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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブレンジャー写真展~北の自然の舞台裏~

2024年06月01日
中村一貴

利尻礼文サロベツ国立公園 

稚内自然保護官事務所 アクティブ・レンジャー 中村一貴

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姫沼 6月
 
姫沼は、利尻山からの湧水をせき止めて造られた人造湖。ヒメマスを放流したことからこの名前がつけられました。
姫沼の周囲には環境省が設置した木道があり、一周およそ800m。森林浴をしながら、利尻島ならではの風景を探勝することができます。また、多くの野鳥が生息しており、バードウォッチングを楽しむこともできます。
クマゲラBlack Woodpeckerもその内の一種で、日本最大のキツツキです。環境省のレッドリスト2020では絶滅危惧Ⅱ類に指定されている希少な鳥です。
利尻島では姫沼をはじめ、島内の広い範囲でその姿を見ることができます。特に4月下旬~7月上旬は繁殖期のため活発的に飛び回る姿をよく見かけます。この写真は木道の点検中に偶然遭遇しました。普段は見かけてもすぐに飛び去ってしまうクマゲラがこの日は珍しく留まった木からなかなか動かず不思議に思いました。写真を確認してみると、なんとヒナに餌を与えていました。次の世代へと懸命に命を繋いでいく美しく、たくましい姿に感動しました。

はじまり


仙法志御崎公園 5月

利尻島はおよそ200万年前の海底噴火によって誕生した火山島です(出典:産総研地質調査総合センターウェブサイト 地質で語る百名山  利尻山)。その後何度かの噴火活動を経て今の島の様相になりました。仙法志御崎公園からはそんな島の“はじまり”を想起させるようなゴツゴツとした火山岩が海から顔を出している様子を見ることができます。そのバックには利尻島のシンボルにもなっている利尻山が鎮座しており、これからの利尻島を巡る旅の“はじまり”を感じさせてくれます。
何度か登山道の巡視や整備のために利尻山に登ったことで、利尻山の姿にある程度は慣れてきたかなと油断しそうになりますが、海抜0mに近い海岸から利尻山を見上げると改めてその荒々しい姿に目を見張ります。昨年の4月に初めて利尻島に渡った時、利尻山の大きさに圧倒され、感動したことを鮮明に思い出し、初心に返ることができます。