ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年5月22日

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2020年05月22日私の大好きな大雪山

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 新型コロナウィルス感染症による緊急事態宣言が発令されてから、登山を自粛し、山を見上げる生活が一ヶ月を過ぎました。

 麓から見上げる山は、日に日に雪解けが進み、沢筋の残雪と、黒い尾根のコントラストは例年通りです。

 

 夏の大雪山に思いを馳せます。

 もう数え切れないほど登って、何度も同じ景色を見ているのに飽きることがなく、「この時期なら、あの辺のお花畑が見頃」、「そろそろ、あそこからの景色が見たくなってきた」と自分にとってベストな大雪山を巡る季節が体に染み込んでいて、大雪山がない人生は考えられないほど、大雪山は私の心の中心にどっかり腰を下ろしています。

 そこで、私の担当する大雪山の管内【旭岳~十勝岳連峰 大好きな景色ベスト3】を紹介します♪

 大雪山国立公園は陸上面積では国内最大で、なんと10市町にまたがっています。本当に広いんです。

【ベスト1 三川台~ユウトムラウシカール】

 ここは大雪山の中でも山深い場所で、人気(ひとけ)はなく、カールの中には池塘が点在し、音はカールに飲み込まれるように「しーん」と静まりかえっています。

 火山によってできた地形が多い大雪山の中で、氷河によってできたカール地形は珍しく、大雪山の中でもここは少し異質な雰囲気が漂っています。このカールの中は人間の手が及ぶことがなく、時間の概念がないような、ずぅっと昔から自然界だけの同じ営みが繰り返されているんだろうな、と悠久を感じられる原始性が高い場所です。

【ベスト2 オプタテシケ山から見た景色】

 オプタテシケ山は十勝岳連峰のほぼ中心部に位置し、360℃の大展望が広がり、大雪山のケタ違いの広さを実感できる極上のビュー・スポットです。山々に目をこらすと延々と登山道が続いているのが見え、初めてこの景色を見たとき「いつかこの一本道を歩き通したい」と心が揺さぶられたのを覚えています。

 山に行っていない晴れの日は「今日はオプタテシケ山に行きたかったな~」とよく思っています。

【ベスト3 からは選べない!!】

 十勝岳から見える火星っぽいダイナミックな景色、富良野岳から見る美しいとんがりが連なる十勝岳連峰、旭岳から見る残雪の十勝岳連峰、などなど。

 大雪山の広さ、延々と続くゆるやかな山の繋がり、底地に拡がる生物の多様性。今まで大雪山が見せてくれた景色は色褪せることなく心の支えとなり、山を思い返す度に、胸の中に山の良い風が通り抜け、心をフッと軽くさせてくれる気がします。

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