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アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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利尻礼文サロベツ国立公園

141件の記事があります。

2022年03月25日サロベツの季節変化

利尻礼文サロベツ国立公園 福井翔太

エゾユキウサギが見たくても足跡しか見つけられない・・・

そんなサロベツ担当アクティブレンジャーの福井です。

サロベツのアクティブレンジャーとして着任してから、もうすぐ1年が経過しようとしています。巡視でサロベツ湿原の木道を歩いていると、季節により一面の植物の葉の色が移り変わる様子から季節変化を感じさせてくれました。

     

     

 

4月はまだ植物の葉も褐色であり、雪の下から新しい花の芽が姿を出します。

5月には気温も暖かくなり花が咲き始め、湿原にも緑が見え始めます。

6月から9月にかけては眩しいくらいの日差しの中で、葉の色も黄緑から深緑へと変化していき、最も多くの種類の花が咲くことで夏らしさを感じさせてくれます。

10月になると葉や周りの樹木も紅葉し一気に秋らしくなります。

12月からは葉の色は再び褐色となりますが雪が降り、湿原を白で色付けてくれます。

やがて雪が降り積もると一面が雪に覆われて木道は全く見えません。

雪の上を歩いた動物の足跡が目立ちます。

広大で遠くまで見渡すことができるサロベツ湿原だからこそ、より一層に季節の変化を大きく感じさせてくれるのかと思いました。

そろそろ雪が溶け始め、眠っていた木道が姿を出す時期でしょうか。

ぜひ、それぞれのサロベツの姿を足を運んでご確認ください。

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2022年03月04日雪のアンモナイト出現?!

利尻礼文サロベツ国立公園 津田涼夏

みなさん、こんにちは!

今年の冬は昨年よりも天気が良い日が多くて嬉しい礼文島アクティブ・レンジャーの津田です。

早速ですが、礼文島で雪のアンモナイトを発見しました。

雪のアンモナイト?!え?と思われた方、次の写真をご覧下さい。

よく見ると、"アンモナイト"のほかにも、"カタツムリ"や"ロールケーキ"など様々な形があり何にでも見えてしまいます。最初は誰かが転がして作ったものかと思い、思わずあたりをキョロキョロと見回してしまいました。この周辺ではあちらこちら同じような現象が起こっていました。天気が良い日が続き気温が上がったときに、落雪が転がり落ちてきたようでした。

見慣れない現象だったためインターネットで調べて見ると、これに近い現象で「雪まくり」という自然現象が見つかりました。雪まくりとは平坦な雪面で暖かい強風が吹く日などに雪は「まくれ」て転がり渦を巻いたような塊になる現象です。

今回は風ではなく、斜面から転がり落ちて出来た渦巻きの塊でしたが、いつか本物の雪まくりを見ることができるといいなと思います。

これは道路のすぐ脇の斜面で、雪が斜面を転がったと考えられます。

※この場所は夏は車で行けますが、冬は除雪がされていないので、スノーシューやスキーシューを履いてでしか、行くことができません。

不思議な現象に出会えて、また、一つ冬の礼文の楽しみを覚えました。

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2021年12月17日「令和3年度サロベツ・エコモーDay ~これまでの歩み展示会~」開催中!!

利尻礼文サロベツ国立公園 福井翔太

サロベツ担当アクティブレンジャーの福井です。

サロベツもいよいよ一面真っ白な雪原になる季節がやってきました。

現在、サロベツ湿原センターでは「令和3年サロベツ・エコモーDay ~これまでの歩み展示会~」と題した展示を実施しています。

●はじめに

サロベツでは「湿原の自然再生」「農業の振興」「地域づくり」を中心に様々な自然再生事業が行われており、湿原と農業が共生するプロジェクトとして平成20年に「サロベツ・エコモー・プロジェクト」が誕生しました。

「サロベツを好きな人を増やす」こと、「サロベツを次世代に伝える」ことを目標とし、地域の方や様々な団体と協力をして、湿原の保全と農業といった地域活性化に関わる取り組みを実施しています。

このような活動を多くの人に知ってもらうことを目的として、サロベツ湿原センターで年に一度、多くの方々が集まるイベントとして「サロベツ・エコモーDay」が毎年開かれていました。

今年度は、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染予防の観点から、代替え企画「令和3年 サロベツ・エコモーDay ~これまでの歩み展示会~」としてポスターを中心とした活動紹介をしています。


各団体の今年度の活動から過去の「エコモー・プロジェクト」の活動まで幅広く展示を行っているため、サロベツ地域について深く知ることが可能です。

今回はサロベツ湿原センターと豊富町定住支援センター「ふらっと★きた」の2箇所の会場で展示を行っています。

お近くへ足を運んだ際に、ぜひともお立ち寄りださい。

●サロベツ湿原センター

期間:12/1(水)~12/28(火)

時間:10:00~16:00

※毎週月曜日 休館

●豊富町定住支援センター「ふらっと★きた」

期間:12/10(金)~12/26(日)

時間:9:00~21:00

※日曜日は午後6時まで

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2021年12月03日冬に備えて・・・

利尻礼文サロベツ国立公園 福井翔太

本格的に雪が降る日が続くのではないかと、日々、身構えているサロベツ地区アクティブレンジャーの福井です。

雪が降る前にサロベツで行っている事といえば、国立公園内にある看板の冬囲いです。

看板が風雪で痛まないようにシートで囲い、ロープでしっかり結びます。

パークボランティアの方々の力も借りて、肌寒さを感じながらもひたすらに看板を囲っていきました。

・幌延ビジターセンター 下サロベツ園地木道

・サロベツ湿原センター 円山園地木道

他にも旧原生花園跡地やパンケ沼園地、浜勇知園地にもある看板も冬囲いをしました。

看板の盤面が見えなくなって気持ち寂しくなった様にも感じますが、来年の春までの辛抱です。

幌延ビジターセンターも10月一杯で閉館し、しっかり戸締まりされています。


雪が積もれば一面真っ白な湿原になります。

冬のサロベツにもぜひ足を運び、お楽しみください。

施設の開館情報については下記の通りです。

●幌延ビジターセンター

・閉館(2022430日まで)

・木道利用可能(降雪後、使用不可)

・トイレ利用不可

●サロベツ湿原センター

・開館 10:00から16:00 (月曜日休館)

・木道利用可能

・トイレ利用可能

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2021年12月02日礼文島でE-bikeの試乗会!

利尻礼文サロベツ国立公園 津田涼夏

みなさん、こんにちは!礼文島アクティブ・レンジャーの津田です。

10月の下旬、礼文島でE-bikeの試乗会が開催されました。

早速ですが、みなさんE-bikeをご存じですか?

私はこの試乗会があるまで、バイクのような?自転車のような?乗り心地は?スピードは?色々な想像をし、頭の中が膨らんでいました。

E-bikeは簡単に説明するとスポーツタイプの電動アシスト自転車です。

一般の電動アシスト者に比べて、アシスト力が強く坂道もラクラク登れるため、長距離走行にも向いている自転車です。ヨーロッパでは人気があり、大流行しているようです。


今回、礼文島で行われた試乗会ですが、9月に利尻島でも試乗会が行われています。

国立公園の魅力の向上や、島での二次交通の補完を目的として、地域の役場の方、自転車を取り扱っているガイドの方、ホテルの従業員の方等の幅広い年代の方が参加されました。

礼文島内のモデルコースとしては、ショートコース2つ、ロングコース1つをE-bikeで走行しました。

①北部の岬めぐりコース(ショートコース)

久種湖キャンプ場から出発し、スコトン岬、スカイ岬をめぐりました。

②礼文林道コース・桃岩展望台コース(ショートコース)

礼文林道コースは塗装されていなく、凸凹した道を進んで行きます。

桃岩展望台コースまでの道は傾斜があるものの息を切らすことなく走行できました。

※普段、礼文林道コースは自転車等で走行することはできませんのでご注意下さい。


③礼文島を縦断するコース(ロングコース)

香深港を出発し、香深村、香深井村を抜け、一気に船泊スコトン岬を目指しました。約60kmの道のりでした。

また、 「E-bike」と一言で言っても、多くのタイプがあるようです。タイヤが大きいものだったり、女性が乗りやすいタイプだったり、電動アシストのパワーが強いものだったりがあります。私はこちらの3台のE-bikeを試乗しました。

    女性が乗りやすいタイプ         電動アシストのパワーが強いタイプ

全ての試乗会が終わった後に、緑色のE-bike(写真左)はタイヤが大きく且つ電動アシストパワーが強く、この日一番乗りやすい機種だったことを伝えられ驚きました。

今回初めてE-bikeを体験し、E-bikeの凄さと礼文島で試乗会を行ったからこそ感じれることがありました。

・軽くこぐだけでも電動アシストのパワーを感じますが特に登り坂(桃岩展望台コースまでの道、江戸屋山道)や、最初の乗り始めの一歩が誰かに背中を押されたような感覚になり、一番電動アシストのパワーを感じることができたこと。

・自分自身が時速何kmで走行しているのかも分かるスピードメーターが付いていて、坂道だと30~40km/hほどのスピードで走行し、風と一体になれたこと。

・60kmの道のりで長時間走行しても息切れしないこと。

・何より、いつも何気なくみている景色なのに、E-bikeで走ることによっていつもと違う景色を見ているような感覚になれたこと。

今回の試乗会は多くの方にご協力をいただきました。

ありがとうございました。

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2021年11月12日レブンアツモリソウの今

利尻礼文サロベツ国立公園 津田涼夏

みなさん、こんにちは。礼文島アクティブ・レンジャーの津田です。

8月にAR日記にて礼文島に咲くレブンアツモリソウや取り組みについて紹介をさせていただきましたが、今回はレブンアツモリソウの今がどのような姿形になっているかなどをご紹介します!

5月下旬~6月中順にかけて、レブンアツモリソウ群生地で可愛らしい姿を見せていたレブンアツモリソウですが、夏から秋にかけて種を付け始めます。

レブンアツモリソウの花の開花する場所が分かっている場合でも

秋になると周辺の植物の成長に伴い紛れるため、見つけるのが難しいと感じられます。

また、この時期になると綺麗に枯れて残っている個体が少ないため、

綺麗に残っている個体がいると美しく感じます。


レブンアツモリソウを毎年見ていると、花が咲くと必ずしも種を付けるわけではなさそうです。そのため、去年種を付けていたけれど、今年は種を付けていないことや、その逆のパターンも見られます。

また、種だけではなく花でも去年咲いていたけど今年は咲いていないことや、数年後に咲くパターンも見られます。まだまだ、謎が多い植物の興味深さを感じています!

花よりも見る機会がほとんどない種ですが、この果実種の重さは0.3グラム程で、果実種の中には、小さな羽のような種子種が入っていて重さは0.06グラム程で、ほとんど重さを感じないです。

そんな小さな種から数年後には、芽が出て花が咲くように、今、私たちができることは何か考えながら、日々取り組んでいきます。

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2021年10月27日下サロベツ園地でササ刈り活動

利尻礼文サロベツ国立公園 福井翔太

サロベツ担当アクティブレンジャーの福井です。
緊急事態宣言に伴い、パークボランティア活動が実施できずにいましたが、久しぶりにパークボランティア活動を行うことができました。

今回のパークボランティア活動は10月7日に幌延町の下サロベツ園地にてササ刈りを行うものです。
サロベツでは湿原の乾燥化などに伴う、ササの生育地の拡大が問題視されており、ササの生育地の拡大を防ぐことは湿原植物の生育を促します。

活動当日は雨の予報で心配でしたが、皆さんが集まった時には無事に晴れていました。
そして、パークボランティアの皆さんは久しぶりの活動にやる気に満ちあふれていました。
ササを刈る範囲を決めて湿原に降り立ち、その中でひたすら刈っていきます。

刈り取りをしていると足下にショウジョウバカマと思われる葉が確認できました。
このまま、冬を越し来年の春に再びピンクの花を咲かせてくれるのでしょうか。

生い茂るササの下には見えていなかったサロベツで生きる植物の姿がありました。
ササを回収するために用意をしていた袋はあっという間に満杯になり、今回はササを21kg刈りました。
それでもまだササが目立ちます。

今回のササ刈り活動は2005年から継続して行っています。
ササ刈りを行った場所と刈り取っていない場所を見比べると、刈り取りを行った場所では湿原植物の姿が目で確認できるようになっています。
今後も継続が大切です。

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2021年10月05日利尻礼文サロベツ国立公園だより(6月・7月号編)

利尻礼文サロベツ国立公園 福井翔太

サロベツ担当アクティブレンジャーの福井です!

今回は一気に夏の期間、6月と7月の利尻礼文サロベツ国立公園だよりを紹介します。夏は特に見頃が盛り沢山なため、月2回上旬と下旬で発行をしています。

●6月上旬 輝く生命               ●6月下旬 一期一会

利尻礼文サロベツ国立公園も4月と5月に比べて新緑になり、緑の草や葉を彩るように黄色やピンク、紫といった鮮やかな色の花が咲きます。

サロベツでは、夏にやってくる輝かしい黄色い野鳥のツメナガセキレイと、湿原のあたり一面を星のようにピンクで彩りをつけてくれる低木のヒメシャクナゲが目立っていたため掲載しました。6月下旬から7月上旬はエゾカンゾウも満開になり見頃な時期です。

          

●夏の到来 7月上旬               ●賑わう夏 7月下旬

7月は緑の大地に、青い空、青い海といった夏らしい景色、野外で活動にも良い季節です。よく目をこらすと気づく小さな花の開花や昆虫たちの活動が見られます。

サロベツでは足下にツルコケモモや、モウセンゴケ、ミズゴケがカーペットの様に地面を覆います。また、夏の期間は地元の学生やパークボランティアの方と自然を通して交流する機会も多くあり、野外を体感するには良い季節でした。

7月中はノハナショウブが目立ちますが、6月から7月にかけてこのほかにもカキツバタやヒオウギアヤメなどのアヤメ科の花が咲きます。似ていますがそれぞれ花の形や模様が違いますので、ぜひ観察をしてみてください。

利尻礼文サロベツ国立公園だよりは毎月1日(6月から8月は月2回で15日にも発行)、

稚内市内だけでなく利尻島、礼文島、更には豊富町、幌延町、浜頓別町など役場、駅、空港、ホテル、港など、約150ヶ所に掲示しています。

道北に訪れて便りを見つけた際には、ご確認と共にぜひ『利尻礼文サロベツ国立公園だより』に掲載されている利尻・礼文・サロベツへ足をお運びください!

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2021年09月28日今年の花シーズンを振り返って

利尻礼文サロベツ国立公園 津田涼夏

みなさん、こんにちは。礼文島アクティブ・レンジャーの津田です。

長かった猛暑もおさまり、礼文島は秋の空気に変わってきました。

色鮮やかな夏から一転し、山やコースでは秋の匂いが漂います。


今年の花シーズンは、暑さがすごかったものの

エゾカンゾウやレブンシオガマ、チシマフウロの群落が斜面を輝かせていました。

「高山植物の監視員さんとこれは50年に一度の爆咲きだ!」と盛り上がるほどでした。

 

毎年めぐり来る花の季節ではありますが、

今年は冬の豪雪、6月に霧も少なく、7月と8月には、例年にはない記録的な猛暑...季節感覚が掴みづらい年でした。私たち、人も振り回される猛暑に植物たちはそれ以上の影響がでたのではないでしょうか。

通常より、早い花シーズンの推移は例年にない気象条件が影響したのかもしれません。

年によって、異なる気象条件に対応しながら毎年咲く高山植物たちが、今後どのように影響していくのか、とても気がかりです。

秋分を過ぎ、みるみると日が短くなってきました。朝晩も冷え込むようになりましたので、歩道の散策の際は十分な防寒対策をお忘れ無いよう、お気を付け下さい。

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2021年09月27日利尻礼文サロベツ国立公園だより(4月・5月号編)

利尻礼文サロベツ国立公園 福井翔太

少しずつ秋の肌寒さを感じ始めたサロベツのアクティブレンジャーの福井です!

今回は稚内自然保護官事務所で発行している『利尻礼文サロベツ国立公園だより』について紹介します!

『利尻礼文サロベツ国立公園だより』とは利用者や観光客の方へ向けて、稚内自然保護官事務所のスタッフが季節の旬や魅力をお伝えしている情報誌です。便りをきっかけに利尻・礼文・サロベツそれぞれのエリアへ足を運んで頂ければと思います。!

季節は過ぎましたが今回のAR日記ではこれまでに発行した4月号と5月号を紹介しつつ、サロベツのアクティブレンジャーとしてサロベツの魅力や旬、撮影している際の出来事の発信を試みたいと思います。

●4月 春の足音

私自身は着任したての4月のサロベツは国立公園管理官が撮影と記事を書いてくれました。

湿原センター周辺には営巣しているハクセキレイがいますが、もしかすると4月号の写真のハクセキレイかもしれませんね。

より多くの色づいた草花を見るには少し早いですが、サロベツから見るまだ雪が残る利尻山の眺めも素敵です。野鳥はマガンやヒシクイの群れが確認できます。

●5月 花の便り

5月の利尻礼文サロベツ国立公園はつぎつぎと花々が咲き始めました。

このとき、サロベツで撮影したのはショウジョウバカマです。サロベツの木道を巡視していて私が最初に開花を確認した花でした。日が当たるときに花を開くタテヤマリンドウを見るにもいい季節です。4月には聞こえなかった渡り鳥の声も聞こえました。

利尻礼文サロベツ国立公園だよりは毎月1日(6月から8月は15日にも発行)、

稚内市内だけでなく利尻島、礼文島、更には豊富町、幌延町、浜頓別町など役場、駅、空港、ホテル、港など、約150ヶ所に掲示しています。

道北に訪れて便りを見つけた際には、ご確認と共にぜひ『利尻礼文サロベツ国立公園だより』に掲載されている利尻・礼文・サロベツへ足をお運びください!

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