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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

大雪山国立公園携帯トイレ普及キャンペーンin黒岳石室

2021年08月30日
上川 入江瑞生

大雪山国立公園は、本州の山岳地と比べて避難小屋や常設トイレなどが極めて少なく常設トイレのない宿泊地を中心にし尿の問題が深刻となっています。登山者がし尿を排出するため登山道を外れて繰り返し歩き、高山植物が消失して裸地が拡大、土壌が流出するほか、排出されたし尿が放置されることによる景観の悪化、不快感の増加による利用上の支障、土壌の富栄養化など周辺植生への悪影響や水場や沢水等の汚染も懸念されています。そこでH30 年に大雪山国立公園に関わる山岳関係機関18団体が協力し「携帯トイレ普及宣言」を行い、山岳環境を維持するために携帯トイレの利用推進を行っています。大雪山国立公園連絡協議会では、87日に携帯トイレ普及キャンペーン活動の一つとして安く作れる携帯トイレの配布を行いました。今回のキャンペーンは携帯トイレブースがあり、携帯トイレをすぐ使える黒岳石室で行いました。天気が下り坂ということもあり利用者は少なめでしたが、石室を利用した約8割以上の方に携帯トイレの話や、配布を行うことができました。

<配布内容>

1セット:45Lの防臭ゴミ袋、防臭ビニール袋、凝固剤、防臭ジッパー袋を各一個づつ

山用品店でなくてもホームセンター等で安くそろえることができるもので作ってみました。「これでは不安だ」という方は、登山口近くのコンビニでも携帯トイレの販売を行っている箇所がありますので調べてみてください!

登山者の方と話をしていて驚いたのは、日帰りではトイレに行かないという方が多く、携帯トイレを持参されない方が多いということでした。一方で、今年は北海道でも猛暑が続き登山中に熱中症で下山できなくなったという人が多かったそうです。持って行く水の量が少なかったことが大きな原因ではあるようですが、トイレのことを気にして水を飲めず脱水症状になってしまったという方もいらっしゃるのではないかと心配になりました。

そんな時に有効なのが、携帯トイレです!!持っていればいつでも用を足すことができます。ポンチョ等も売られており、急を要しても隠れることができます。

大雪山国立公園では、常設のトイレブースや携帯トイレブースが設置されている場所もありますので事前に調べてみてください!

今年度大雪山国立公園管理事務所の何人かの職員で使い始めてたのがピーボトルです。

携帯トイレを初めて使用する時よりも抵抗感はありましたが、使っていると携帯トイレより良い場面もあるなと感じています。また洗って使い回しをできるのでお財布や環境にも優しいのではないかと期待しています。キャンペーン中に1組の登山者がピーボトル使ってますよという嬉しい話も聞きくことができました!!

ティッシュが風で舞い、野外し尿痕で汚れている山ではなく、雄大で綺麗な大雪山国立公園であり続けてほしいと改めて思いました。皆さんも登山の際にザックの中に携帯トイレ常備しておいてはいかがでしょうか?