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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

個体数調査始動...!

2022年03月31日
熊谷 文絵

えりも自然保護官事務所の熊谷です。

三寒四温の季節柄、日に日に寒さも和らいできました。

とはいえこの辺りの最高気温は2~4℃程度の日が続き、まだまだ防寒が必要です。日中、射す陽が暖かくふきのとうが芽吹いたところを見ていると、もう春だ~と実際以上に暖かくなったようで防寒に対して気が緩みます。こういったことが、この季節に体調を崩しやすいと云われる要因のひとつなのかもしれません。

季節の変わり目、みなさまもどうぞご自愛ください。

さて、えりも自然保護官事務所では通年ドローンを用いた襟裳岬に生息するゼニガタアザラシのセンサス(個体数調査)をしていますが、12~2月は調査していませんでした。

というより、出来なかったのです。通年風の強いえりもですが、その風は12~2月にとりわけ強くなります。強いなんてもんじゃない、それはそれは暴風です。普段ドローンを飛ばしているポイントに近づくことすら危険なことや、強風やうねりにより波が高くアザラシも見えなかったため調査を控えていました。

しかし、3月に入り強風の中でも少し弱まる時間が増えてきています。

今だ!と思うタイミングでやろうにも、途中、強風に見舞われたり厚い雲が迫ってきて中断せざるを得ないという状況を繰り返していました。

そんな中、今日は最後まで完遂することが出来ました。

〇その時の写真の一部がこちらです↓

アザラシいないな~

潮の満ち引きがあるのでおおよそですが、海面から60m程度の高さを保ってアザラシが休息に利用している岩礁上空を飛ばします。

...アザラシいた!

どれがアザラシか分かりましたか?画像の右半分に移っている、やや白っぽい米粒のような形をしたもの、これがアザラシです。ここに見えている大きなアザラシはすでに大人(成獣)で、大きい個体だと体長は180㎝・体重は200㎏近くもあり大迫力です。

アザラシは外見から雌雄差を完全に見極めることは出来ません。ましてやこれだけ上空からだと見慣れていても分かりません。しかし、ゼニガタアザラシは4~6月に出産・子育てシーズンを迎えるため、お腹の大きなメスが多く休息しているのではないかな~と推測します。

やっとドローンを飛ばせる季節になりました。

ドローンの飛行する音に驚き海中に降りてしまうこともあるので、"風を読みながら"ということを頭の片隅におき、今シーズンスタートとします。

間もなく可愛らしい赤ちゃんアザラシが産まれます!もちろんこのアクティブ・レンジャー日記でも紹介したいと思っていますので、お楽しみに☆