ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

大雪山国立公園

81件の記事があります。

2020年05月29日「アクティブ・レンジャー写真展2020-2021」を開催します。

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 今年も「アクティブ・レンジャー写真展2020-2021~北の自然の舞台裏~」を開催します。

 北海道地方環境事務所に所属するアクティブ・レンジャー(自然保護官補佐)11名とアクティング・レンジャー(希少種保護増殖等専門員)1名が、国立公園や国指定鳥獣保護区、野生生物保護センターなどにおいて、業務を通じて撮影した写真を展示し、お気に入りの風景や美しい花畑、愛らしい動物たちを紹介します。

6月2日(火)から北海道海鳥センター(羽幌町)を皮切りに、ビジターセンターなど全14会場で開催します。お近くの会場の開催期間、開館日をお確かめの上、ぜひ足をお運びください。

開催地 会場名称 会場電話番号 初日 最終日
利尻 海の駅おしどまり 2階 0163-82-1114

7月1日(水)

7月30日(木)
礼文 礼文町町民活動総合センター(ピスカ21) 0163-86-2119 8月1日(土) 8月28日(金)
サロベツ サロベツ湿原センター 0162-82-3232 9月1日(火) 9月30日(水)
浜頓別町 浜頓別水鳥観察館 01634-2-2534 10月2日(金) 11月13日(金)
上川 層雲峡ビジターセンター 01658-9-4400 10月1日(木) 10月29日(木)
東川 モンベル大雪ひがしかわ店 2階 0166-82-6120 12月2日(水) 12月24日(木)
上士幌 ひがし大雪自然館 01564-4-2323 10月31日(土) 11月29日(日)
札幌 札幌市地下歩行空間 憩いの空間 011-299-1954 1月20日(水) 1月20日(水)
支笏 支笏湖ビジターセンター 0123-252404 12月2日(水)

12月27日(日)

洞爺 洞爺湖ビジターセンター 0142-75-2555 10月1日(木) 10月29日(木)
苫小牧 ウトナイ湖野生鳥獣保護センター 011-299-1954 8月3日(月) 2月28日(金)
えりも 襟裳岬「風の館」 01466-3-1133 7月1日(水) 7月20日(月)
羽幌 北海道海鳥センター 0164-69-2080 6月2日(火) 6月30日(火)
宮島 宮島沼水鳥・湿地センター 0126-66-5066 9月1日(火) 9月29日(火)

 この写真展では、アクティブ・レンジャー、アクティング・レンジャーの業務、取組みについても知っていただきたいと考えています。

 会場には、写真の解説や業務を紹介する冊子を用意します。北海道の自然の素晴らしさと私たちが取り組む業務について紹介しています。お手にとってご覧いただき、お気に召しましたらどうぞお持ち帰りください。

 新型コロナウィルス感染防止のため、各会場では消毒や換気など様々な対策を講じています。

 見学の際は、マスクの着用や人と人との物理的距離の確保にもご協力ください。

ページ先頭へ↑

2020年05月22日私の大好きな大雪山

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 新型コロナウィルス感染症による緊急事態宣言が発令されてから、登山を自粛し、山を見上げる生活が一ヶ月を過ぎました。

 麓から見上げる山は、日に日に雪解けが進み、沢筋の残雪と、黒い尾根のコントラストは例年通りです。

 

 夏の大雪山に思いを馳せます。

 もう数え切れないほど登って、何度も同じ景色を見ているのに飽きることがなく、「この時期なら、あの辺のお花畑が見頃」、「そろそろ、あそこからの景色が見たくなってきた」と自分にとってベストな大雪山を巡る季節が体に染み込んでいて、大雪山がない人生は考えられないほど、大雪山は私の心の中心にどっかり腰を下ろしています。

 そこで、私の担当する大雪山の管内【旭岳~十勝岳連峰 大好きな景色ベスト3】を紹介します♪

 大雪山国立公園は陸上面積では国内最大で、なんと10市町にまたがっています。本当に広いんです。

【ベスト1 三川台~ユウトムラウシカール】

 ここは大雪山の中でも山深い場所で、人気(ひとけ)はなく、カールの中には池塘が点在し、音はカールに飲み込まれるように「しーん」と静まりかえっています。

 火山によってできた地形が多い大雪山の中で、氷河によってできたカール地形は珍しく、大雪山の中でもここは少し異質な雰囲気が漂っています。このカールの中は人間の手が及ぶことがなく、時間の概念がないような、ずぅっと昔から自然界だけの同じ営みが繰り返されているんだろうな、と悠久を感じられる原始性が高い場所です。

【ベスト2 オプタテシケ山から見た景色】

 オプタテシケ山は十勝岳連峰のほぼ中心部に位置し、360℃の大展望が広がり、大雪山のケタ違いの広さを実感できる極上のビュー・スポットです。山々に目をこらすと延々と登山道が続いているのが見え、初めてこの景色を見たとき「いつかこの一本道を歩き通したい」と心が揺さぶられたのを覚えています。

 山に行っていない晴れの日は「今日はオプタテシケ山に行きたかったな~」とよく思っています。

【ベスト3 からは選べない!!】

 十勝岳から見える火星っぽいダイナミックな景色、富良野岳から見る美しいとんがりが連なる十勝岳連峰、旭岳から見る残雪の十勝岳連峰、などなど。

 大雪山の広さ、延々と続くゆるやかな山の繋がり、底地に拡がる生物の多様性。今まで大雪山が見せてくれた景色は色褪せることなく心の支えとなり、山を思い返す度に、胸の中に山の良い風が通り抜け、心をフッと軽くさせてくれる気がします。

ページ先頭へ↑

2020年04月28日カミナリシギのおでまし

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 数日前から東川町に夏鳥の【オオジシギ】がやって来ました。

【環境省レッドリスト 準絶滅危惧(NT)】

 オオジシギは日中は草原や田んぼにいて、見つけるのは難しいですが、夕方~夜になるとディスプレイフライト(求愛や威嚇)を行うため急降下し、その羽音が派手でとても大きいので見つけやすくなります。

 はじめて、オオジシギのディスプレイフライトを聞いたとき、あまりに特徴的だったので、鳥の羽音とは思わず誰かがブーメランを投げる練習をしているのだと思っていました。

 オオジシギは、その大きくて特徴的な羽音から別名【雷(カミナリ)シギ】とも呼ばれています。

 私の家の裏は広い空き地(草原)なので、もしかするとオオジシギの繁殖地になっているのかもしれません。これからの季節はオオジシギのディスプレイフライトの音や鳴き声を子守歌に眠りにつく日が続きます。人間界の混乱を自然界は知るよしもなく、いつも通りオオジシギがやってきてくれたことにとても安心しました。

 オオジシギは日本では主に北海道で繁殖し、秋になると10,000km以上も旅をして、オーストラリアで越冬します。

 自然が多い地域に住んでいる皆さんの周りでも、夜になると「ブーメランを投げる音」聞こえてきませんか?もしかすると、それはオオジシギかもしれません。

 これから待ちに待った大型連休ゴールデンウィークがはじまります。

 ここ数年、ゴールデンウィーク休暇は欠かさずに縦走に出かけていました。

 

【パークボランティアの皆さんとの春山研修】

 春山は雪がしまり、稜線はまるで廊下を歩いているかのように快適で(ラッセルがない、ぬからない、ヤブは雪の下)、夏の登山道を歩くよりも速く歩けることもあります。

 ところが、今年はそうもいかなくなりました。政府から緊急事態宣言を受け、三密を避け、不要不急の外出を避けなければなりません。

 今まで当たり前にしてきたことができなくなる歯がゆさ。

 私はテントを担いで縦走することが、人生で最も好きなことです。食・住を背負い、自分の足で山の上を歩くことは、何物にも代えがたい自由があります。

【テントや小屋での語らいの時間】

 この状況が収まったら、山での三密を飽きるほど体感したいと切望する日々です。

 STAY HEALTHY★BE POSITIVE★

ページ先頭へ↑

2020年04月24日東大雪の山々

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 朝、青空に誘われて上士幌町内の住宅から外に出ると広くなだらかな耕作地の向こうに東大雪の山々が連なって見えました。頂に雪をまとっているのが遠望山や石山、ウペペサンケ山、ニペソツ山です。昨日(4月23日)標高の高い山では雪になったようで、少し白さを取り戻したように見えました。大雪山国立公園の山々は、もうしばらくの間、厚い雪に覆われています。

上士幌町居辺から望む東大雪の山々 トムラウシ山の短縮登山口に通じるユウトムラウシ第二支線林道は、除雪など行われず自然に雪が融けるのを待ちます。登山口まで車が入れるのは早くても5月の終わりでしょう。カムイ天上やカムイサンケナイ川、コマドリ沢はもっと遅くまで雪が残ります。広い尾根が広がるカムイ天上ではしっかり地図読みをしながら進まないとササや灌木が立ちはだかって思うように進めません。融雪が進むと踏み抜きやぬかるみにも苦しめられます。

 ユニ石狩岳や石狩岳の登山口に通じるシンノスケ迂回林道、音更川林道なども通行できるのは、やはり5月の終わり頃です。

 然別湖周辺には、東ヌプカウシヌプリ(標高1,252m)など大雪山グレード2「大雪山の自然とふれあう軽登山ルート」の山が並んでいます。南ペトウトル山も西ヌプカウシヌプリも登山口まで通年、道路が除雪されていますが、例えば現在の東ヌプカウシヌプリの登山口は写真のとおりです。

東ヌプカウシヌプリの登山口 今年は、新型コロナウィルス感染拡大防止のため5月6日まで外出自粛が要請されています。山はまだまだ雪の中ですから、登山靴やレインウェア、そのほかの用具の手入れなどしながら夏山シーズン到来を待ち新型コロナウィルス沈静化を祈っています。

ページ先頭へ↑

2020年04月01日春っていいよな~

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

 事務所で仕事をしていると、上空を渡っていくハクチョウの鳴き声が聞こえてくる季節になりました。「オーイ、こっちだぞ~」と仲間を呼んでいるのでしょうか。

 事務所の庭には早くもフクジュソウが咲きました。

 落ち着かない日々が続いていますが、そんな中でも身近な自然の季節のうつろいを感じると、和やかな気持ちになります。早く、そしていつまでも平穏な日常が続きますように。

 さて、旭岳ビジターセンターに新しい展示が増えましたので、お知らせします。

 【① 高山植物と高山性昆虫のアクリル標本】

 なかなかじっくり見られない昆虫や、高山植物の種や断面など、アクリル標本を手に持って観察することができます。お花も昆虫も、厳しい山岳地に生息しているとは思えないほど、華奢な姿です。

 【② アクティブレンジャーが作成したクイズの冊子やコースの紹介など】

 「あなたに合ったオススメの登山ルート(入門編と宿泊編)」、「高山植物クイズ」、「アニマルトラックのクイズ」など、現行の展示は平面のものが多いので、めくったり、開いたりしたくなるよう工夫しました。

 ご来館いただいた方に、楽しんでもらえる特別なビジターセンターになるよう、これからも色々な展示や体験が増えていく予定です。お楽しみに。

 状況が落ち着いたら、新しい展示が増えたビジターセンターにお越し下さい。

 それまでは、ガーデニングや家庭菜園もはじめられる時期になりますし、読み溜めていた読書などご自宅で過ごす楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか?ランニング、お散歩も良い時期になりますよ。

ページ先頭へ↑

2020年03月31日「歴史ありけり、そして未来がある」

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさん、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

新型コロナウィルスの影響は日々深刻な度を増していますね。。。

いつまで続くか分からない現状が、気持ちをナイーブにしてしまいますが、

終息後は「何をしよう」、「どこに旅行へ行こう」など遊ぶ計画を立てながら週末を過ごし気を紛らわせているこの頃です。

いつ終息するかは分かりませんが、みなさんもまずは遊びに行く計画を立ててみてはいかがでしょうか。

そこで今回は、今後の旅行の計画の参考にしていただくため、層雲峡の歴史から温泉が開拓された当時のお湯の成分までをご紹介したいと思います。

 

         上川町から層雲峡方面 ※層雲峡は見えませんが真ん中奥が層雲峡方面

さて、上川町史を調べると層雲峡で温泉が発見されたのは安政4年(1854年)。石狩在勤の足軽松田市太郎によって「大川端に温泉数カ所有之」と記述されています。

その後、約半世紀の間、層雲峡の記述はほとんど無く再び上川町史に登場するのは、明治30年代に入ってから。もちろんその頃はまだ層雲峡とは命名されていません。

明治33年(1900年)には温泉開発が始まり、大正4年(1915年)頃には層雲峡温泉は様々な温泉名でと呼ばれるようになりました。

有名なところでは塩谷温泉、国沢温泉など、ほとんどは事業者の名字を取った温泉名だったようです。

また、興味深いことに明治33年当時の温泉(現層雲峡温泉)の温泉成分が上川町史には記載されていましたので紹介します。

鉱泉証明書には

・有機物 少量

・安母尼亜(アンモニア)痕跡

・亜硝酸 無シ

・格魯兒 (塩素) 少量

・炭酸 多量

・硫酸  少量

・硫化水素 無シ

・石灰 少量

・苦土(マグネシウム) 無シ

・加留謨(カリウム) 痕跡

・那篤倫(ナトリウム)痕跡

・亜酸化鉄 痕跡

いまから120年前の温泉成分。和名からも歴史を感じさせますね。

明治44年(1911年)頃には愛別村長太田龍太郎氏が塩谷温泉を訪れ「霊山碧水」と命名。

大正10年(1921年)には、大町桂月が黒岳から大雪山を縦走する際に霊山碧水を訪れ、そのときに「層雲峡」と命名。

大雪山を縦走したときの紀行文「層雲峡より大雪山」にはかの有名な「富士山に登って山岳の高さを語れ、大雪山に登って、山岳の大さ(おおい)を語れ。」との名文があります。紀行文は雑誌「中央公論」に掲載され、層雲峡は景勝地として全国的に有名になりました。

昭和に入ってからは、黒岳ロープウェイが開業し夏は登山、冬はスキーを楽しめる山岳観光の拠点となり、平成には「上川・層雲峡圏プラン65基本構想」により、建物の色彩、デザインの統一などを生かした街並みが整備されました。

長い時間をかけて層雲峡はいまの姿、形へと進化してきました。

 

             現在の層雲峡温泉  (右奥に見えるのは黒岳)

層雲峡と命名されてから今年で99年。来年には命名100周年を迎えます。

いまは、新型コロナウィルスの影響で国内の観光地は非常に厳しい状況となっています。

ウイルスが終息するまでは、前には進めませんが、準備をすることはできます。

2021年は層雲峡に取って大切な年。

大雪山国立公園のためにも層雲峡地区の活性は重要だと思っています。

今後、復活の日に向けて様々なアイディアを絞り出し多くの観光客が戻っている層雲峡に少しでも協力できればと思っています。

99年前の層雲峡。そしていまの層雲峡。そして未来の層雲峡のために。

今回の日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。。

ページ先頭へ↑

2020年03月31日大雪山国立公園管理事務所へ変わります

大雪山国立公園 忠鉢伸一

上川アクティブレンジャー忠鉢です。

春分の日が過ぎ、ようやく冬の終わりがきたようです。

今シーズンは雪が少なかった為か、上川町はほとんど道路の雪も消えて春らしくなってきました。

(上川町から見える大雪山)

卒業、旅立ちのシーズンですが、今回はご報告があります。

4月から上川自然保護官事務所は大雪山国立公園管理事務所へと名称が変わり、

人員も今までの3人体制から5人体制になります。

新年度からは自然保護に加えて、大雪山国立公園をよりよく利用するためにはどうするべきか、そのために何ができるかということにも力を入れて活動していくことになります。

特に層雲峡地域の活性化や大雪山の情報発信に力を注げるようになっていくと思います。

今までやりたくても手が足りなくてできなかったこと等試していけたらいいなと思っています。

(上川自然保護官事務所の看板も見納めです)

名前も体制も変わり、4月付で配属される新しいメンバーと共に新年度を迎えます。

今後ともよろしくお願い致します。

ページ先頭へ↑

2020年03月27日クロスカントリースキーの働き

大雪山国立公園 上村 哲也

 東大雪地域の登山口の多くは数キロから十数キロメートルの林道を経由しますが、冬は深い雪に閉ざされるため訪れる人はごくごく僅かです。

 クロスカントリースキーを利用してそのひとつを巡視しました。クロスカントリースキーの用具は、スキー、ストック、靴も締め具もとても軽量にできていて、雪道や雪原を長い距離歩くのに向いています。ある程度の斜度であれば滑走面に刻まれた鱗の力を借りて登ってゆくこともできます。もちろん下り坂は滑って下ることができます。雪面が圧雪されているとよりスピードを増して行動できます。

 巡視の目的は、スノーモビル乗入れ痕の追跡です。大雪山国立公園には、自然環境や動植物の生息・生育環境に悪影響を与えると考えられることから、スノーモビルなど車馬の乗入れを規制している地区があります。

 詳しくは「北海道地方環境事務所の車馬乗入れ規制」を御覧ください。

 この場所は決まって3月の下旬に乗入れが繰り返されてきました。台風などの大雨で林道が被災した後、一度は乗入れがなくなりましたが、また少しずつの乗入れが続いています。巡視の距離は往復で約30キロメートル、途中に標高差にして200メートル前後のアップダウンがあります。つまり、帰りにも登り返しがあります。行動時間は約7時間、防寒着や食料、飲料水、熊撃退スプレー、ヘッドランプ、衛星携帯電話などひととおりの日帰り装備を携えて入山しました。春分を過ぎ昼の時間が延びてきました。

 森の中を行き交うエゾシカ、ウサギ、キタキツネたちの足跡、遠くから響くクマゲラやそのほかキツツキのドラミング、川面へ飛び込むカワガラス。野生動物たちの様々な営みが感じられます。幸いにも今年は目覚めたアイツの足跡は目にしませんでした。

 山に春が近づいています。川の流れが増し、覆っていた雪が消えていきます。見慣れた登山口を過ぎ更に林道を詰め、目的地の数百メートル手前でクロスカントリースキー靴では川を渡れず引き返しました。スノーモビルのキャタピラ痕は難なく川を渡り奥へと続いていました。次回は長靴も装備に加えなければなりません。

 どうか、野生動物たちの営み、快眠を妨げることなく、優しく自然とふれあってください。

林道から仰ぎ見るユニ石狩岳

ページ先頭へ↑

2020年03月23日スノーモビルを使った荷上の調査

大雪山国立公園 忠鉢伸一

登山道を直すための道具や材料を運ぶ荷上には大変な労力と時間がかかります。

長い登山道を重い荷物を背負って数時間歩き、そこから整備して日没までには下山する。

登山口から近い場所なら可能かもしれませんが、登山口から遠く、アプローチに数時間かかる場所での登山道整備は困難を極めます。

(荷上イメージ図)

「じゃあヘリで運べば良いじゃないか」と思うかもしれませんが、ヘリはコストがかかりすぎて現実的ではありません。特に最近はヘリコプターのチャーター代も高騰し、1日数百万円とも言われています。

秋から冬の時期に次の年の準備をして、夏場の登山道の補修を効率よく進められないだろうか?夏季の登山道整備に使う資材の運搬を雪がある時期にスノーモビルで運べないだろうか?

そういう思いから314日にスノーモビルによる荷上が可能なルートがあるか調査を行いました。

今回は上川地区登山道補修業務の一部として、請負者がスノーモビル技術者の協力を得て行いました。旭川市ぺーパン地区から入林して、当麻乗越まで行けるかどうか、

目的地まで安全に資材を運搬できるルートを探すという調査ミッションです。

距離は約30km、植物が混んでいないなるべく傾斜の少ないルートを地図やドローンを使って探しながら行きました。

(この調査にあたり、環境省が道有林の入林申請を行い、また国立公園内の乗り入れ規制区域でのスノーモビル使用手続きをとりました。許可無く国立公園内にスノーモビルの乗入れ規制区域に入ることは禁止されています。レジャー目的では許可はできません)

機動力のあるスノーバイクが偵察して、無線で連絡をとりながらスノーモビルが続き、牽引力のあるバギーが後ろからついていくという形で走行しました。

埋まったモビルを救出したり、斜面が氷結していて登れず引き返したり、時間的な活動限界を迎えた為、あと一歩の所で目的地には到達できませんでしたが、時期や走行ルートを見直せば行ける可能性は高いことがわかり、試していく価値は十分あると感じました。

(ピウケナイ展望台から国立公園区域方面を望む)

冬季のスノーモビルによる運搬が可能になれば、いままでヘリに頼っていた山小屋のトイレの問題も、今までより少ないコストで解決できるようになるなど、さまざまな維持管理の問題を解決する切り札になるかもしれません。

今年は暖冬の影響で、3月の例年の積雪量から比べると約半分程しかなく、雪のコンディションも良いとはいえませんでしたが、十分可能性を感じられる試みだったのではないかと思いました。今後もベストな方法を探っていきたいと思います。

ページ先頭へ↑

2020年03月19日静かなる層雲峡温泉

大雪山国立公園 岩城大洋

 みなさま、こんにちは。上川自然保護官事務所の岩城です。

今日(3/19)は雲一つない晴天で、外に出ると春の香りが胸を満たしてくれます。

長―い冬が終わりを迎え、吹く風の冷たさが和らぎ、心地よい日差しが心を包んでくれる

待ちに待った春の到来。

外へと出かけたくなる季節なのですが、こちらでも新型コロナウィルスの影響は深刻です。

そこで、今回の日記では大雪山国立公園層雲峡地区での新型コロナウィルスの影響について

お伝えします。

環境省上川自然保護官事務所が管理している層雲峡集団施設地区* には有名な層雲峡温泉があります。

春は新緑、夏は登山の拠点、秋は紅葉、毎年厳寒期には氷瀑まつりが開催され、

美しい氷瀑が幻想的な世界へといざなってくれます。

一年を通して多くの観光客が訪れる観光拠点となっているのです。もちろん温泉も最高です。

*集団施設地区

国立・国定公園の特に重要な利用拠点で宿舎、野営場、園地などを総合的に整備する地区として、

公園計画に基づき環境大臣が指定する地区(自然公園法第36条)。

指定されると集団施設地区計画が樹立され、これに基づき各種の施設の整備が図られる。

北海道では支笏洞爺国立公園の支笏湖温泉、定山渓、洞爺湖温泉、登別温泉地区などが代表的。

(参考:自然公園法第36条 集団施設地区)

層雲峡温泉地区も集団施設地区である。

 

 

               20202月上旬の氷瀑まつりの様子

 

私が氷瀑まつりへ行った2月上旬、すでにテレビや新聞では、新型コロナウィルスのニュースが連日取り上げられていました。そのため、人出を心配していましたが、思いの外会場は賑わっていました。

しかし、その後、新型コロナウィルスの猛威は、瞬く間に日本各地へと広がり、その影響は特に観光資源が豊富な北海道の各地域へ波及しはじめました。

また、228日には、北海道知事が緊急事態宣言を発表し、週末の外出自粛を要請すると状況はさらに厳しいものに。層雲峡温泉の各宿泊施設ではキャンセルが急増、残念ながら氷瀑まつりも、228日(315日まで開催の予定)をもって終了せざるを得ない状況に。

層雲峡温泉地区のキャンセル数(34日時点のキャンセル数)は下記の通り。

2月約7,600人、

3月約15,600人に上っています。

観光への影響は想像していたよりかなり深刻です。

しかし、今はただ新型コロナウィルスが一刻も早く終息することを願うことしかできません。

そして、一番大事なことは終息してからどのように従来の層雲峡温泉の姿を取り戻すのかを考えることだと

思います。

そのため、今から様々なことを提案し議論しなければならないでしょう。

北海道の春は一年で最も美しい季節。

そんな季節に静かなる層雲峡は似合いません。

今回の日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。。

 

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ