上士幌

ウペペサンケ山の登山者数を把握するため、登山者カウンターの移設が必要になりました。
ウペペサンケ山には林道を数キロ歩き登山道に至るコースと沢筋の刈分道を辿り登山道に至るコースがあります。両コースの登山者を計数するため、合流点より上に登山者カウンターを設置することになりました。

ウペペサンケ山登山者カウンターの移設場所調査

2023年11月22日
上士幌 上村 哲也
ウペペサンケ山には林道を数キロ歩き登山道に至るコースと沢筋の刈分道を辿り登山道に至るコースがあります。両コースの登山者を計数するため、合流点より上に登山者カウンターを設置することになり、登山道の入口を訪れました。

平成28年8月豪雨では、ひと月のうちに4つの台風が北海道に上陸あるいは接近して通過し、東大雪地域の登山口に通じる道路にも大雨により大きな被害が発生しました。ウペペサンケ山糠平コース登山口へ通じる糠平川迂回林道もそのひとつです。往復約7時間で中級の山とも紹介されていたウペペサンケ山は、2箇所で路体が流出した沢を徒渉し、片道約5キロの林道歩きが加わり、すっかり健脚向けの山になってしまいました。登山者はほとんど見込めないことから登山者カウンターの設置を見送っていました。
令和2年9月、NPO法人かむいさんが登山道のササ刈りを行ったことから、ウペペサンケ山の魅力が見直され登山者が増えるであろうと、令和3年から登山者カウンターの設置を再開しました。令和3年9月には少しでも林道歩きを解消しようと、糠平川本流沿いに刈分道を開削し試行として供用されました。令和4年7月には、糠平川迂回林道のうち路体流出していた1箇所が埋め戻され、約4キロ地点まで車両が通行できるようになり、林道歩きは残り約3キロ、刈分道と大差なくなりました。
登山道のササ刈りが行われた直後は、案の定、利用が増えました。そして、刈分道が知れると相当数が流れたようです。災害や関係者の努力など様々な経過を辿りながらも、現在、地元関係者からは、林道を4キロ地点まで車で進み残り3キロ林道歩きで登山道に至る経路を御案内しています。
これまで、環境省では林道が至る登山口に登山者カウンターを設置してきましたが、刈分道を辿るコースはカウンターの前を通りません。依然、刈分道を登行する登山者もいらっしゃるようで、ウペペサンケ山の登山者数を把握するためには、林道歩きと刈分道の両方を計数する必要があります。二つの道が合流した後に登山者カウンターを設置しなければなりません。
合流点は少し広い平らな場所になっていて、休憩に利用されると正確な計数ができません。傾斜のあるところも、登りでは一歩一歩体が止まったり、下りでは調子よく走り抜けたり、速度の違いが誤差の原因になります。来季までに、土地の借用や工作物の新築など手続を進めるため、今年のうちに設置場所を見定めておく必要があります。合流点から数十メートル登ったところに丁度よいところが見つかりました。

さて、林道歩きはつまらないと思われがちですが、糠平川迂回林道は深い谷を見下ろす高さを辿るので、川底を這うように進む刈分道とは違い、尾根を回り込むこと数回、樹間に糠平富士山頂を仰ぎ見ることができます。この日は今年何度目かの雪に覆われた頂が輝いていました。
ウペペサンケ山その1
樹間に山頂を仰ぎ見る
ウペペサンケ山その2
樹冠を越えて山頂を望む