アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
ウチダザリガニ秋防除in然別湖
2009年10月22日
上士幌
今月17日から5日間、ウチダザリガニ秋防除(主催:環境省、鹿追町、北海道ネイチャーセンター)を然別湖にて実施しました。冷たい風が強く吹く中、応援に駆けつけてきてくれた十勝支庁や大雪山PV、大雪山の各保護官事務所、札幌事務所の皆様にお礼申し上げます。
今回の防除作戦はこれまでと異なり、始めの2日間をダイバーによる防除にし、残りの3日間が罠による防除という日程で行われ、最終日には地元中学生39人が体験学習という形で個体測定に加わりました。
防除結果は昨年秋に比べて7割程度の数。これをどう見るか。良い方に受け止めると、これまでの防除作戦が功を奏して数は減少に向かっているかもしれない。悪い方に受け止めると、ザリガニの活性が低かったのか罠の場所が悪かったために捕獲数が減った。最終日に現地を見た(独)土木研究所の中田和義研究員によれば「大型が少なくなって小型化しているように見えます」とのこと。ウチダザリガニは縄張り争いをする。当然、大型で強いものが好条件の場所を優占する。するとこれまでの防除で大型個体が居なくなったおかげで小型個体も動き回っている可能性があるという。ひとまず減少傾向を防除による効果と前向きにとらえておきましょう。
今回の防除期間中に捕獲された最大級のウチダザリガニ(持っているのはネイチャーセンタースタッフ 爪を伸ばすと人の顔の長さに)
このウチダザリガニですが、防除の大義名分として在来生物への影響が甚大であるからなのですが、ここ然別湖でかつて数多く見られ土産売り場でも食されていた二ホンザリガニは絶滅したと考えられています。それでは何を守るのか。
この魚です。
然別湖北岸のヤンベツ川が繁殖河川になっているミヤベイワナ(オショロコマ亜種)です。
現在のところウチダザリガニは湖でしか確認されていませんが、北上を続けてヤンベツ川に侵入してしまうと逃げることのできない魚卵はたちまちウチダザリガニに食べられてしまうでしょう。そのため湖内の生息密度を上げないためにも防除を続けて行かなくてはならないという宿命なのです。
それにしても後々の影響を考えない人間は結果として罪作りであります。イギリスでは外来種の定着をオウンゴールと喩えています。必死にゴールを守っているのに味方が自陣ゴールに入れてしまえば二度と消えることはない。サッカーの国らしいうまい表現です。
最後に、試食した中学生の反応です。「うまい~~~」。
ザリガニを食べたらこんな顔になってました。
今回の防除作戦はこれまでと異なり、始めの2日間をダイバーによる防除にし、残りの3日間が罠による防除という日程で行われ、最終日には地元中学生39人が体験学習という形で個体測定に加わりました。
防除結果は昨年秋に比べて7割程度の数。これをどう見るか。良い方に受け止めると、これまでの防除作戦が功を奏して数は減少に向かっているかもしれない。悪い方に受け止めると、ザリガニの活性が低かったのか罠の場所が悪かったために捕獲数が減った。最終日に現地を見た(独)土木研究所の中田和義研究員によれば「大型が少なくなって小型化しているように見えます」とのこと。ウチダザリガニは縄張り争いをする。当然、大型で強いものが好条件の場所を優占する。するとこれまでの防除で大型個体が居なくなったおかげで小型個体も動き回っている可能性があるという。ひとまず減少傾向を防除による効果と前向きにとらえておきましょう。
今回の防除期間中に捕獲された最大級のウチダザリガニ(持っているのはネイチャーセンタースタッフ 爪を伸ばすと人の顔の長さに)
このウチダザリガニですが、防除の大義名分として在来生物への影響が甚大であるからなのですが、ここ然別湖でかつて数多く見られ土産売り場でも食されていた二ホンザリガニは絶滅したと考えられています。それでは何を守るのか。
この魚です。
然別湖北岸のヤンベツ川が繁殖河川になっているミヤベイワナ(オショロコマ亜種)です。
現在のところウチダザリガニは湖でしか確認されていませんが、北上を続けてヤンベツ川に侵入してしまうと逃げることのできない魚卵はたちまちウチダザリガニに食べられてしまうでしょう。そのため湖内の生息密度を上げないためにも防除を続けて行かなくてはならないという宿命なのです。
それにしても後々の影響を考えない人間は結果として罪作りであります。イギリスでは外来種の定着をオウンゴールと喩えています。必死にゴールを守っているのに味方が自陣ゴールに入れてしまえば二度と消えることはない。サッカーの国らしいうまい表現です。
最後に、試食した中学生の反応です。「うまい~~~」。
ザリガニを食べたらこんな顔になってました。