ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年4月28日

2件の記事があります。

2021年04月28日4月の大掃除

利尻礼文サロベツ国立公園 稚内 福井翔太

突然ですが初めまして!

福井翔太(ふくい しょうた)です!

大学を卒業し、4月からサロベツ地域のアクティブレンジャーとして活動をしています!!

実は私は地元民なのですが、道北の気温には慣れていると思いきや、4月にまだ残る肌寒さや風の強さを実感しました。

これからAR日記などを通してサロベツ地域の魅力や活動をお伝えします

皆様よろしくお願いします!

さっそくですが4月中二箇所の清掃活動に参加をしてきました。

4月11日(日)ペンケ沼清掃活動

ペンケ沼は幌延町のサロベツ原野の中にあります。

普段は牧草地と湿原に囲まれているため立ち入ることはできませんが、清掃活動と言うことで特別に牧草地の持ち主の方から立入りの許可をもらって行っています。

ペンケ沼の清掃活動は平成30年度から行われている活動になります。

午前9:30

快晴の中、特別に牧草地を通りペンケ沼へと向けてひたすら進んでいきます。

沼が見えてくると人の気配を察知して飛び立つコハクチョウやオオヒシクイたち

サロベツは4月にマガンやオオヒシクイ、コハクチョウといった北へ向かって渡る鳥たちが多くきています。

マガンやオオヒシクイはこんな感じで集まっています。

今回活動を行ったペンケ沼も多くの鳥が集まります。

しかし、足下を見ると...ペットボトルや空き瓶、タイヤなどたくさんのゴミが...

どうやら川や雪溶け水の増水によって流れてきている様子です。

胴長を来て沼の中へと進んで行き、ひたすらゴミを集めていきます。

後日、改めて整理し、結果40リットルのゴミ袋を20袋分、約90kg回収しました!!

4月22日(木)浜勇知園地清掃活動

利尻礼文サロベツ公園内の浜勇知園地の清掃です。

浜勇知園地はこうほね沼を囲むように作られた園地で利尻富士がよく見え、沼周辺ではハマナスやエゾカンゾウ、初夏には様々な植物を見ることが出来ます。

今回は稚内自然保護管事務所から2名 パークボランティア(PV)から5

北海道宗谷総合振興の方や町内会の方など65人で清掃活動を行いました。

午前10:00 清掃開始

こちらはペットボトルそして流木やプラスチックが多い印象でした。

人数が多いぶん回収はあっという間・・・

1時間でこちらの活動も大量のゴミを回収しました!

後で確認したところ約1000kg回収したとのことです。

皆様今回はお疲れ様でした。

こうした清掃活動を続けていくことや

普段の生活からゴミを外に落とさないようにするなどの意識や行動から

綺麗な景観や動植物が安心して住むことができるように行動をしていきたいです。

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2021年04月28日準備着々...

えりも自然保護官事務所 熊谷 文絵

みなさんこんにちは、えりも自然保護官事務所の熊谷です。

▼えりも事務所からの景色

 

山道にはまだ雪が残っているものの気温の高い日が続き、えりもではおなじみの強風も柔らかな春の風へと変わってきました。この時期、個人的には冬が終わってしまった寂しさと花粉が飛ぶなぁ...苦手。そんな気持ちが入り混じります。それでも、"春"に気分が高揚することもあるんです。

それはっ!

野生のゼニガタアザラシの赤ちゃんが見られること。

えりも町周辺はゼニガタアザラシの国内最大の繁殖地・生息地となっていますが、そのゼニガタアザラシは4月後半ごろから出産が始まり子育てのシーズンを迎えます。母アザラシから産まれたばかりの赤ちゃんアザラシは毛が新しいのでツヤッツヤ。成獣(おとな)に比べ、黒っぽく見えます。産まれたその時から泳ぐこともできますが、その動きはまだまだ拙く、こどもらしい可愛らしい姿です。

▼アザラシ親子(4月26日撮影)

 

今年初めてこどもの姿を確認しました!

2頭の間に小さな赤ちゃんアザラシがいます。波が打ち寄せる度、おとなのアザラシはシャチホコのように頭部と尾っぽを反るようにして避けますが、赤ちゃんは波を避けきれずにさらわれそう。見ていてハラハラしてしまいます。本日確認できた赤ちゃんは3頭でした。

近くにはお腹の大きな妊娠個体が沢山いたので、これから小さな赤ちゃんアザラシが増えそうです!

これらの様子を見られる目安は6月いっぱい。その後、栄養、特に脂肪分の多い母乳をもらっていた赤ちゃんアザラシは独り立ちの時を迎えます。少しだけ沖に出てこども同士で遊んだり魚を捕ったりと泳ぎ回ります。

襟裳岬の突端から双眼鏡で覗けばアザラシの子育ての様子が見られます。町施設の「風の館」には望遠鏡が置かれていますので、皆さんもぜひ!

アザラシの子育て。他では見られないこの光景はえりもの春らしさとも言えますが、アザラシとは別のこの光景も、とてもえりもらしいものです。何をしているところでしょう?

▲これは漁師のみなさんが、定置網を設置する準備をしているところです。

えりも町の襟裳岬以西では春(5月上旬~7月に上旬)に定置網漁が行われていますが、その網は周年海に入っている訳ではありません。シーズンが終われば陸に上げ、清掃や修繕をします。またシーズン開始前には網の状況を確かめたり準備をして、初日に間に合うよう決められた場所に設置します。

えりも自然保護官事務所では、今年度も"春さけ定置網漁"に同行し、アザラシによる被害調査を実施します。船に乗り始めるのはGW後からですが、約2カ月続く調査期間を前に準備の進む現場の様子を見て「この時期が来たんだな、始まる」と、ちょっとした緊張感にも包まれます。

漁師さんがよく言います。「準備は前もって、もうこれで大丈夫と何度も確認するくらいでなければダメだ」。定置網漁の準備をする漁師のみなさんの丁寧かつ確実な仕事ぶりを見ていると「えりもの海を熟知していて、だから突風に吹かれても高波がたっても予想外のことが起きてもケガなく対応できるんだ」と思います。

私も、スムーズに調査に入れるよう、調査用紙・水中カメラ・水産合羽等の準備はぬかりなく!始めることとします。

▼調査用紙と記入ボードの準備

▼水中カメラの準備

▼今年から乗船デビューの黒田保護官

船上では合羽を脱ぎ着している暇はありません。また、大きすぎても小さすぎても動きづらいので、自分に合ったサイズを身につけることも大事な準備のひとつです。

準備着々◎

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