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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブ・レンジャー写真展 ~北の自然の舞台裏~

2025年06月01日
帯広自然保護官事務所 谷水亨

日高山脈襟裳十勝国立公園 北海道地方環境事務所 帯広自然保護官事務所

帯広自然保護官事務所 アクティブ・レンジャー 谷水 亨

萌ゆる朝焼け

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カムイエクウチカウシ山(中札内村)10月
 十勝平野からながめる日高山脈は、各市町村によってその様相ようそうを変え、それぞれの代表的な山が中心となって左右に日高山脈が連なって美しい山脈を映し出しています。中札内村なかさつないむらからは、十勝ぽろしりだけが一番高く見られ、日高山脈で2番目に高いカムイエクウチカウシ山は十勝ぽろしりだけの長くなだらかな稜線りょうせんの左となりに静かにたたずんでいました。実際には、十勝ぽろしりだけは日高山脈しゅ稜線りょうせんから東に張り出しており、カムイエクウチカウシ山とはしゅ稜線りょうせんではつながっていませんが、まるでつながっているかのように寄りい十勝ぽろしりだけと並んで美しい山並みを見せてくれています。
 秋にしてはとても冷えんだ朝、初雪をかぶった山と地上の紅葉に真っ赤な朝陽が差しんだ瞬間しゅんかんは、紅葉が燃えあがり、その赤光あかびかり山肌やまはだを赤く染めているようでした。

山紫水明(さんしすいめい)

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額平川(平取町)8月
 日高山脈最高峰(さいこうほう)(ぽろ)(しり)(だけ)には4方向から登るルートがあります。その一つ、最も人気の(ぬか)平川(びらかわ)コースは沙流(さる)川支流の額平川を遡行(そこう)して登ります。
(ぽろ)(しり)(だけ)の登山道と利用調査で、この川を(さかのぼ)っている最中に水中カメラで撮影(さつえい)を試みたところ、()んだ水はどこまでも()き通っており、(れい)水域(すいいき)を好み清流にしか生息しない魚・エゾイワナが数匹(すうひき)写っていました。エゾイワナはサケ科で体長は14cm~70cm、2~3年河川に残留(ざんりゅう)一般(いっぱん)的にアメマスと呼ばれ、()り人達からも親しまれています。海まで下って成長するものもいますが、澄んだ水に生息しているエゾイワナを見ると、大自然が育んだ森が生きている証であり、森と川の生態(せいたい)(けい)が生きている証拠(しょうこ)でもあり、まさしく美しい山水の形態を表している1枚だと思います