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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブ・レンジャー写真展 ~北の自然の舞台裏~

2025年06月01日
日高山脈襟裳十勝国立公園 後澤 宏文

日高山脈襟裳十勝国立公園

新ひだか自然保護官事務所 自然保護官 草留 大岳

沈む山脈、昇る太陽


襟裳岬にて 1月
 
日高山脈襟裳十勝国立公園の核心である日高山脈。
北海道の背骨とも呼ばれ、ユーラシアプレートと北米プレートの衝突によって形成されたものです。
山岳から海までおよそ140㎞連なっており、山脈が次第に標高を下げて、太平洋に沈み込んでいる場所が実は襟裳岬なのです。
道内でも有数の日の出スポットである襟裳岬に、2025年の元旦に足を運び撮影したのがこの1枚です。
強風で有名な襟裳岬ですが、その日は穏やかな風が吹いており、太平洋に沈む山脈と山脈の先から昇る太陽の共演を目の前にし、今年も良い1年になるなと胸が高鳴りました。

チングルマと山並み


幌尻岳にて 6月
 
チングルマ(Geum pentapetalum)は高山の雪渓周辺の草地や砂礫地の地面を這うように生育するバラ科の落葉小低木です。
大雪山で見られる群生が有名ですが、日高山脈においても生育しています。
この1枚は幌尻岳の登山ルートの現地調査のために山行していた際に主稜線上で撮影したものです。
周りの高山植物より比較的大きく、白い花びらが目に飛び込み、つい引き寄せられて、シャッターを切ってしまいました。
日高山脈の主稜線には高山植生が発達しており、特に氷河によって削られてできたカール地形周辺では、時期によって多種多様な高山植物を楽しむことができます。
また、写真のチングルマの背後にあるように、日高山脈の主稜線や各山の頂上では、延々と連なる山並みも楽しめます。
日高山脈は可憐な花たちと雄大な山岳景観を両方楽しめる贅沢な場所なのです。