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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

エゾユキウサギ

2013年03月26日
上川
こんにちは、上川もだいぶ寒さが緩んできました。
今朝8時の積雪の深さは95㎝で、積雪の深さの平年値(1982年~2010年)の57㎝を38㎝も多く、まだ大部分は雪景色ですが、それでも落葉樹の新芽が膨らみ色づいてきたり、我が家の換気扇で雀が巣作りを始めたり、日中の道路はアスファルト面がでてきたり、とすこしずつ季節が移るのを感じています。

さて、上川自然保護官事務所では今年度から、大雪山国立公園内のスノーモビル規制区域内におけるスノーモビルの動向を調査するために、とある場所にセンサーカメラを設置しています。

先週、そのカメラのデータ回収を含めたパトロールで現地に行った際に、カメラ周辺にエゾユキウサギの足跡がたくさんあるなと思っていたら、ちゃんとその姿が写っていました。警戒心が強い夜行性の動物なので、日中会う機会は滅多にないか、もしくは気がつかないので、夜間活動の様子が写っていたのは非常に嬉しいです。動きのある写真なので紹介します。(ウサギは写真中央下に写っています。)



             ↓


2羽のにらめっこ。縄張りでもぶつかったのでしょうか。
この写真を最後にその後どうなったのかは分かりませんが、カメラの前でちょっとした出来事があったのは事実で、その場面を想像するだけでもほほえましく感じます。いつも足跡に導かれ進んでも追ってばかりで、真っ白い雪原で目をこらしてもなかなか見ることができませんが、そこにいると思うだけでも心がほっこりします。こうやってカメラでその姿をとらえると、ユキウサギが活動できる環境が残って欲しいという思いが増しました。

--=≡★エゾユキウサギ★≡=--
学名:Lepus timidaus ainu
   Lepusはラテン語でウサギtimidausは臆病なの意味。
   ユキウサギの一亜種。
分布:北海道、サハリン、国後島に生息する。
   他ヨーロッパからシベリアまで生息している。
生態:活動は主に夜間だが昼も活動する。
   植生は草のある時期は草類を食べ、積雪期は樹皮や若芽を食べる。
   木には登らない。水に足までまれに入ることはあっても泳いだりはしない。
   毛色は夏冬とも耳介先端部が僅かに黒く、目の周りは白毛。
   夏毛は他部位が褐色、冬毛は白色。
   体長は50 - 60cm、尾長は5~8cm、耳長は7 - 8cm、体重は1.6~3.95kg。
   日本の野生種のウサギとしては最大。
   体格に対して耳が小さいのは、寒冷地に生息しているので、耳からの体温の放熱を抑えるためと考えられる。
   発情期は2月~7月で、出産期は4月~8月。年に1、2回で最多で3回。


6月下旬の赤岳山頂付近で撮影。冬毛から夏毛へ換毛中。