
アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
環境省アクティブ・レンジャー写真展 ~北の自然の舞台裏~
2025年06月01日
稚内
利尻礼文サロベツ国立公園
稚内自然保護官事務所 アクティブ・レンジャー 中村 一貴 (現任:國見 祐介)
チプタチカプ

姫沼 3月
多くの野鳥が生息しており、バードウォッチングを楽しむこともできます。クマゲラもそのうちの一種です。
日本最大のキツツキで、環境省のレッドリスト2020では絶滅危惧Ⅱ類に指定されている希少な鳥です。
この日は倒木の確認のため姫沼に向かいました。雪の中を歩いていると木をたたく大きな音が聞こえてきました。
音のする方向に向かって見るとクマゲラが餌を探す為に木を突いていました。
クマゲラはアイヌ語ではチプタチカプと呼ばれており、意味は「舟を掘る鳥」。
大きな音とともに木片を弾き飛ばしながら木を突く様は本当に舟を掘っている様でした。
クマゲラが去った後に木を見てみると、樹皮が綺麗に剥がされており、少しかわいそうな気持ちになったとともに、
厳しい冬の中でもたくましく生きるクマゲラに心打たれました。
初夏

沓形岬公園 6月
その中でもエゾカンゾウは利尻礼文サロベツ国立公園を代表する花の一つです。
利尻島以外でも礼文島やサロベツ地域でも広く見られますが、利尻山の間近で見ることができるのは利尻島だけの特権です。
エゾカンゾウは6月中旬から咲き初め、この花が咲き始めるといよいよ夏が始まったなという気持ちになります。
後ろにそびえる利尻山はちょうどこの時期から登山者が増えてきて、6月下旬~7月に最盛期を迎えます。
アクティブ・レンジャーの業務も段々と忙しい時期になりますが、綺麗に咲いたエゾカンゾウが「今年も頑張れ!」とエールを送ってくれている気がして元気が湧きました。
