2015年10月 1日
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2015年10月01日Shiretoko Planarians(シレトコプラナリアンズ)
知床国立公園 羅臼 高橋法人
皆さん、突然ですがプラナリア(ウズムシ)という生き物はご存じでしょうか。
口が頭部ではなく体の中心にあり、腸が体全体に広がっている原始的な動物です。
再生能力があり、その実験を耳にしたことのある方もいるのではないでしょうか。
(ナミウズムシ:日本全土に生息。中流~下流の比較的水温が高いところでもよく見られます。
知床ではほとんど見られません。再生実験で有名?な種)
ところで、知床の川は年間を通して冷たく、また川の長さが短く傾斜が急なため、砂や泥を含んだ状態になる前に海に注いでしまうことから、河口付近であっても他地域の上流の礫河川に近い環境です。
淡水性のプラナリアの多くは、上流の水が冷たく清澄な環境で生息することとされていますが、上記の理由で、知床では海抜が低いところでも見ることができます。
その① ミヤマウズムシ
つぶらな瞳が魅力的なプラナリアです。
その名前の通り、山奥の渓流でしか見ることができないのですが、知床では海抜5m位の河口でも見ることができます。
その② キタカズメウズムシ
矢尻型の頭部が特徴的なプラナリアです。
写真ではわかりにくいのですが、眼点という小さな眼が頭部周辺に100個前後あります。
北海道中部から本州ではカズメウズムシという同じ属のプラナリアが河川上流部に見られます。
その③ キタシロカズメウズムシ or アッケシカズメウズムシ
透き通る白が特徴のプラナリアで、こちらも頭部周辺に眼点が複数あります。
プラナリア特有の石を滑るように移動する動きと相まって、優雅に見えのは私だけでしょうか...。
なお、キタシロカズメウズムシとアッケシカズメウズムシの違いを見分けるのは非常に難しいです。
現在、知床の川にはカラフトマスが遡上しておりにぎわいを見せております。
カラフトマスと一緒にウズムシ観察はいかがでしょうか。
山の紅葉が落ち着いたと思ったら、一気に冬がやって来た大雪山です。
山のシーズンオフに向けて、本日、黒岳石室バイオトイレの汲み取り及び荷下ろし作業に行って来ました。
辺り一面、雪景色の絶景です。
今シーズン汲み取ったおがくず屎尿と、本日汲み取った分を、モッコという網に積めて、運んでもらうという荷下ろし作業です。
北海道上川総合振興局、上川町役場、層雲峡観光協会、NPO法人かむい、山のトイレを考える会、自然保護監視員、上川自然保護官事務所から合わせて21名でしたが、みなさんのすばやい行動のおかげで、2時間程でバイオトイレの汲み取りと、冬囲いが終了できました。
黒岳石室には入れますが、営業は9月30日で終わっており、トイレも閉鎖されていますので、お越しの方はお気をつけ下さい。