北海道のアイコン

北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

色とりどりの世界

2008年07月08日
上士幌
 先日トムラウシ山に行ってきました。
あちらこちらで雪が溶けたところからぽつぽつと小さなかわいらしい花が目立ち始めていました。
 ピンクや白色をしたかわいい花のミネズオウ、白いイワウメ、クリーム色のキバナシャクナゲ、名前の通り黄色い色をしたミヤマ・メアカンキンバイ、紫色をしたエゾオヤマノエンドウや雪溶け一番に咲くショウジョウバカマの花。目立たないけどよくみると小さなかわいいウラシマツツジやコケモモの花もみられます。
 また、花に負け劣らず美しいものがありました。それは葉っぱです。赤やオレンジをした丸い葉っぱの織りなす絨毯はまるでお花畑のようにみえます。風雪に耐えるために抗酸化物質を出しているためこのような色になるのです。またその中にスポット的にある淡い緑色をしたハナゴケや出てきたばっかりの黄緑色のウラシマツツジの葉っぱのコントラストは見事です。
 今の季節どんどん花が咲き始めて花の種類も日ごとに移り変わり、辺りを色とりどりの世界に染めあげます。冬の単色だった山にどんどん色を加えていきます。
 また秋になるとナナカマドやウラシマツツジの赤や、イワイチョウの黄金色の作り出す鮮やかな色合い。そして餌を貯蓄するためにせっせと動き回るナキウサギやシマリスの姿が見られます。冬には雪の作り出す樹氷などといろいろな白が美しい情景を見せてくれます。
 この日は長く厳しい冬を乗り越えた生命のたくましさと美しさを見ることができました。
トムラウシは高山植物が豊富な山として有名ですが、花の色はもちろんのこと、葉っぱや雪、コケや地衣類、動物含め、いろいろなものが組み合わさり、混じり合って山に彩りを与えていることを強く感じました。
 山には一日として同じ表情はなく、登る度に山は私たちに新しい発見を与え、楽しませてくれます。次はどのような表情を見せてくれるか楽しみです。