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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

環境省アクティブレンジャー写真展 ~北の自然の舞台裏~

2024年06月01日
阿部万純

支笏洞爺国立公園

支笏洞爺国立公園管理事務所 アクティブ・レンジャー 阿部 万純

定山渓に咲くミヤマホツツジ

定山渓 7月
 
定山渓には豊平川沿いを散策できる「二見定山の道」があります。
温泉街から二見吊橋を渡ると、雰囲気は一気に森の中。
200種類以上の山野草が生育しており、春から秋にかけては時期ごとに様々な花を見ることができます。
その中でも、初夏に定山渓へお越しの際に探してほしいのが、写真のミヤマホツツジ。
くるりと曲がったゾウの鼻のような雌しべの花柱が特徴的で分かりやすい種類のため、この花をきっかけに花探しを始めていただければと思います。
自然を楽しんでほしいという思いもありますが、花を探して歩くことが、実は植物の保全にもつながるからです。
昨年、二見定山の道において山野草が開花とともに掘り返され、いくつも持ち去られてしまう事件が起きました。
より多くの人が見守ることにより、盗掘が抑制され、花の保護につながります。
温泉や食事、景色を楽しむついでに、定山渓の地に息づく花々を気にかけていただけたら嬉しいです。

帰り船


支笏湖 10月

支笏湖周辺の木々が色づき、秋たけなわとなった10月31日、夕陽で赤く染まった湖面を船が渡ってゆく風景に出会いました。
この船には水中窓があり、日中は多くの観光客を乗せて湖を遊覧しています。
出発してすぐはアメマスなどの魚の群れや湖底の柱状節理が観察でき、さらに船が進むと湖底が落ち込みどこまでも水中が続いているような景色となります。
湖として日本2番目という深さを感じることができる体験です。
撮影したのはちょうど1日の営業を終え帰港するところ。
また年内の運航が残り3日というタイミングでもありました。
再びたくさんの人を乗せて支笏湖を案内する春を楽しみに、まずは港に帰っていく後ろ姿におつかれさまと心の中で声をかけました。