アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
登山道巡視、始めました。
2019年06月04日 5月14日(火)、白雲山士幌コースを巡視しました。然別湖の外輪にある白雲山は、標高1,186m。然別湖側と士幌町側にそれぞれ登山口があります。
士幌町側の登山口は「士幌高原ヌプカの里」の山側にあり、公衆トイレと駐車場が利用できます。登山口から山頂までは大雪山グレード2「大雪山の自然とふれあう軽登山ルート」です。
大雪山国立公園の最も南にあり、雪の少ない十勝地方の気候も加わって、比較的早く夏山シーズンを迎えます。登り2時間ほどと行程は短め、愛好家の足慣らしに最適でしょう。
山頂近くまで樹林におおわれていますが、樺など広葉樹はまだ葉が広がっておらず、飛び交う鳥たちが眼に止まります。
途中、岩石山にも足を伸ばしました。山頂からは十勝平野を一望できます。整然と区切られた耕地やまっすぐに延びる道路が十勝らしさを感じさせます。「なつぞら」が広がった一日でしたが、水蒸気が少なければ太平洋まで見渡せたことでしょう。
圧巻は白雲山から然別湖を見下ろす眺望です。湖を挟んで外輪山の向こうにはウペペサンケ山が立ち尽くしています。合間には、忠別岳や五色ヶ原がまだまだ白い山肌を見せていました。
5月28日(火)、然別湖のトウマベツ川落ち口近くにある登山口から、白雲山、天望山、東雲湖を巡る天望山周回線を巡視しました。一巡すれば6時間ほどの行程でしょうか、大雪山グレード2「大雪山の自然とふれあう軽登山ルート」です。シーズン中、登山口には簡易トイレが設置されます。
岩が積み上がった白雲山、緑豊かな天望山、十勝平野や然別湖を見下ろしながら進む尾根沿いの歩道、奥深くひっそりとたたずむ東雲湖、水辺の自然を感じながら歩く湖岸沿いの歩道、変化に富んだ見所の多いルートです。
天望山周回線は、樹林帯、笹原、岩稜など様々な環境があり、植物の種類も環境に応じて多く見られます。この日は、コヨウラクツツジ、エゾムラサキツツジ、オオカメノキ、ツバメオモト、ミツバオウレン、オオバナノエンレイソウなどの花を見ました。
白雲山の山頂は大きな岩が積み重なって形作られています。岩の隙間に携帯電話やコンパクトカメラを落としてしまうと、ほぼ取り戻せません。ペットボトルや食べ物の包み紙などについても充分に注意を払ってください。
然別湖周辺の登山道は、毎年、然別自然休養林保護管理協議会のメンバーやその関係者が、ササ刈りなど手入れをしています。この日も一部の整備を行いました。刈り払った笹が芯だけ徒長していたものを剪定バサミで刈り取り、風や雪で倒れ道をふさぐ樹木を手のこで対応できる分だけ取り除きました。大きな支障のないものはそのまま残しています。倒木を潜り、跨ぐのも自然とのふれあいと感じていただけたらと考えています。
マダニにも注意が必要です。肌の露出を避け、見つけやすい明るい色の衣服を選びましょう。