アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。大雨による林道の崩壊などで入山経路がふたつになっているウペペサンケ山で、登山者カウンターの設置場所を経路合流後の位置に変更しました。
ウペペサンケ山の実力
2024年11月01日
上士幌
大雨による林道の崩壊で、一時、2箇所の徒渉の上、長い林道歩きを強いられるようになったウペペサンケ山でしたが、試行的に糠平川沿いの作業道跡のササを刈り払い、短縮路が開削されました。その後、林道の崩壊箇所が一部復旧し、どちらの経路を利用しても大差なくなり、ふたつの入山経路が利用されるようになりました。登山者数を正しく把握するためには、ふたつの経路が合流した後に登山者カウンターを設置する必要がありました。
今夏からふたつの経路が合流した後の標高950m付近に登山者カウンターを設置し、利用者数を調べています。
登山者カウンターは、人などの放出する赤外線を検知し、その動きから入下山の別を判別し、15分ごとの日時とともに通過人数を記録します。早朝の下山や日没後の入山は野生動物など誤った検知である可能性がありますが、全体から見ると僅かな数でしたので取り除いていません。
今夏からふたつの経路が合流した後の標高950m付近に登山者カウンターを設置し、利用者数を調べています。
登山者カウンターは、人などの放出する赤外線を検知し、その動きから入下山の別を判別し、15分ごとの日時とともに通過人数を記録します。早朝の下山や日没後の入山は野生動物など誤った検知である可能性がありますが、全体から見ると僅かな数でしたので取り除いていません。
時間帯別利用者数
まずは、時間帯別に入下山の利用者数を棒グラフにしてみました。
入山のピークは6時台に、下山のそれは14時台にあります。林道歩きなどが加わるので、実際は5時出発、16時下山完了といったところでしょうか。なかなか長い行動時間になります。ウペペサンケ山は東西に伸びる頂稜を持つ山で、登山口に近い糠平富士が標高1,834m、さらに1時間ほど足を伸ばすと最高点の標高1,848mに達します。下山が日没後にならないようどこで折り返すか適切に判断したいところです。
曜日別利用者数
次に曜日別の利用者数を棒グラフにしてみました。
土日の利用者数が多く、祝日や振替休日となることのある月曜日がほかの平日に比べて多くなっています。
日別利用者数
次に日別の利用者数を棒グラフにしてみました。
さらに、入山者数が多い順に五つの日を拾ってみると、いずれも9月の土日、祝日、振替休日でした。
日付 | 曜日 | 入山 | 下山 |
9月23日 | 月 | 34 | 28 |
9月29日 | 日 | 32 | 33 |
9月16日 | 月 | 27 | 24 |
9月14日 | 土 | 25 | 23 |
9月7日 | 土 | 23 | 19 |
月別利用者数
次に月別の利用者数を棒グラフにしてみました。
5月と10月は、調査期間が10日足らずですので御承知おきください。
9月の利用者数が飛び抜けて多くなっています。
要因のひとつに今夏のお天気があります。ぬかびら源泉郷アメダスの観測値をまとめてみました。
月ごとの降水量と日照時間の合計、そして1mmを超える雨が降った日数です。
8月のお天気は登山にとって恵まれなかったようです。
7月も利用者数が少なかったのは近年の猛暑を敬遠されたせいでしょうか。
そうはいっても、ウペペサンケ山の利用者数が500人を超えるのは平成28年の大雨被害以降初めてです。ササ刈りなど関係者の努力や愛好家によるSNSなどの発信がウペペサンケ山の実力を知らしめたでしょう。
9月の利用者数が飛び抜けて多くなっています。
要因のひとつに今夏のお天気があります。ぬかびら源泉郷アメダスの観測値をまとめてみました。
月ごとの降水量と日照時間の合計、そして1mmを超える雨が降った日数です。
降水量 | 日照時間 | 降水日数 | |
6月 | 74.5 | 156.7 | 6 |
7月 | 87.0 | 179.8 | 8 |
8月 | 257.0 | 89.2 | 14 |
9月 | 74.0 | 195.2 | 5 |
7月も利用者数が少なかったのは近年の猛暑を敬遠されたせいでしょうか。
そうはいっても、ウペペサンケ山の利用者数が500人を超えるのは平成28年の大雨被害以降初めてです。ササ刈りなど関係者の努力や愛好家によるSNSなどの発信がウペペサンケ山の実力を知らしめたでしょう。