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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブ・レンジャー写真展 ~北の自然の舞台裏~

2025年06月01日
洞爺湖 幸村 和実

支笏洞爺国立公園

洞爺湖管理官事務所 アクティブ・レンジャー 幸村 和実

自然の摂理

洞爺湖畔 8月
 
 洞爺湖畔での出来事です。
水鳥のカワアイサが、ウチダザリガニを丸のみしようとしています。
しかし、必死にハサミを広げて抵抗して、なかなか飲み込めません。
カワアイサは何度も湖面にたたきつけ、くちばしでつついたりして、ウチダザリガニの甲羅を少しずつ取っていき、ついに食べることに成功しました。
 洞爺湖のウチダザリガニは、2005年に発見され、調査で定着していることがわかりました。
雑食で水草や貝、魚卵など何でも食べてしまうため、生態系に大きな影響を与えます。
そのため、特定外来生物として、運搬や保管などに厳しい規制がかけられています。
洞爺湖では、長年の防除活動の成果により、ワカサギやスジエビなどの資源が回復していると聞きます。
 しかし、ウチダザリガニに罪はないのです。何らかの形で湖に入ってきて、防除されているわけです。
ウチダザリガニは、わたしたちに、自分たちの行動を見つめ直さなければならないという教訓を、教えてくれています。

一望



ニセコアンヌプリ南峰 10月
 
 支笏洞爺国立公園の洞爺湖管理官事務所で管理する地区は、羊蹄山、洞爺湖、登別の3地区です。
それぞれが、火山性の特異で優れた景観を有していて、北海道でも有数の観光地です。
3地区は、飛び地になっていて広範囲に散っているため、なかなか一度に見られる場所はないと思っていました。
 10月の晴れた日、ついに見つけたのがニセコアンヌプリ(南峰)からの景色です。
左に、羊蹄山、右に有珠山と洞爺湖、中央にホロホロ山からオロフレ山の稜線(登別地区)を望みます。
 火山は、いったん噴火するとおおきな災害をもたらしますが、火山性の土壌を活かした農業や、温泉・観光など、私たちの生活を豊かにしてくれます。
 この時は、山頂でひとり、素晴しい景色に感動しつつ、自分の活動するフィールドを一望して、この広い公園を守っていきたいと、決意を新たにした瞬間でもありました。
 
 
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