ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

大雪山国立公園

65件の記事があります。

2019年12月05日愛おしき北の生きものたち

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川自然保護官事務所の渡邉です。

 12月に入り、東川町にもいよいよ本格的な冬がやってきました。

 空にはオジロワシが飛び、キタキツネが獲物を捕るために雪の中へ頭からダイブ!早くも野生動物から冬の風物詩を届けてもらいました。極寒をもろともせず、フワフワの毛皮をまとい、強い生命力で逞しく生きる姿は、夏よりも気高さが増し、神々しく見えます。これからはアニマル・トラッキングが楽しい時期になりますね。

 さて、今年6月から道内各所を巡回をした「アクティブレンジャー写真展2019~愛おしき北の生きものたち~」も残すところ東川町と札幌チカホ展(2020年1月22日(水)開催決定!)のみとなりました。

 東川町モンベル大雪ひがしかわ店2階では12月3日(火)~12月25日(水)まで開催中です。

 昨年度までは一人1枚ずつの展示でしたが、今年は一人2枚に展示数が増えました!アクティブレンジャーならではの、皆さんに紹介したい愛おしい北の生きものたち。是非、見に来てください。

 アンケートにお答えいただいた方には東川会場オリジナルの「愛おしき北の生きものたち」シオリをプレゼントしております。(特にナキウサギ・ファンの方は必見です☆)

 是非、アンケートのご協力もお願いいたします。

 

本編に併せて、サテライト展として、旭岳ビジターセンターでも昨年度の作品を展示しています。こちらは6枚ずつ、2回に分けての展示となります。

 第一弾 12月 3日(火)~12月13日(金)

 第二弾 12月13日(金)~12月25日(水)

 

もうすぐ旭岳スキーコースがオープンします。旭岳へいらした際は、ぜひお立ち寄りください。

ページ先頭へ↑

2019年12月03日携帯トイレ普及への取り組み(Part2)

大雪山国立公園 岩城大洋

みなさん、こんにちは。

上川自然保護官事務所の岩城です。

いよいよ今年もあと12月を残すのみとなりました。

ここ上川町では、雪がひらひらと断続的に降る日が多くなり、上川駅前もご覧のとおりの冬景色ですが、

例年より雪の量は少なく雪かきいらずの日々が続いています。

でも、外に出ると本当に寒くて気がつくといつも私の背中はまあるい猫背・・・。

ちなみに今朝は-2度でしたよ。←暖かい方です笑。


     環境省上川自然保護官事務所から(奥に見えるのは大雪山連峰)

 

前回の日記、私のテーマは「携帯トイレ販売網拡大の取り組みについて」でした。

取り組みを始める前に比べ、登山者が携帯トイレを入手しやすい環境が整ってきたなあと実感しています。

ですがその反面、実際に携帯トイレを使用できる場所が少なすぎることもまた実情です。

携帯トイレの普及を促進させるためにも、それの足かせとなっている問題を解決させて行くことが大切です。しかし、単純に携帯トイレブースをたくさん増設すればいい!という訳にはいきません。コストの問題、

維持管理の労力、環境要因などブースを設置するには様々な条件をクリアしなければならなりません。

 

そこで、安価で設置が容易で撤去も簡単なテント式の携帯トイレブースを期間限定で銀泉台赤岳登山コースと大雪高原温泉沼めぐり登山コースに設置することとしました。

 

        2019年度銀泉台赤岳登山コース登山者カウンター計測数

 

設置は銀泉台赤岳コースで914日から923日まで、大雪高原温泉沼めぐり登山コースは920日~929日までの期間としました。

この期間にした理由として上のグラフをご参照ください。

多くの登山者がこの時期に集中することを表しています。

両コースでは、大雪山国立公園パークボランティアの協力も得て、登山口からテント本体などを現場まで荷揚げし携帯トイレテントブースを設営しました。

 

余談ですが。。。

銀泉台赤岳での設営が完了し、携帯トイレブースの便座に試し座りした時・・・!

私のその目の先にある眺めは「人生最高の "トイレ絶景!" 」でした!

目の前の黒岳の眺めで用を足せるこの絶景! 笑

でもあくまで試し座りだったので、普段テントブースをご利用の際は出入り口のチャックを

しっかり閉めてくださいね。

設置当日は、午前9時頃から13時近くまで現場にいましたが、

10時台に1名、11時台に3名、12時台にも3 名の利用がありました。

皆さん「ここにテントブースがあってほんとに助かった」と笑顔を見せてくれ、改めて、

利用する場所を確保することの大切さを再確認することができました。

銀泉台赤岳は当初923日まで設置する予定でしたが、920日に悪天候によりテントブースが

倒壊したため、残念ながら21日から23 日までの設営は中止としました。

結果、設営期間は7日間、利用者数約20名程度でした。

  悪天候翌日の銀泉台赤岳第四雪渓付近       倒壊したテントブース

 

大雪高原温泉沼めぐり登山コースでは、緑沼の奥約100m地点の登山道脇にテントブースを

10日間設営し、期間中の利用者数は83名でした。

 

テントブース内に設置した数取りカウンター

 

銀泉台赤岳では1日あたりの利用者数は2.85人でしたが、高原温泉沼めぐり登山コースでは8.3人と約3倍の結果に。この要因としては1 日あたりの登山者数が多いこと、また入山前のレクチャービデオでコース内にテントブースがあることを紹介したことが影響していると考えられます。

また、ヒグマ情報センター内でも積極的に携帯トイレの販売と使用の呼びかけを実施したことも利用者が伸びた要因です。

今年度から始めた『紅葉期』の携帯トイレテントブースの設置は大きな成果を収めることができました。

携帯トイレを常備する登山者には、使用可能な環境があることを周知できましたし、携帯トイレの装備がない登山者に対しては、今回の取り組みでさらに携帯トイレの必要性と使用場所があることのPRになったと感じています。

銀泉台赤岳では期間途中にテントブースが倒壊するハプニング!もありましたが、来年度それらの問題点をより改善し、登山者が安心して携帯トイレを使用できる環境を引き続き促進したい!と思っています。

今回はここまで。また次回をお楽しみに。。。!

ページ先頭へ↑

2019年11月28日冬の始まり

大雪山国立公園 忠鉢伸一

9月より上川自然保護官事務所に新しく配属となった忠鉢と申します。

札幌生まれですが、12年ほど前から大雪山の麓に住み始め今に至ります。

これからアクティブレンジャーとして大雪山の素晴らしさを発信していこうと思います。

先日黒岳スキー場がOPENしたので状況を確認しに行ってきました。

黒岳は5合目まではロープウェイ、7合目まではリフトに乗って上ることができます。

スキー場になっているのはこの5合目~7合目のリフトの区間。

標高が高く北側の斜面ということもあり、雪の質が良いです。

そしてなんといっても眺めが素晴らしい!深緑の季節も紅葉も綺麗ですが、

個人的には大雪山は雪がある時期が一番好きです。

天気も良かったのでシーズン初めの雪を楽しみに来ている

スキーヤー、スノーボーダーが各地から集まっていました。

今シーズンもいよいよ始まった感じです。

ゲレンデからは北大雪の山々

標高約1520mからの展望です。

黒岳スキー場は前半1月5日まで営業した後1月31日まで整備運休し、

2月からまた営業再開する見通しです。

ロープウェイ、リフトは風の影響を受けやすいので、確認してから来るのをおすすめします。

天気のいい日ならスノーシューをはいて散策したり、展望台からの眺めを楽しんだり、

滑らない人でも楽しみ方はたくさんあります。

5合目黒岳駅にはレンタルコーナーもあるので、冬しか行けない場所や

冬しか見られない景色を是非楽しんで欲しいです。

本格的な冬はまだまだこれからですが、大雪山国立公園の冬の楽しみ方を

提案、発信していけたらと思います。

ページ先頭へ↑

2019年11月12日携帯トイレ普及への取り組み(1)

大雪山国立公園 岩城大洋

 

皆さん、こんにちは。

上川自然保護官事務所の岩城です。

すっかり木々の葉っぱは落ち葉となり、

上川町はビビットの秋色からモノクロの冬色へコントラストを変えています。

これからながーい冬がやって来ますね。

「あーー嫌だなー」と思う人もいれば、「いつ滑りに行こう」と待ち望んでいた人もいると思います。

私は、冬の寒さがあまり得意ではありません。でも今年は、去年以上、雪の上で過ごす時間を増し寒さに慣れっこになれればと思います。毎年おなじことを言ってるような・・・。

さて、今回は携帯トイレ普及に関するお話です。

大雪山国立公園では、携帯トイレ普及のための取り組みを行っています。

私は2016年に上川自然保護官事務所に着任しました。それから3年半が経過しましたが、

携帯トイレ事情は随分と変化してきています。

今年度もっとも変化したのは、登山者が携帯トイレを入手しやすい環境になったことです。

大雪山国立公園層雲峡温泉地区は、黒岳ロープウェイがあり、黒岳への登山、また大雪山を縦走する

登山者の拠点となっていることから多くの登山者が訪れます。

 

                層雲峡温泉

 

しかしながら、今年の6月中旬まで携帯トイレの販売を行っていたのは、黒岳ロープウェイと

層雲峡ビジターセンターの2箇所しかありませんでした。

携帯トイレをさらに普及させるには、2箇所では足りません。そこで販売者を増やすための

取り組みを行うこととしました。

登山者が、早朝でも夜遅くにでも入手できる場所に携帯トイレを置いてもらうことが

普及にはもっとも効果的であることは言うまでもありません。

そこで、5月中旬に層雲峡温泉にあるセイコーマート上川層雲峡店に相談することに。

話はトントン拍子に進み、セイコーマート旭川地区事務所の担当者と打合せをする機会ができました。

担当者の方が、携帯トイレの普及に非常に理解がある方で、交渉の結果、

5月下旬には携帯トイレの販売について前向きに検討してくれることになりました。

その後、さらなる交渉を行い、6月上旬には、セイコーマート上川層雲峡店のほか、

東川店(東川町)、うえだ上士幌店(上士幌町)屈足店(くったり)(新得町)

4店で携帯トイレの取扱いをしていただける運びとなりました。

そして、624日より、各店舗で販売を開始、現在に至っています。

 

      10月下旬のセイコーマート上川層雲峡店の様子

 

層雲峡温泉では、登山者が携帯トイレを求めやすい環境をある程度作ることができました。

大雪山はとてもスケールが大きい山岳地域です。夏は短く冬は長いことから登山が

可能な期間は僅かしかありません。常設トイレを新たに整備するには、利用者数が少ないこと、

また、山岳地域での維持管理には膨大な費用が掛かることなどから難しい状況です。

このことから、携帯トイレの普及を大雪山国立公園では推進しています。

(現在常設トイレは黒岳石室、白雲岳避難小屋、忠別岳避難小屋、ヒサゴ沼避難小屋、

カミホロカメットク山避難小屋あります。※登山口のトイレは含まず)

 

      南沼野営指定地に設置されている携帯トイレブース

 

現在、携帯トイレブースは、美瑛富士避難小屋に1基、南沼野営指定地に2基、

旭岳姿見に1基、ニペソツ前天狗に1基設置されています。徐々に携帯トイレブースの数は

増えてきており、携帯トイレが利用しやすい環境が整ってきています。

美しく雄大な大雪山にしかない自然を守っていくためにも、登山をされる方々は忘れずに

ザックの中に携帯トイレを。

もし、携帯トイレを忘れてきてしまっても、層雲峡温泉の各店舗でお求めくださいね。

今回の日記はここまで。

 

 

次回は、今年度、秋の紅葉期に初めて取り組んだ、大雪山赤岳と

大雪高原温泉沼めぐり登山コースに設置した携帯トイレテントブースについて紹介します。

お楽しみに。

ページ先頭へ↑

2019年11月07日特定外来生物防除・オオハンゴンソウ その後

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 今年、東大雪地域で抜き取ったオオハンゴンソウの数は1,026本でした。

 花を付けた個体を根塊ごと掘りとる方法で駆除しました。要した活動時間は17時間35分、活動日数は14日でした。大雪山国立公園の東大雪地域の中で最も大きい生育地は、国道273号線の三国峠に近い道路脇です。757本を駆除、8日の13時間余りを費やしました。

 既往文献を探したところ、「特定外来生物オオハンゴンソウの管理方法 ー引き抜きの有効性の検討ー」(大澤・赤坂 2009)を見つけました。「複数年にわたり、可能な限り根を残さないように引き抜き続けることで、オオハンゴンソウを根絶できる可能性がある」という記述があり、心強く感じます。

 駆除活動で根塊を取り残すと茎や葉が再発生することが知られており、室内実験により、根塊は生重量2.4gの場合に50%の確率で再発生することが確かめられたそうです。大きさにすると太さ2.1cm、長さ2.1cmに相当するということで、もし野外でもこの大きさなら、見逃すことはないように思えます。

 さらに、野外に調査区を設けて実験したところ、「オオハンゴンソウを地下部から引き抜き続けた結果、2 年間で開花茎の数は、もとの5%未満にまで減少した。」ともあります。これほど目に見える成果に出逢えるのならやりがいを感じます。

 しかし、この後が大切です。「引き抜き開始から3 年目にあたる2007 年には、それまで殆ど見られなかった未開花茎が、観察初年度(2005 年)の開花茎数とほぼ同数観察された。

 つまり、土の中に眠っていた種子が発芽し始めたというのです。「開花茎が見られる場所では、たとえ全ての開花茎を除去したとしても、数年間はシードバンク由来の実生が発生してくることが予想される。」なかなかの手強い相手に腰を据えた活動が必要です。

 今年は、ほかの業務と併せて立ち寄った際に2時間前後を充てて駆除を繰り返したので日数は多くなってしまいました。最終日が10月7日でしたから、大雪山の環境では結実期に入りかねません。来年以降は、集中して駆除にあたり9月中には終えたいところです。大きな生育地でも3日に収めたいところです。反対に僅かな生育地でも時間をおいて2度目の確認が欠かせません。

 また今後、未開花茎の駆除も必要になるかもしれません。花に頼らず、茎や葉だけで同定できる目を養わなくてはなりません。

 今年、開花茎を抜き切れたことで生育数と生育場所が把握でき、活動の日数や時間も業務の中に収められると分かりました。長い年数はかかるでしょうが地域根絶を目標にできると確信しています。

活躍した道具たち

ページ先頭へ↑

2019年10月31日原始ヶ原とヒグマ

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは。あと一ヶ月後には一面雪景色と想像すると、歓喜のあまり胸がドキドキしてくる東川自然保護官事務所の渡邉です。

 大雪山国立公園では夏山シーズンがはじまる6月から、登山道利用者を把握するため各登山口に登山者カウンターやトレイルカメラを設置し、登山者数をカウントしています。(昨年度までの登山者数はこちらをご覧ください。)

 カウンターは人体から放射された赤外線(熱)を検知し、通行者数を自動でカウントしたり、トレイルカメラは人体や動物の放射する遠赤外線を読み取り、自動的にシャッターを切って写真撮影を行なうもので、各所に設置したカウンター・カメラは夏山シーズンが終わった10月中旬に撤去し、登山者数の集計作業をします。

 原始ヶ原登山口に設置したトレイルカメラのデータを集計中、つい手が止まってしまった画像が記録されていたので紹介します。

ヒグマです。

 見てください。この太くて短い足、地面につきそうなお腹、むっちりボディー。10月に撮影された写真↑で、冬眠の準備は万端という雰囲気でしょうか。貫禄があるので"横綱"と命名します。

 ヒグマは時速50kmほどで走れると言われていますが、この体付きでそんなに早いスピードが出るとは想像しにくいですね。

 

 この写真↑の注目ポイントは、尋常じゃなく発達している肩の筋肉。腕力の強さが見て取れます。張り手をしたら凄そう、と言うことで"張り手"と命名します。この腕を使い、木登りや急斜面の山越えもラクにするのでしょう。長い爪もあるので、穴掘りも得意です。

 "横綱"と"張り手"が同一個体かはわかりませんが、原始ヶ原で記録されるヒグマのほとんどが23時台に撮影されています。まれに、夜中の1時や2時にも記録されていましたが、昼間には一枚も記録されていませんでした。 暗闇でも行動できるのは嗅覚が優れている証拠ですね。

 原始ヶ原のヒグマは、昼間は一体どこで寝ているのでしょうか。

 

 8月、原始ヶ原滝コース巡視中、非常に珍しいヒグマの死骸を見つけました。骨と毛が散乱し、既に臓器等はありませんでした。肋骨らしき骨は細かったので、まだ子グマだったのでしょうか。

 どうしてこんなところで亡くなってしまったかはわかりませんが、山の神(アイヌ語でヒグマは、キムンカムイと呼ばれ、山の神を意味します。)は小動物の養分になり、山に還ったのでしょう。もしこのヒグマが転生するとしたら、次は何に生まれ変わるのでしょうか。

ページ先頭へ↑

2019年09月27日特定外来生物防除・オオハンゴンソウ

大雪山国立公園 上村 哲也

 すばらしい景観を永く保ってほしい大雪山国立公園ですが、これを脅かすもののひとつに外来生物の侵入があります。

 オオハンゴンソウは北アメリカ原産。寒冷地に生育でき、大雪山国立公園にも侵入しています。

 大雪山国立公園の中でオオハンゴンソウが花を開くのは8月半ばから10月初めまで。花があれば同定が容易なので駆除が捗ります。花が終わり種を散らす前に完了させたいところですが、様々な業務が集中する夏、駆除作業に充てる時間を確保するのは容易でありません。生育数の少ない箇所はほかの業務で立ち寄ったときに併せて行うこともありました。東大雪地域で最も生育量の多い三国峠近くではほとんど駆除できていませんでした。

 大きく生長する個体は地中に芋のような太い塊を持っていることがありますが、これを掘りとると駆除できるのではないかと感じています。テコ付の草抜きを使いますが、ときにはシャベルが必要なことも。これまで、駆除した量を袋の数やおおよその重さで記録していましたが、効果を確かめるにはもっと正確な把握が必要でした。今年の夏は、東大雪地域における実態を捉えようと、生育場所、本数、重量を記録しながら抜取りを試みました。本腰を入れてみると気づくということもあるのか、生育数は少ないものの新たな生育場所が5箇所も見つかりました。

東大雪地域の生育場所

 寒冷地でも生育するとはいえ、北海道の、それも標高の高い大雪山では、生育は遅かったり限られていたりするかもしれません。ほかの地域の状況に比べれば数は少なく、面積も小さいようです。今夏、抜き取った数は800本余り。まだ200本ほど残っています。二週間ほどのうちに抜ききりたいところです。

ページ先頭へ↑

2019年09月13日ダメ!絶対!トイレそのまま野外放出

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 最近の大雪山の流行、知っていますか?

 「タピオカ」?「おっさんず・ラブ」?

 いいえ、携帯トイレです。

 大雪山国立公園では、山岳団体と共同で平成30年7月10日に「大雪山国立公園携帯トイレ普及宣言」を行い、様々なアプローチで携帯トイレの普及に努めています。

 紅葉ハイシーズンの期間中、赤岳(9月14日(土)~23日(月))・高原温泉(9月20日(金)~29日(日))には仮設で携帯トイレブースを設置します!

 また、この夏からはセイコーマート層雲峡上川店、東川店、うえだ上士幌店、屈足店、セブンイレブン新得町南店で大雪山オリジナル携帯トイレが販売されています!

 そしてこの度、美瑛富士避難小屋の横に、悲願の携帯トイレ常設ブースが完成しました!

 

 美瑛富士には、避難小屋や野営指定地があるにも関わらずトイレ設備がなく、トイレの時は暗黙の了解のように小屋の裏や茂みに隠れ、用を足していました。

 ただ用を足すだけならまだしも、お尻を拭いたティッシュは残置され、ティッシュは溶けないままあちこちに点在し、非常に不愉快な光景が広がっていました。

 また、踏み跡はお花畑を踏みつけ、四方八方にトイレ道が続いていました。

 

【美瑛富士のトイレ道】

 そこで、山のトイレを考える会が2004年頃から美瑛富士でし尿・ティッシュの清掃をはじめ、それ以降も地道な活動を続け、2015年には北海道内の山岳関係9団体による「美瑛富士トイレ管理連絡会」を設立。2016年から環境省が試行的にテント式の携帯トイレブースを設置、6月末~9月末までトイレ管理連絡会が交代で保守点検・パトロールを行っていました。

 その間、環境省では美瑛富士に常設の携帯トイレブースを設置した場合、トイレブースが有効に活用されるかアンケート調査を4年間実施。その結果、美瑛富士での携帯トイレの認知度や持参率は年々上がり、常設携帯トイレブースを設置した場合の使用の意思も高いことがわかったため、この度立派な常設携帯トイレブースの完成にいたりました。

 私も以前は、大雪山では携帯トイレは流行らないと思っていました。

 何故なら、広大な大雪山ではテントなどの宿泊装備を担いでの縦走がメインとなり、ただでさえ重いのに、何泊も使用済みのトイレを持ち歩くことは、邪魔だし、臭いし、値段も高いし・・・「私にとっての正当な理由」がありました。

 ですが、頑張って辿り着いたピークで思いっきり深呼吸をしたいのにアンモニア臭がキツく、思わず顔をしかめたり、茂みの奥に行けば見苦しい人糞や何故こんな物も持ち帰らないのかと憤慨したくなる使用済みティッシュが残置され・・・山に行くたびに、そのような残念な光景に直面していると、大雪山で携帯トイレを使用しないことに正当な理由はなく、ただの言い訳に過ぎないと遅まきながら気付き始めました。

 

 携帯トイレを使わずに野外に排泄したり、ティッシュを残置することは、山を汚すことと同じではないでしょうか。

 美しい大雪山を愛している登山者の皆さん。一人一人の行動が未来の大雪山の姿につながります。

 私達は雑食で、私達のし尿は、野生動物のし尿と違い、臭いです。ティッシュは非水溶性なものが多いので溶けません。

 

 総合サービスの携帯トイレは1つのシートに、3回分くらいのオシッコを吸収してくれるので、縦走の時に持って行きます。モンベル社のはコンパクトになるので、日帰り用です。

 山によって使い分けをしたり、ペット用のおしっこシートを使って節約してみたり、尿瓶に挑戦してみたり・・・色々方法を試して、お財布や自然にも優しく、あとから来た人も気持ち良く、携帯トイレを使うのが当たり前になる大雪山になるために、携帯トイレの普及を進め、女性でもストレスない山のトイレライフを研究していきます。

ページ先頭へ↑

2019年09月04日お連れします、大雪山の紅葉へ

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 水田農業が盛んな東川町では、早くも稲刈りがはじまりました。お米が大好きで、おかずなしでご飯だけでイケる派、東川の渡邉です。ツヤツヤ・ピカピカの新米をいただけるのが今から楽しみです♪

 9月10日(火)~9月29日(日)まで、旭岳ビジターセンターで「大雪山国立公園パークボランティアが撮影した大雪山の紅葉」をテーマに写真展を開催します。

 

 大雪山を深く愛し、日頃からご活躍いただいているパークボランティアの皆さんが、それぞれの視点から写した美しい紅葉の写真です。

 第一段が9月10日(火)~9月20日(金)、第二段が9月20日(金)~9月29日(日)。スペースの都合上、5枚ずつの展示ですが、写真を入れ替えるので、二回楽しんでいただくことが出来ます。※会場では、チラシに掲載していない写真を展示します。

 写真の他に、パークボランティア活動を紹介したパネルも展示します♪

 

 パークボランティアの皆さんは、写真がとってもお上手。

 準備をしながら、美しい紅葉写真に見入り、胸がいっぱいになってしまいました。何度も見慣れている景色なのに、どうしてこんなにも心を揺さぶられるのでしょうか。

 雪が降るまでのほんの一時、終焉前に山肌を燃やすかのように赤や黄色の豪華絢爛の景色を見せてくれる大雪山の紅葉。お花畑だけじゃない、紅葉も凄すぎる。どんなポテンシャル持ってんだい大雪山・・・と思わずつっこんでしまいました。素晴らしい写真なので、たくさんの人に見ていただきたいです。

 今回、写真をご提供していただいたパークボランティアの皆様、ありがとうございました。

【※この写真↑は、渡邉撮影のピントがずれた写真です・・・】

 ツンと冷えた空気や淡い色の青空、全体が茶色っぽくなり、ゆらゆらと黄金色の穂やチングルマの綿毛が揺れる、哀愁漂うひっそりとした秋の山。そういえば私は秋が大好だったんだと思い出し、またあの乾いた涼やかな風に包まれると思うと、これから始まる季節に楽しみで胸がドキドキしてきました。

 見た人を、大雪山の一番いいところへ、連れて行ってくれるような、紅葉写真展へ是非ご来場ください。

ページ先頭へ↑

2019年08月29日マルハナバチ・ファンクラブ

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川自然保護官事務所の渡邉です。

 9月も間近に迫った山は、紅葉が色づくまでのわずかな時間、登山者も少なく静かな山歩きをすることが出来ます。早くも今シーズンを振り返り、残す紅葉を楽しみに、でも淋しい気持ちにも浸りながら、今年の夏も大雪山を歩けたことに感謝の気持ちが湧いてきます。

 

 山になりたい、ヒグマになりたい、と常々願っている私ですが、8月になるとマルハナバチになりたい願望が芽生えてきます。

 毎年8月は3~4回、姿見の池周辺でパークボランティアの皆さんと特定外来生物セイヨウオオマルハナバチ(以下:セイヨウ)防除活動を行うのですが、同時に在来マルハナバチのモニタリングもしています。

 ※セイヨウについての詳細はこちらの日記をご覧ください。

 

 マルハナバチは体毛がモコモコなのがトレードマーク。模様は各種で違いますが、頭・お尻・体付き全体が丸っこくて、愛らしさ満点です。

 モニタリング中に見られる、在来マルハナバチの健気さと言ったら。

 蜜を吸いに花びらに潜り込んだり、花粉団子を付けすぎて重たそうだったり・・・花粉をたっぷり付けて花びらから出てくる姿を見ていると、お花とハチが共存している様子に改めて感動し、健気に蜜を運ぶマルハナバチが尊い存在に思えてきます。

 私も大雪山のお花の蜜を吸って、それをエネルギー源に生きていきたい。花粉団子を集めてみたい。エゾオヤマノリンドウに潜り込んでみたい。大雪山のお花を咲かせる一因になりたい。

 

 そんなマニアックな想いを秘めていますが、慌ただしい日常を離れ、ハチをじっくり観察し、感想を言い合い、尊さを共感し合えるパークボランティアの皆さんとの時間も私にとっては癒やしタイムです。毎回楽しく活動させていただき、ありがとうございました。

 

 残念ながら、今回のモニタリングで7年ぶりにセイヨウが姿見の池で発見されてしまいました。この日は風が強かったので、上昇気流に乗って上がってきてしまったのでしょう。しっかり捕獲しましたが、そもそも、セイヨウも人間が持ち込んだ生物。罪のないセイヨウを悪者のように扱い駆除するのはとても心苦しいですが、今ある希少な大雪山の自然を壊さず、次の世代に引き継ぐためには必要な活動です。

 大雪山にお尻の白いモコモコのマルハナバチがいたら、教えてください。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ