アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]
外来植物の除去活動に参加しました(利尻島・種富湿原)
2022年06月16日こんにちは!
利尻島アクティブ・レンジャーの福田です。
今回は、利尻島の種富湿原で行った外来種除去活動についてご紹介します。
利尻島の南浜湿原やオタドマリ沼などの湿地は、「利尻島湿地群」として環境省の「重要湿地」に選定されており、種富湿原もそのひとつです。種富湿原は、利尻島の西側海岸近くに位置し、オタドマリ沼などと比べると認知度は低いですが、約3000年の年月をかけて形成された泥炭地で、溶岩流の上にある珍しい湿地です。
種富湿原の入り口
しかし、種富湿原では外来植物のオオハンゴンソウの侵入が確認されていて、在来種の生育への影響が懸念されています。
そこで、利尻島固有の自然を守るため、利尻町立博物館の方々が毎年オオハンゴンソウ防除会を主催していて、本年度の活動に私も参加させていただきました。
オオハンゴンソウは成長すると2m近くにもなるため、今回は成長する前に防除活動を行いました。
活動の様子
オオハンゴンソウは地中に小さい芋のような根茎があるため、それを掘り起こさないとまたすぐに成長してしまうことから、除去作業には少しコツが必要です。
大きな根茎をきれいに掘り起こせたときは、とても気持ちがよかったです。
さて、突然ですが、ここで問題です!
下の2枚の写真は、種富湿原に生えていたオオハンゴンソウとヨモギの葉の写真ですが、
どちらがオオハンゴンソウでしょうか?
正解は、左の写真です!
一見すると葉の形などがそっくりなのですが、実は葉の裏側と茎の部分を見ると違いがわかります。
下の写真のように、葉の裏側が白くなっているのがヨモギで、そうでないのがオオハンゴンソウです。
また、当日は他にもワタスゲやエゾシモツケ、ハクサンチドリなど、多くのお花を見ることができました。
エゾシモツケ ハクサンチドリ
今回は6名で作業を行い、ごみ袋6袋分(約1000本)のオオハンゴンソウの除去を行うことができました。オオハンゴンソウは繁殖力が高いため、一度定着すると他の植物の生育を妨げ、湿原の植生の多様性が損なわれてしまうという危険性があります。
そこで、今回の活動のように、定期的に駆除活動を行うことが大切です。
活動後の様子
このような活動を通して、利尻島固有の生態系を維持し、自然保護の大切さをお伝えできればうれしいです。