ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園 東川

126件の記事があります。

2017年05月25日アクティブ・レンジャー写真展 開催のお知らせ!

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

環境省 北海道地方環境事務所には12名のアクティブ・レンジャー、希少種保護増殖等専門官が在職しています。


山・海・森・川・動植物、自然を愛する私たちは、美しく希少な北海道の自然環境を大切に活用し、そしてその自然を次世代へ繋いでいくため、国立公園や日本有数の渡り鳥の渡来地である鳥獣保護区の維持管理や現地調査、動植物との共存方法を考えながら保護・増殖をしたり、地域の関係者と現地で汗を流しながら、日々様々な業務に励んでいます。

そんな私たちの活動を知ってもらい、北海道の自然の素晴らしさを伝え、自然環境保護への理解を深めてもらうため、今年度「アクティブ・レンジャー写真展」を開催することとなりました!


写真は、私たちが業務中に撮影したもので、各地域の特性・魅力が伝わりやすい作品になっています。

写真の他、アクティブ・レンジャー紹介パネルや撮影地パネル等も展示します。

道内各地で展示をしますので、スケジュールをご覧になって頂き、お近くの方は是非ご来場ください。

また、会場にはアンケートを設置します。写真展の感想など、アンケートに回答してくださった方には記念ポストカードをお渡ししますので、是非アンケート記入のご協力をよろしくお願いします。

アクティブ・レンジャー写真展はいよいよ6月1日(木)サロベツ湿原センターからスタート!

是非、私たちの写真展にご来場頂き、北海道の雄大な自然・動植物の魅力を見に来てください。また、アクティブ・レンジャーの活動を知ってもらえたら嬉しいです。

【北海道アクティブ・レンジャー写真展のお知らせ】

http://hokkaido.env.go.jp/to_2017/29.html

先日、パークボランティアの皆さんと春山研修のため、スキーで三段山に登りました。

ピークから見た十勝岳連峰は、春山から夏山へと季節が大急ぎで移っていくのを感じました。

稜線の向こう側では鈴なりのツボミが待ち受けていること、響き渡るウグイスの鳴き声、雪解け水の音...ただ季節が巡ることがどうしてこんなにも心を温めてくれるのでしょう。まばゆい白銀の山に後ろ髪を引かれつつも、生き物の息づかいがする緑色の山や靴の底から伝わる土の感触も愛おしく、いつの季節も何度でもこの景色に励まされ、自分にとっての楽園はここであると、山からまた生きる糧をもらいました。


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2016年12月26日100年後も守り続けていくために

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

皆さん、原始が原湿原をご存知ですか?

原始が原湿原は大雪山国立公園の最南端に位置している1000ha(東京ドーム210個分)の広大な湿原です。

湿原には木道が敷いてある、もしくは展望台から眺める等が一般的ですが、原始ヶ原には木道や展望台、明瞭な登山道さえなく、湿原の好きな場所を歩ける日本の国立公園では大変珍しい場所です。今までそれが出来ていたのは、原始ヶ原の入山者が少なく踏圧によるインパクトが最小限で済んでいたからですが、最近その湿原も裸地化・複線化が進み、何らかの対策が必要だと地元や環境省で考えはじめ、調査や植生復元を始動しました。

そんな原始ヶ原について考えるため12月4日(日)、シンポジウムを富良野市で開催しました。

シンポジウムのプログラム①の特別講演は、株式会社モンベル代表取締役会長兼CEOの辰野勇氏から「地域活性を考えるアウトドアスポーツ7つのミッション」というタイトルでモンベル社が取り組んでいる事業の紹介をして頂きました。

7つのミッションには、青少年や子供への野外活動プログラムや、自然災害への対応、エコツーリズムによる地域経済の活性などがあるのですが、ご紹介頂いた様々な事業の中で特に印象的だったことは、冒険を応援する「チャレンジアワード」や「チャレンジ支援プログラム」事業でした。オモシロイのが、成功したものに対して賞を出すのではなく、チャレンジしている現在進行形のものに対して賞(軍資金)を贈っているのだそうで、何もないものを1から創り上げていくにはエネルギーやリスクが要るけれど、それを冒した先にある達成感や満足感を味わうことが人間にはとても大切だと辰野会長は考えており、大小様々な冒険の応援をしているのだそうです。

次に自然災害への対応です。1995年に起こった阪神大震災のとき、まだ大企業ではなかったモンベル社は全国各地のアウトドア協会等の支援を得て「アウトドア義援隊」を立ち上げ、テントや寝袋等の救援物資を寄付したそうです。それは2011年東日本大震災でも再発足し支援活動を行いました。大津波の被害で、遺体の収容に大変な時間がかかったと捜索隊から聞いた辰野会長は被災地から本社に戻ってすぐに、失神しても気道が確保できる枕や救助を求めるための笛が付属しているライフジャケット「浮くっしょん」を製作したそうです。「大きな津波が来たとき、浮くっしょんで命は助けられないかもしれないけど、沈むことはないから遺体の収容は早くできる」という現地の痛切なる声を聞いたからこそ開発できた活きた商品だと思いました。

辰野会長の柔軟なアイディアや若々しいエネルギー、フットワークの軽さは、自然から多くことを学び実体験を重ねた知恵と経験からみなぎってくるものなのでしょう。バイタリティーに溢れた貴重なお話を聞くことが出来、大変光栄でした。また大らかなお人柄もとても素敵でした。

プログラム②は、富良野市役所と原始ヶ原のルート調査や整備を行った北海道山岳整備岡崎哲三氏から原始ヶ原コースの紹介や、市民登山会で行ったヤシネットによる植生復元活動、原始ヶ原の重要性についての報告がありました。

そして最後のプログラム③は原始が原に関わる行政や山岳会等7名+辰野会長による「原始ヶ原の利用と保全の在り方」についてのパネルディスカッション。

貴重な原始ヶ原を色んな人に知ってもらいたいが、来る人が増えれば湿原は痛んでしまう。それを今後どうしていくのか。

「人を入れる前に保全の重要性を認知してもらうことが必要」、「ガイド付きで利用を制限しつつ、保全の重要性や原始性の楽しさ・素晴らしさを知ってもらう」...等、辰野会長からは海外のいくつかの入山制限の事例をご紹介頂き、白熱した議論となりました。

人を受け入れるにしても、ただ単に重要性を唱えても登山者に響くことは少ないでしょう。登山者の質を求めるのにしても、それは受け入れる側の体制作り、伝え方の工夫、発信の仕方等にもかかっているのだと思いました。

私の中に思い浮かぶ原始ヶ原・・・

若草色の湿原が一面に広がり、人工物は何もなく、正面には「独立峰」と化した富良野岳が大きく聳えています。ワタスゲがポンポン綿毛をつけ、足元をよく見るとトキソウやヒメシャクナゲが咲いています。エゾマツ林からはカッコウの声が聞こえ、時に湿原のぬかるみにはまりながら歩きます。派手さや飾り気はないですが、まさに原始的で素朴な印象です。私にとってはこれが原始ヶ原の当たり前の風景でしたが、もしかするとこれからは当たり前じゃなくなるかも知れない・・・。

100年後も、その先も、この湿原を歩く人たちがどうかこの素朴で原始な自然に出会えていますように。

良いお年をお迎えください。

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2016年11月24日今、富良野・原始ヶ原がアツイ

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川の渡邉です。

今年はいつになく早い冬の訪れとなりました。

東川町も11月と思えない軽い雪が舞い、自然から冬山へのいざないを受けているかのようです。

これから半年間、モノクロの世界となる大雪山、十勝岳連峰。

アイゼンをきしませ雪稜を一歩ずつ確かに登っていく、吐く息は凍りフェイスマスクも段々固くなっていくー。

困難と知りつつも無限に湧いてくる山への情熱。それは岳人を引きつける冬山の力なのでしょう。

また今年も白い頂きの旅へー。

【富良野岳へ】

さて、今年から8月11日が新たに「山の日」として国民の祝日に加わりました。

これを記念して、富良野市において12月4日(日)にシンポジウムを開催することとなりました。

急なご案内となりますが、モンベル辰野会長のご講演や、今年山の日に原始ヶ原湿原で植生復元のために設置したヤシネットの報告、原始ヶ原の今後についてのパネルディスカッションなど、原始ヶ原にスポットを当てた一日となります。

皆様のご来場、是非お待ちしております!!!

山の日制定記念シンポジウム 富良野で国立公園を考える

~世界に通用するナショナルパーク・大雪山の隠れた魅力「原始ヶ原」の保全と利用について~

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2016年08月31日3年目のテンサ-

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

ご無沙汰していました、東川の渡邉です。

短期間に凝縮された大雪山の四季。この夏はタイミングを逃し高山植物の大群落には出会えず...気づけば9月を目前となっていました。

赤・黄・橙・茶になるモザイク色の山の斜面や、陽に当たる美しい黄金色の穂、冬眠の準備に忙しそうな動物たちの残した食べ殻や足跡。淡々と、着々と、長い冬を受け入れる前のいつもより静寂を増した秋の大雪山は一段と美しく、山の稜線に立ち、乾いた透き通った風に吹かれると、このまま風になり山肌を撫でたり、稲穂を揺らす風になりたい、と願ってしまいます。

山が白くなる前に、まだまだたくさん大雪山を歩かなければ。

先日、パークボランティアと裾合平で登山道補修をしました。

流水で洗掘が進む登山道に、河川の土留めとして使われるテンサーを使い、土留め補修をするようになり3年目。

今年も北海道山岳整備の岡崎講師に来て頂き、頭の体操をしながら土木作業の開始です。

つくづく、登山道整備は体力はもちろん必要ですが、相手は山。

その場しのぎの整備では誤魔化しが効かず、中途半端な施工をするとすぐにひっくり返され、前より状態が悪化してしまうこともあり、そこで何が起こっているのかよくよく観察することが重要なのだと感じます。次にこれに対応するためにはどうすれば良いのか考える柔軟な頭、その次が技術...と登山道整備に関わるようになり駆け出しですが、毎回新たな発見と感動を覚えつつ、作業をしています。

2年前に置いたテンサーには土砂が満タンまで溜まり、予想よりもうまく機能していることに一安心。

しかし去年置いたテンサーに土砂はあまり溜まっていない・・・流速が早いところでは土砂が水と一緒に勢いをつけてテンサーを乗り越えて流れ出していってしまうようです。なので、昨年度の検証を生かし、大きな水たまりが出来易い、流速の弱まる部分にテンサーを設置することにしました。

3年連続参加してくださる方もいるので安心して作業をお任せでき、ARは石運搬係に徹します。(ときどき口うるさく監督します。)

そして設置したテンサーは10基。水たたき石代わりにササをはさみ石運搬は最小限にし労力を削減、ヤシロールで土砂を誘導しテンサーに土砂を溜まり易くするなど、確実に進化している3年目のパークボランティアでの登山道整備!!

嬉しく、燃えますね。

作業中、当麻岳の斜面には食事中のヒグマを見ることが出来ました。

100年後、200年後...山にはヒグマが悠々と草を食み、裾合平にはチングルマの大群落が咲き、毎年そこを訪れることを楽しみにしている人がいること、そしてその人たちが大自然から無限の癒しと力をもらい続けていること、それがいつまでも続くことを心から願い、今年も登山道整備をしました。

参加された皆さん、岡崎講師、楽しい作業でした。お疲れさまでした。

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2016年01月29日崇高なる山々

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

北海道の冬は長いと言いますが、一口に冬と言っても初冬・厳冬・晩冬・初春など様々な表情があり、今は厳冬期。
一年の中で最も寒い今が、最も胸が躍るシーズンという人も多いでしょう。私もその一人です。
住民の方から「スノーモビル乗り入れがあるようだ」と情報が寄せられたため、週末に乗り入れがあったか走行跡を確認しに月曜の朝、とある場所に向かいました。
大雪山国立公園の一部の地域でスノーモビルの乗り入れは禁止・規制されており、スノーモビルが発する騒音は野生動物の営巣を妨げることとなります。実際に、大雪山には貴重な動物たちが暮らしていて、その暮らしが脅かされるのは見逃せません。
-20℃まで冷え込んだ朝。子供の頃は通学中にダイアモンドダストはよく見ていましたが、最近は暖冬でそれも見ることもめっきり減りました。寒いを通り越して、シバレル、と北海道弁が飛び出します。(シバレル=北海道の方言で厳しく冷え込むの意)
車から降りると低温で顔もヒリヒリと痛みますが、スキーシューで歩き始めると徐々に体に暖かい血が巡り、手足が順調に前に出ます。
目的の場所へ辿り着き、野ウサギやキタキツネ、スキーを履いた2名のトレースだけがあるのを確認し、別の場所へ向かいました。
この日、そこではスノーモビルの走行跡はありませんでしたが、今後もパトロールを強化し、今シーズンはもう少し深いところまで調査が出来そうです。

夏は高山蝶がヒラヒラと舞い、残雪のすぐ横には広大なお花畑が広がり、楽園を感じさせてくれる大雪山。
そのお花畑には気持ちよさそうにキタキツネが日向ぼっこをしていたり、運が良ければ遠くの斜面で草を食んでいるヒグマを見ることも出来るでしょう。雄大な山並みと野生動物たちが長い間同じサイクルで営みを続け、共存してきた大自然は、人々を癒やし、励まし、それが心の深いところまで届くと自然に対して敬いの心が芽生えてくることでしょう。
一方、冬は装いを変え、山で暮らす動物たちは眠りにつき、そこに入るものに対し過酷な環境を突きつけます。ラッセルに喘ぎ、風雪に叩かれ、吹雪が途切れたとき一瞬見れる山の輪郭や猛烈に舞い上がる雪煙。
無言の山と響く風雪だけがあり、人間の小ささを知り、太刀打ち出来ない偉大なものへの畏怖の念と、聖域とも思える場所に足を踏み入れる歓喜の念が岳人を奮い立たせ、白い山へ向かわせるのでしょう。

どうかこの聖域にエンジン音や騒音が駆けまわることがありませんように。
白銀の富良野岳を眺望

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2015年08月18日山を想う日

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

7月28日の日記で紹介した山の日制定記念イベントの講演会とトレッキングツアーを8月9,10日に東川町で開催しました。

初日の講演会のゲストは登山家 山野井泰史さん、モデル KIKIさん。お二人の講演を聞きに、遠方は釧路市や倶知安町など北海道内各地より150名ほどの来場がありました。

講演会の第一部はゲストのこれまで印象的だった登山のお話、山のどういったことが魅力なのか、山への臨み方、山への想いなどをお話頂きました。

KIKIさんは講演会の前日に十勝岳連峰をテント泊で縦走をしてきたフレッシュなお話や、ヒマラヤのメラピーク(6500m)を仲間とキャラバンを組んで登ったときのエピソードを美しい写真を交えて紹介して頂きました。

透明感の代名詞とも言えるKIKIさんですが、実際にお会いしたらこんがり日焼けしていて、ワイルドな印象。気さくに色々お話して頂き、「仕事のことより山に行くことばかり考えている」と仰っていて、誠実に山が好きなことが伝わり、美しくも、笑顔がとっても可愛い素敵な方でした。

山野井さんはヒマラヤや南米パタゴニア、グリーンランドの山に登ったときのエピソードや、次に登る山を決めるときの選別の仕方、出来るだけ「カッコよく登るため」の登るライン、登り方、装備についての説明など、具体的にお話して頂きました。

世界最強と呼ばれる山野井さんは寡黙な方だと思っていましたが、実際は目がキラキラした物腰の柔らかい雰囲気の方で、時にはジョークも飛び出し、とても人柄がいい、素晴らしい方でした。

第二部は大雪山ガイドMountainFlow青木倫子さんを交えて3人のトークセッション。

山好きな3人の和やかな雰囲気の中、この会場でしか聞くことが出来ないゲストの秘話や本音なども聞くことができ、共感したり、感動したり、とても贅沢な講演会となりました。

山野井さん、KIKIさんに山のお話をして頂くとき、お二人とも表情が生き生きとしていて、今、まぶたにはきっと大好きな山の景色が浮かんでいるんだろうなあ、と想像でき、こちらまでワクワクし、KIKIさんは「登山のない人生は考えられない」、山野井さんは「山に登るために生きているに近い」と山の日ゲストにぴったりなことを仰っいました。

講演会中、切々とゲストの方々の山が本当に好きな気持ちが伝わってきて、ご来場頂いた方々にも素敵な時間を過ごして頂けたのではないでしょうか。私は今後の山行の励みになるお言葉もたくさん聞くことができ、もっと山に登りたいと思いました。岸田自然保護官と二人で春からゲストを考案し、準備をしてきましたが、このお二人に来て頂いて良かった、と心から思えた講演会となりました。

翌日は東川エコツーリズム推進協議会主催の旭岳~裾合平一周トレッキングツアー。登山が初体験という方もいましたが、大塚友記憲さんのガイドで旭岳の成り立ち、植物や登山道についての解説などをして頂き、中岳温泉では天然温泉の足湯も体験でき、全員無事に行程通りを歩くことが出来ました。

当日は曇空でしたが、少しの晴れ間に表大雪の山々が一望できたとき、参加者のみなさん、とてもイイ表情をしていました。

きっと「この先に行ってみたい、向こうに見えるあの山に登ってみたい」と思っているんじゃないかなあ、と思うと、スタッフ側としてこんなに嬉しいことはありません。これを機に、美しい大雪山に、たくさん登ってもらいたいなぁと思います。

思い出深く、色々経験させてもらえた二日間となりました。ご来場&ご参加して頂いた皆さん、ありがとうございました。

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2015年07月28日山の日制定「あ、次の休みは山へ行こう」

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

古くから、山と人は深い関係で繋がっていました。

山の恵みが麓の人々の生活に潤いを与え、山を敬い、山に感謝する心が生まれました。

「山に親しむ機会を経て、山の恩恵に感謝する」ため、2016年8月11日、国民の祝日に「山の日」が加わります。

それを祝し、大雪山の麓,東川町で記念講演会&トレッキングツアーを開催します。

講演会のゲストは登山家 山野井泰史さん、モデルKIKIさんのお二人。

お二人には山の魅力について60分ずつ語って頂いたあと、東川町在住の大雪山ガイドMountainFlow主宰 青木倫子さんを交えてのトークセッションを予定。

世界に誇るアルパイン・クライミング界のレジェンド・山野井泰史さんと、海外登山や大雪山にもよく登りに来られているKIKIさん。

このお二人のお話が一日で聞けるのはまたとない機会であることは間違いないでしょう!!

講演会の他、会場では山の装備や地図の読み方、マナーなど、登山の基礎知識を学べる4つの展示ブースを設置、なんと山野井さん、KIKIさんお二人の愛用装備も展示されます。

翌日は東川エコツーリズム推進協議会主催の旭岳~裾合平一周のトレッキングツアーも開催します。

「山の日」制定をきっかけとして、山を思い、守り、活かし、親しんでいくための、山との向き合い方を考える二日間です。

※講演会・トレッキングツアー両日とも事前申込みが必要ですので、ご注意下さい※

詳細は添付画像をご覧下さい。

これまで、山と関わりがなかった人、登山って大変そうと思っている人、山に行ってみたかったんだという人。

山の日制定をきっかけに、山を身近に感じ、山へ親しむ機会がきて、毎週とは言わなくても、夏山シーズンに1,2回くらい自然と足が山へ向かうことが夏の恒例となればいいな、と思っています。

何事も、きっかけって大事ですよね。


化雲岳に咲くチングルマ(H27.7.23撮影)。

大雪山の中でもマニアック気味な化雲岳に今年はもう3回行きました。山深さを感じる素敵な山です。

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2015年06月26日やっぱり大雪山が好き。

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

先日、山開きの前にパークボランティア(以下:PV)の皆さんと十勝岳周辺と旭岳周辺の登山道整備を行いました。

6/13(土)十勝岳の整備の日は残念ながら雨予報。曇天の中、総勢15名で歩き出し途中小雨にあたりましたが、合羽上下を着込むと雨が上がる!というお決まり(?)の状況となり、上富良野岳から上ホロカメットク避難小屋までロープ張りが出来ました。避難小屋付近は雪渓から溶け出た水を取るための踏み跡が広がり道が複線化しています。そこを一本に誘導するためのロープ張りを重点的にしました。小屋清掃や冬に残置されたゴミも下ろします(親切で残置する残りがハンパのガス缶を他の誰かが使うことは殆どありません。自分で上げた物は自分で下げましょう。)午後から雨となり、十勝岳には行かず下山となりました。展望がなく残念でしたが、皆さん連携した作業お疲れさまでした。

6/21(日)旭岳は快晴でした。この日は総勢13名。姿見駅から山頂を目指すコースは高度を上げ南側を降り返ると、トムラウシ山~十勝岳連峰が見渡せます。朝の澄んだ青空と遠くまで続く山並みは何度見ても壮観で、「今年もこの景色が見れた」と嬉しさが込み上げ、これから旭岳山頂で見渡せるであろう表大雪の山々を想像し、ワクワクする気持ちと、今年も迎え入れてくれる旭岳に感謝の気持ちが自然と沸いてきます。

この日は旭岳9号目~間宮岳~中岳までロープ張りと標柱ペイントをしました。古くなったロープは回収し、新しいロープと交換。風化した看板のペイント作業もはかどり、想定以上の整備が出来ました。皆さん、ありがとうございました。

職業病でしょうか。一冬超えると、去年まで崩れていなかった登山道の荒廃も目につきます。手を加えることで間に合うならば、痛々しい道の侵食を止めたい。

お花はまだ1分咲きでしたが、膨らみ始めた蕾を見ると、これから満開となるお花畑が想像され、もしその一番良いときに見に来られなかったとしても、あの場所では今イワウメが満開で誰かを癒やしているんだろうなとか、雨粒がキバナシャクナゲの花びらを濡らしているのかなとか、山のいっときを想像するだけで気忙しい気持ちが一気に緩んだり、無意識に山に思いを馳せる時間が心を癒やしていたり、日々の活力になっているのだと思います。

あっという間に過ぎ去る大雪山の夏。ここ以上に気持ちのいい尾根歩きや気持ちの良い風が吹いている場所はないんだろうな、と改めて自分にとって大雪山の偉大さを感じた登山道整備の日ともなりました。

PVの皆さん、久しぶりに皆さんとワイワイ大雪山を歩けて楽しかったです。秋の整備もよろしくお願いします。

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2015年06月12日ホッとした、三十三曲り

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

久しぶりのAR日記となりました、東川AR渡邉です。

大雪山のリアルタイム情報はこちらでもアップしています。

https://www.facebook.com/daisetsuzan?ref=hl

「大雪山国立公園連絡協議会」facebookページもチェックしてみてください。

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天人峡の三十三曲り歩道は傾斜50~60℃の急峻な地形につづら折りに歩道があり、ジグザグと歩いていくと一時間ほどで尾根に取りつき、その先には現在唯一、羽衣の滝を見ることが出来る「滝見台」があります。悪天時にはトムラウシ山からのエスケープ口として下りてきたり、クワウンナイ沢に登った後の下山道となる、重要な役目を担う歩道となっています。

昨年、積雪の影響で歩道に設置された木製階段が転覆し、歩道にもクラックが多数入っていたり、倒木が複数あり通行に危険があるため、旭川山岳会・環境省・北海道・東川町・林野庁の連名でボランティアによる補修の呼びかけをし、北海道内の山岳団体や山岳ガイド、パークボランティア等38名に集って頂いて、クラックの埋め立てやササ刈り、看板補修、木製階段の据え直し補修をして、安全に通行が出来るようになりました。

そこで先日、一冬超えたあと補修箇所がどうなっているか、新たな危険箇所がないか調査に行ってきました。

調査の結果、致命的なクラックや倒木もなく、難儀した木製階段もしっかり残っていて、しかも階段は去年より見た目も馴染んで歩きやすくなっていました。

去年の8月、湿度が高くムシムシしていたあの日、階段に詰めるための石を背負子で背負い何往復もしたことや、ササ刈り、看板の補修、持っている技術や経験を総動員して施工したもらった階段など、昨年、補修に参加して頂いた方々の尽力のおかげで今年もこの道を歩くことが出来るんだと感謝と同時に、胸に留めていこう思いました。

歩道のチェックが済んだら尾根まで上がり、滝見台へ。前日の雨と雪解けで水量が増し豪快な水しぶきを上げる羽衣の滝が見れました。天女はあの大きな滝を滑りおりて遊んでいるのかな。大雪山は広く、多様な顔があり、自然は儚く、強いなあと思いました。

来週、とうとう山開きとなりました。

お花畑に蝶が爛々と舞う姿、残雪とハイマツのコントラスト、そこで昼寝するヒグマ。心地よい風が吹く大雪山をありありを思い出し、数え切れないくらい感じていることですが改めて、「なんとここはなんとイイところなんだろう」、初夏の大雪山に思いを馳せるのです。

去年私たちが補修した登山道はどうなっているのでしょうか。今年は新たな登山道補修資材も導入の予定です。お楽しみに。

冬に野外活動で出し過ぎたアドレナリンを夏は抑え気味にしたいと思います。

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2014年10月09日裾合平にてテンサーの試験施工

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

8月後半、裾合平の木道脇の洗堀している所に「テンサー」を試験設置しました。

【施工前】
テンサーとは…河川工事の土留めとして使用される強化プラスチック網の資材。
軽いので山岳地帯でも運搬がラクなうえに丈夫で、設置する場所によって高さ・幅の形状変更ができ、中に敷く椰子マットからは植生復元も見込める、という優れたもので、最近では河川に留まらず利尻山など登山道の補修材としても出番が増えてきています。
設置前はクニャクニャで、これがあの「大雪山」というハードな環境で保つのか…と少々不安を覚えるか弱さです。

今回、北海道山岳整備の岡崎氏に来て頂いて、大雪山のパークボランティア(以下:PV)の方々と実際にテンサーを設置してみました。

テンサーの設置の仕方は
①設置する場所を平らに均す。
②テンサーを筒状に丸めて連結。中に椰子マットを敷く。
③テンサーの中に、周辺の大中小の石をつめ、充填する。
所要時間、30分ほど。

【施工過程】
なんと簡単・・・!!!
PVの皆さんも私も、はじめてのテンサー施工だったので不安はありましたが、施工がしやすく、裾合平は浮き石がそこら中に転がっているのですぐに資材調達ができてラクチン。
そして浮き石があるということは土砂が常時流れている証拠。だからテンサーに土砂が溜まるのが想像しやすい!
設置していて、参加された皆さんもテンサーへの手応えを感じたはずです。
ただ、土砂が流れているということは、上がその分だけ崩れているということ。喜べないですね。

そして設置して一ヵ月後、どうなっているか見に行ってみました。

【施工前後】
少しずつですが…上流からの土砂がテンサーに溜まっているのがわかります。
順調に土砂が溜まってくれれば、洗堀を止め、木道の傾きを抑えたり、いずれ溜まった土砂から植物が芽を出すこともあるかもしれません。
いずれこのテンサーが効いて、裾合平の洗堀抑止になれば、と願っています。
そのためにもモニタリング&メンテナンスはセットで続けていきます。

見た目は近自然ではありませんが、今後の大雪山の登山道補修に活躍するかもしれないテンサー。今回は6基設置しています。
来夏、裾合平を歩くときはテンサーとそこに溜まる土砂を見てみてください。

哀愁漂う秋も過ぎ去り、大雪山は早くも冬が訪れました。
昨日は今シーズン初の雪虫を見ました。早く白い粉が舞ってこないか、楽しみでなりません。

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