アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。環境省上士幌管理官事務所では、毎年、士幌町でセイヨウオオマルハナバチの防除を行っています。
士幌町セイヨウオオマルハナバチの集中防除
2024年04月26日
上士幌
セイヨウオオマルハナバチは、黒と黄色の縞模様のふさふさした毛に覆われたマルハナバチの一種で、ヨーロッパ原産の外来種です。腹部の先端が白く、在来種と比べて大型です。
ミツバチは、集めた蜂蜜を消費しながら身を寄せ合って冬を越すそうですが、マルハナバチは、交尾を済ませた新女王だけが巣を離れて越冬するといい、巣に越冬のための蜂蜜を貯めることはないそうです。代わりに花粉を食べて、ひとりで冬を越せるように体を大きくします。ふさふさした毛に覆われた体の特徴が花粉を集めるのに活きています。この特徴や習性からハウス栽培の受粉に利用されているのです。
マルハナバチは、ネズミの巣穴などを利用し営巣します。セイヨウオオマルハナバチが、餌資源や営巣場所を巡って競合し、在来マルハナバチを減少させることが懸念されています。在来種との交雑や盗蜜により在来植物の受粉を阻害する影響も指摘されています。幸い、大雪山国立公園の然別湖や士幌高原などには生息域を広げてはいません。
環境省上士幌管理官事務所では、毎年、士幌町でセイヨウオオマルハナバチの防除を行っています。
士幌町役場の敷地にはエゾムラサキツツジがたくさん植えられています。明るい紫色の花をたくさんつける背の低い木で、この花の蜜を吸いに現れるセイヨウオオマルハナバチが、網を扱うのに具合のよい高さを飛んでくれるのです。
桜と同じ頃に開花するので、桜開花予想の情報を睨みながら準備を進めます。桜開花予想は1月下旬には第1回が発表され毎週更新されます。集中防除は、士幌町さん、JA士幌町さん、十勝総合振興局さんらとともに開催し、そのほかにもセイヨウオオマルハナバチバスターズさんや大雪山国立公園パークボランティアさんらにもお声がけするため、4月1日には活動日を決めなければなりません。最近はゴールデンウィークの前に開花を迎えることが多くなりました。
4月26日(金)、士幌町においてセイヨウオオマルハナバチの防除活動に大雪山国立公園パークボランティア13名が参加しました。前述のほか、ひがし大雪自然館スタッフや友の会も加わり、43名での活動となりました。
この日は、やや風があったもののよく晴れて気温が上がり、蜂は活発に飛翔、訪花していました。1時間弱の活動で213頭の捕獲となりました。逸出した蜂が麓の町に定着し繁殖し数を増やしたことでしょう。地域の生息数を掴んではいないので、213頭の捕獲がどれほどの効果となるのか、正直わかりません。エゾオオマルハナバチやアカマルナハバチなど在来種も訪れていました。負けずに勢力を盛り返してほしいものです。
捕獲した蜂は標本材料に利用し環境教育に活かしていきます。将来、有効な防除方法が編み出されたときに効果を確かめるため比較データとしての積み重ねという意味もあります。地道な活動ですが、意義を噛みしめ、今後も続けていきます。
ミツバチは、集めた蜂蜜を消費しながら身を寄せ合って冬を越すそうですが、マルハナバチは、交尾を済ませた新女王だけが巣を離れて越冬するといい、巣に越冬のための蜂蜜を貯めることはないそうです。代わりに花粉を食べて、ひとりで冬を越せるように体を大きくします。ふさふさした毛に覆われた体の特徴が花粉を集めるのに活きています。この特徴や習性からハウス栽培の受粉に利用されているのです。
マルハナバチは、ネズミの巣穴などを利用し営巣します。セイヨウオオマルハナバチが、餌資源や営巣場所を巡って競合し、在来マルハナバチを減少させることが懸念されています。在来種との交雑や盗蜜により在来植物の受粉を阻害する影響も指摘されています。幸い、大雪山国立公園の然別湖や士幌高原などには生息域を広げてはいません。
環境省上士幌管理官事務所では、毎年、士幌町でセイヨウオオマルハナバチの防除を行っています。
士幌町役場の敷地にはエゾムラサキツツジがたくさん植えられています。明るい紫色の花をたくさんつける背の低い木で、この花の蜜を吸いに現れるセイヨウオオマルハナバチが、網を扱うのに具合のよい高さを飛んでくれるのです。
桜と同じ頃に開花するので、桜開花予想の情報を睨みながら準備を進めます。桜開花予想は1月下旬には第1回が発表され毎週更新されます。集中防除は、士幌町さん、JA士幌町さん、十勝総合振興局さんらとともに開催し、そのほかにもセイヨウオオマルハナバチバスターズさんや大雪山国立公園パークボランティアさんらにもお声がけするため、4月1日には活動日を決めなければなりません。最近はゴールデンウィークの前に開花を迎えることが多くなりました。
4月26日(金)、士幌町においてセイヨウオオマルハナバチの防除活動に大雪山国立公園パークボランティア13名が参加しました。前述のほか、ひがし大雪自然館スタッフや友の会も加わり、43名での活動となりました。
この日は、やや風があったもののよく晴れて気温が上がり、蜂は活発に飛翔、訪花していました。1時間弱の活動で213頭の捕獲となりました。逸出した蜂が麓の町に定着し繁殖し数を増やしたことでしょう。地域の生息数を掴んではいないので、213頭の捕獲がどれほどの効果となるのか、正直わかりません。エゾオオマルハナバチやアカマルナハバチなど在来種も訪れていました。負けずに勢力を盛り返してほしいものです。
捕獲した蜂は標本材料に利用し環境教育に活かしていきます。将来、有効な防除方法が編み出されたときに効果を確かめるため比較データとしての積み重ねという意味もあります。地道な活動ですが、意義を噛みしめ、今後も続けていきます。