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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブ・レンジャー写真展~北の自然の舞台裏~

2024年06月01日
上川 村岡龍岳

大雪山国立公園

大雪山国立公園管理事務所 アクティブ・レンジャー 村岡 龍岳

デラシネ


間宮岳 10月
 
10月初旬、間宮岳の山頂付近で撮影した1枚です。
標高2,000m帯に位置する山頂付近は雪と氷に覆われており、早くも冬が訪れていました。
寒さが見に染み渡るなか、不意にホシガラス(Eurasian nutcracker)が視界に飛び込んできました。
そして一瞬だけ雪の上に舞い降りると、またすぐどこかへ飛び去っていきました。
黒茶色の体に、白い斑点状の模様が特徴のホシガラス。
大雪山ではシーズンを通して目にする鳥で登山者にはおなじみですが、その黒い羽は雪白の風景に特に映えます。静寂な冬の雪景色はモノクロの世界のように見えます。 しかし、そこに突如現れる動物は風景に深みをもたらしてくれます。 また、厳しい自然の中で暮らす姿は孤独にも見えますが、同時に生命が持つ力強さを感じます。

燃えあがる緑、青い空


お鉢平 8月

8月の天気の良い晴れた日に北海岳から撮影しました。 写真中央部に鎮座するのは北海道第二の高峰北鎮岳で、手前にはお鉢平が広がっています。
お鉢平カルデラは約30,000年前、大雪火山の噴火によって形成されました。 カルデラの直径は約2.2kmあり、周囲には北鎮岳を含む2,000m級の山々がそびえ立っています。 カメラの画角に収まりきらないほど広大なカルデラを目の前にすると、噴火前はどのような景色が広がっていたのか、いつも想像してしまいます。
かつての大噴火は大雪山の地形を大きく変え、周囲の生態系にも多大な影響を及ぼしましたが、現在では希少な高山植物が生い茂り、独自の生態系を築き上げています。 また、一帯は永久凍土の上に形成される構造度(周氷河地形)が広がっており、地球のダイナミズムを感じることができます。
地球の歴史と、ここにしかない山岳景観を楽しみながら、お鉢平を歩いてみてはいかがでしょうか。