を表示。
車から下りると、皮膚が露出している顔部分が冷気でピィーンと張り、すぐに鼻の先端が痛くなりました。
駐車帯にはスノーモビルの姿はなく、スノーモビルを牽引してきたと思われる車が10台残された状態で、遠くからはかすかにスノーモビルのエンジン音が聞こえ、駐車場には僅かに排気ガスのニオイがしていました。
今回の合同パトロールからドローンを使用し、上空から監視することができないか検討を始めました。
早速、規制区域の方角ではありませんが、かすかに聞こえるエンジン音へ向けて飛行させることに。
※(ドローン(無人小型機)は入林届を提出し飛行させています)
まずは、上空約80mまで上昇させ、
その後、エンジン音がする方角へと進路をとります。
スノーモビルの走行痕が上空からハッキリと確認できます。
さらに進路を進めると、
無数の走行痕が見えてきました。
しかし肝心のスノーモビルが見当たりません。
さらに、走行痕を追跡しますが、スノーモビルを発見できません。
耳を澄ますとエンジン音もいつの間にかに聞こえなくなっていました。
前方の山を越えたのかもしれません。走行痕をたどり山を越えたかったのですが、
この日の記録的な冷え込みの影響でバッテリーの減りが思いの外早く、ここは無理をせず引き返すことにしました。。。
無事に駐車帯へ戻ってきました。
残念ながら、低温の影響もあり、想定より、飛ばすことができませんでしたが、
上空からは、スノーモビルの走行痕がしっかりと確認できたのは、ドローンを飛行させた意義があったと思います。また、今回使用したドローンは半径約5キロ程度まで飛行させることが可能であり、スノーモビルが規制区域へと侵入しているかを上空から確認するには非常に有効な方法だと思いました。
今年度は、これからも定期的にパトロールを実施する予定です。
次回は、どこまでスノーモビルが乗り入れているかを検証できればと思っています。
今回のAR日記はここまで。
また次回をお楽しみに。。