ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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大雪山国立公園

69件の記事があります。

2020年02月07日山と森の静寂を大切に

大雪山国立公園 上村 哲也

 今回は、自然を好み自然に興味を抱く登山者のみなさまに野生生物への配慮をいただきたいというお話しです。

 東大雪地域には、登山口まで舗装路が続き広い駐車帯があり登山時間が短い、とある山岳があります。そうして山頂の少し先の岩場にナキウサギが生息しています。山頂を往復するだけでなく、その岩場まで足を延ばす方が大勢いらっしゃいます。

 2019年3月30日(土)から11月2日(土)までの218日間を調査したところ、標準的な登山時間を1時間以上超える登山者が761人いらっしゃいました。入下山時刻を把握できた1584人の48%に当たります。滞在時間の最長は9時間余りでした。

 ナキウサギの生息域に登山者が滞在したと考えられる日数は66%の143日に及びました。平均では3日に2日ですが、最長では18日間続きました。

標準的な登山時間を除いた滞在時間別登山者数 生活の場所へ毎日のように人が訪れるというのは、ナキウサギにとって異常な状態とはいえないでしょうか。ナキウサギは静かで穏やかな暮らしを望んではいないでしょうか。

 特に人数が多く22組49人が滞在した9月21日(土)について、滞在時間の分布を調査しました。

 パーティごとに人数と滞在時間帯を調べ、時間帯を20分ごとに区切り、滞在人数を集計しました。8時20分から18時まで登山者が滞在し、11時20分から13時20分までは20人を超え、最多は12時から12時40分の32人でした。

9月21日(土)の登山者の滞在分布
7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
1 1 1 1 1 1 1
3 3 3 3 3 3 3
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
2 2 2 2 2 2 2 2 2
2 2 2 2 2 2 2 2
2 2 2 2 2 2
2 2 2 2 2 2 2
2 2 2 2 2 2 2 2 2
3 3 3 3 3 3 3
9 9 9 9 9
5 5 5 5 5
2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
2 2 2 2 2 2
1 1 1 1 1 1 1 1
3 3 3 3 3
1 1 1 1 1 1 1
1 1 1 1 1 1 1
2 2 2 2 2 2 2 2
2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
0 0 0 0 2 6 8 8 10 10 18 18 17 26 26 32 32 28 22 19 14 14 12 9 8 4 4 2 2 2 2 2 2 0 0 0

 ナキウサギは草食動物です。岩場周辺の植物が食べ物です。冬を過ごすための貯蔵なのか、ベッドの巣材なのか、巣穴へ運び込む光景も目にします。ナキウサギの愛らしさに目を奪われ、知らず知らずに周囲の植物を踏みつけていませんか。掘り巡らされた巣穴の上をゴトゴトと踏み鳴らして歩き回ってはいませんか。

 然別湖ではウチダザリガニが持つザリガニかび病(ザリガニペスト)によりニホンザリガニが見られなくなってしまいました。同じように、人にはなんともなくてもナキウサギは堪えられない菌やウィルスがあるかもしれません。人が持ち込んだものは、食べ物のひとかけら、飴の包み紙一枚も残してはいけません。

 入山前にはトイレを済ませ、携帯トイレも準備しましょう。

 観察は双眼鏡などを利用して十分に距離を置き、撮影には高い倍率の望遠レンズを用いたいものです。

 ナキウサギに代表される愛らしい野生生物たちが、これからも穏やかに暮らしていけるよう優しい心遣いをお願いします。

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2020年01月29日東大雪地域の入山者数推定

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 大雪山国立公園 東大雪地域には、現在通行止めとなっているものを除いても10箇所以上の登山コースが存在します。そのうちトムラウシ山短縮登山口、トムラウシ山温泉登山口、石狩岳登山口、ニペソツ山幌加温泉登山口では、登山者カウンターを設置しています。また、多くの登山口には森林管理署が入林簿を設置し、利用者のみなさんに記入いただいています。これらのデータを活用し、利用者の動向を調査しました。

 調査から見えてくる一端をご紹介します。

 なお、登山者カウンターは赤外線を利用する機械ですから誤りを生じることがあり、入林簿も全ての方に記入いただけているとは限りませんので、多少の誤差を含んだお話しであることをご理解ください。

 2019年の夏山シーズン、東大雪地域全体の計測数、記入数は10,175人で、昨年の9,505人を上回りました。登山口別では、白雲山鹿追側が昨年には及ばなかったものの2,646人で最多となりました。ほかの多くの登山口ではいずれも昨年を上回り全体を押し上げました。

東大雪地域の登山口別計測数、記入数

登山口 年間 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
十勝岳新得側 69 3 7 3 4 39 13
トムラウシ山短縮口 2,621 140 1,078 843 550

10

トムラウシ山温泉口 119 14 40 47 16

2

石狩岳 458 28 89 92 232

17

ユニ石狩岳 215 3 47 73 87

5

ニペソツ山 1,091 206 326 288 234

37

白雲山士幌側 974 105 256 144 84 123 154

80

28
白雲山鹿追側 2,646 40 299 383 385 391 749 390 9
東ヌプカウシヌプリ 1,646 53 184 285 208 250 365 295 6
南ペトウトル山 336 7 62 95 18 62 40 51 1
合計 10,157 205 804 1,305 2,278 2,173 2,466 900 44

 表は、登山口ごとに年間、月別の計測数、記入数を示しています。登山者カウンターと入林簿の両方がある登山口では、登山者カウンターの計測数を利用しています。

 初雪は平年並みで、その後の雪の訪れは遅く、白雲山などは10月も変わらず登山者が訪れました。8月は平年に比べ40%前後多い降水が観測されましたが、顕著な落ち込みにはなりませんでした。

 東大雪地域には、ニペソツ山やトムラウシ山のように健脚向きの山がある一方、然別湖周辺のように初心者や家族連れで楽しめるところがあり、これらは春に雪が早く消えるのでシーズン初めの足慣らしにも適しています。

パーティの人数と単独登山者の割合

登山口  1人  2人  3人  4人  5人  6人  7人  8人  9人 10人以上 最多人数 単独率
白雲山士幌側 278 163 29 15 16 5 0 5 2 5 13 28.5%
白雲山鹿追側 563 462 118 61 19 11 3 4 3 15 100 21.3%
東ヌプカウシヌプリ 486 312 70 30 15 3 2 0 1 5 23 29.5%
南ペトウトル山 66 37 8 6 3 3 1 0 0 3 60 19.6%
ニペソツ山 214 41 12 4 3 2 2 1 1 2 16 49.1%
ユニ石狩岳 52 27 5 6 2 1 1 2 0 2 16 24.2%
十勝岳新得側 16 9 2 1 1 0 0 1 0 1 12 23.2%

 入林簿からパーティの人数を集計しました。ここでは、登山者カウンターのある登山口も入林簿のデータを利用しています。表は、人数別のパーティの数、最多パーティの人数、入林簿に記入された入林者数の合計に対する単独者数の割合を示しています。いずれの登山口でも単独登山者の数が最も多いという結果でした。

 しかし、白雲山鹿追側コースは家族や団体登山の利用が多いと考えられ、総記入数のうち単独登山者の割合は21.3%でした。一方、ニペソツ山では49.1%でした。幌加温泉コースが長く険しい健脚向きであることで、友人などを誘いづらく単独での山行を決意させるのでしょうか。

 ニペソツ山では、午前4時台の入山が最多で、日帰りの方は平均10時間余りで下山しています。日の出とともに入山し余裕をもって下山しようとする傾向が窺えます。登り1時間、下り40分と登山時間の短い東ヌプカウシヌプリでは、15時台の入山も見受けられました。天気がよい、空き時間ができたと気軽に訪れることができるのでしょう。

 大雪山国立公園 東大雪地域の多彩な山岳をお楽しみください。

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2020年01月28日層雲峡ビジターセンター冬季観察会

大雪山国立公園 上川 忠鉢伸一

上川アクティブレンジャーの忠鉢です。

雪の降り始めは早かった今シーズンですが、12月の暖かさと降雪量の少なさが影響して、例年の半分も積雪が無いこの頃です。

降りすぎも大変ですが、雪の中で遊びたい自分としてはなんだか物足りなさを感じる冬です。

 

さて、暖冬であっても層雲峡の冬は安定の極寒。

層雲峡ビジターセンターで実施している、冬季観察会の様子を紹介します。

1月19日、天気は良いけどとても冷え込みました。

朝の気温は氷点下18度でした。

観察会に出かける前にビジターセンターで大雪山の生い立ちと、層雲峡の柱状節理について説明を受けてから出発します。

柱状節理とは、熱い溶岩が冷えて固まる過程で収縮して、規則的な柱状の岩になったものです。

層雲峡ではよく見られる岩です。

この辺り一帯は火山の噴火で溶岩に埋もれ、冷えて固まった岩石を長い年月をかけて川が削り、今の状態になったと言われています。

それはもう気が遠くなるような長い年月です。

この日は運良く状態のいいフロストフラワーが見られました。

フロストフラワーが見られる条件としては、氷点下15度以下であること、無風状態であること、そして氷結した氷の面にしかできないそうです。

最後に立ち寄った洞窟の入り口には綺麗な霜が着いていて、水晶の洞窟のようでした。

こんな場所があったなんて初めて知りました。

近づいた自分の熱で溶けてしまいそうな位繊細な氷の結晶でした。

冬季観察会は2月23日まで(土日のみ)午前と午後の1日2回の開催となっています。

とても寒いですが防寒対策をしっかりして、層雲峡の冬景色を楽しんでみてはどうでしょうか?

層雲峡ビジターセンター講座案内

参加人数には定員がありますので、事前予約が必要です。

スノーシュー、ヘルメットなど必要な装備はレンタル可能です。

知識豊富なガイドさんが同行してくれるので、層雲峡の色々なお話が聞けてとてもおすすめです。

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2020年01月07日雪深き愛山渓温泉へ

大雪山国立公園 岩城大洋

みなさん、あけましておめでとうございます。

上川自然保護官事務所の岩城です。

今年も、大雪山国立公園の様々な情報や話題を発信していきますので

よろしくお願いします。

今回の記事は昨年の12月のこと、雪深き愛山渓温泉へ登山口案内看板盤面の

設置に同行してきましたので、その様子をお伝えします。

この時期、愛山渓温泉への道道はもちろん冬期通行止めです。

そのため、今回は特別に車両通行の許可を得て、通行止め区間へ入ることになりました。

ゲートからすぐに雪上車へ乗り込んで現場へ行くものだと思っていましたが、実際は、

冬期通行止め区間で工事を行っている関係で終点の約7km手前まで乗用車で行くことが

可能でした。そこから先は除雪されていなかったので、トラックから雪上車を下ろし、

雪上車で移動することに。

 

 

写真を見ても分かりますが搬送用のトラックに積まれているのは雪上車というより、

キャタピラー付きのダンプと言ったほうが。

 

 

十分な防寒対策をしていましたが、雪上車は寒く目的地へ近づくにつれて

体は芯から冷えて時折「ブルブル」と身震いするぐらいに。揺られること45分、

ようやっと愛山渓温泉への最後のカーブを越え、現場に到着しました。

 

 

12月はどこもかしこも雪不足のニュースをよく聞きましたが、愛山渓温泉は

約1m近い積雪。でも、きっとこれでもかなり積雪量は少なめなのでしょう。

 

 

盤面を固定する板面はぎりぎり雪の上に出ていました。

雪上車で運んできた盤面を固定し、

 

 

 

設置は完了です。

愛山渓温泉登山口をはじめ大雪山の主要な登山口には今年度新しい案内看板が

設置されました。新しい案内看板は、最新の登山情報や案内などを掲出できる

スペースが設けられています。来年度は、早速、携帯トイレの普及などの情報を

発信する予定です。

大雪山ではこれからが極寒の季節。まだまだ6月の山開きまでには半年以上ありますが、

登山の際にこちらへお越しの際には、新しくなった案内看板をご覧下さいね。

帰りはまた寒い雪上車に45分間揺られるのでした。。。。

今回の日記はここまで。

また次回をお楽しみに。。。

 

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2019年12月05日愛おしき北の生きものたち

大雪山国立公園 東川 渡邉 あゆみ

 こんにちは、東川自然保護官事務所の渡邉です。

 12月に入り、東川町にもいよいよ本格的な冬がやってきました。

 空にはオジロワシが飛び、キタキツネが獲物を捕るために雪の中へ頭からダイブ!早くも野生動物から冬の風物詩を届けてもらいました。極寒をもろともせず、フワフワの毛皮をまとい、強い生命力で逞しく生きる姿は、夏よりも気高さが増し、神々しく見えます。これからはアニマル・トラッキングが楽しい時期になりますね。

 さて、今年6月から道内各所を巡回をした「アクティブレンジャー写真展2019~愛おしき北の生きものたち~」も残すところ東川町と札幌チカホ展(2020年1月22日(水)開催決定!)のみとなりました。

 東川町モンベル大雪ひがしかわ店2階では12月3日(火)~12月25日(水)まで開催中です。

 昨年度までは一人1枚ずつの展示でしたが、今年は一人2枚に展示数が増えました!アクティブレンジャーならではの、皆さんに紹介したい愛おしい北の生きものたち。是非、見に来てください。

 アンケートにお答えいただいた方には東川会場オリジナルの「愛おしき北の生きものたち」シオリをプレゼントしております。(特にナキウサギ・ファンの方は必見です☆)

 是非、アンケートのご協力もお願いいたします。

 

本編に併せて、サテライト展として、旭岳ビジターセンターでも昨年度の作品を展示しています。こちらは6枚ずつ、2回に分けての展示となります。

 第一弾 12月 3日(火)~12月13日(金)

 第二弾 12月13日(金)~12月25日(水)

 

もうすぐ旭岳スキーコースがオープンします。旭岳へいらした際は、ぜひお立ち寄りください。

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2019年12月03日携帯トイレ普及への取り組み(Part2)

大雪山国立公園 岩城大洋

みなさん、こんにちは。

上川自然保護官事務所の岩城です。

いよいよ今年もあと12月を残すのみとなりました。

ここ上川町では、雪がひらひらと断続的に降る日が多くなり、上川駅前もご覧のとおりの冬景色ですが、

例年より雪の量は少なく雪かきいらずの日々が続いています。

でも、外に出ると本当に寒くて気がつくといつも私の背中はまあるい猫背・・・。

ちなみに今朝は-2度でしたよ。←暖かい方です笑。


     環境省上川自然保護官事務所から(奥に見えるのは大雪山連峰)

 

前回の日記、私のテーマは「携帯トイレ販売網拡大の取り組みについて」でした。

取り組みを始める前に比べ、登山者が携帯トイレを入手しやすい環境が整ってきたなあと実感しています。

ですがその反面、実際に携帯トイレを使用できる場所が少なすぎることもまた実情です。

携帯トイレの普及を促進させるためにも、それの足かせとなっている問題を解決させて行くことが大切です。しかし、単純に携帯トイレブースをたくさん増設すればいい!という訳にはいきません。コストの問題、

維持管理の労力、環境要因などブースを設置するには様々な条件をクリアしなければならなりません。

 

そこで、安価で設置が容易で撤去も簡単なテント式の携帯トイレブースを期間限定で銀泉台赤岳登山コースと大雪高原温泉沼めぐり登山コースに設置することとしました。

 

        2019年度銀泉台赤岳登山コース登山者カウンター計測数

 

設置は銀泉台赤岳コースで914日から923日まで、大雪高原温泉沼めぐり登山コースは920日~929日までの期間としました。

この期間にした理由として上のグラフをご参照ください。

多くの登山者がこの時期に集中することを表しています。

両コースでは、大雪山国立公園パークボランティアの協力も得て、登山口からテント本体などを現場まで荷揚げし携帯トイレテントブースを設営しました。

 

余談ですが。。。

銀泉台赤岳での設営が完了し、携帯トイレブースの便座に試し座りした時・・・!

私のその目の先にある眺めは「人生最高の "トイレ絶景!" 」でした!

目の前の黒岳の眺めで用を足せるこの絶景! 笑

でもあくまで試し座りだったので、普段テントブースをご利用の際は出入り口のチャックを

しっかり閉めてくださいね。

設置当日は、午前9時頃から13時近くまで現場にいましたが、

10時台に1名、11時台に3名、12時台にも3 名の利用がありました。

皆さん「ここにテントブースがあってほんとに助かった」と笑顔を見せてくれ、改めて、

利用する場所を確保することの大切さを再確認することができました。

銀泉台赤岳は当初923日まで設置する予定でしたが、920日に悪天候によりテントブースが

倒壊したため、残念ながら21日から23 日までの設営は中止としました。

結果、設営期間は7日間、利用者数約20名程度でした。

  悪天候翌日の銀泉台赤岳第四雪渓付近       倒壊したテントブース

 

大雪高原温泉沼めぐり登山コースでは、緑沼の奥約100m地点の登山道脇にテントブースを

10日間設営し、期間中の利用者数は83名でした。

 

テントブース内に設置した数取りカウンター

 

銀泉台赤岳では1日あたりの利用者数は2.85人でしたが、高原温泉沼めぐり登山コースでは8.3人と約3倍の結果に。この要因としては1 日あたりの登山者数が多いこと、また入山前のレクチャービデオでコース内にテントブースがあることを紹介したことが影響していると考えられます。

また、ヒグマ情報センター内でも積極的に携帯トイレの販売と使用の呼びかけを実施したことも利用者が伸びた要因です。

今年度から始めた『紅葉期』の携帯トイレテントブースの設置は大きな成果を収めることができました。

携帯トイレを常備する登山者には、使用可能な環境があることを周知できましたし、携帯トイレの装備がない登山者に対しては、今回の取り組みでさらに携帯トイレの必要性と使用場所があることのPRになったと感じています。

銀泉台赤岳では期間途中にテントブースが倒壊するハプニング!もありましたが、来年度それらの問題点をより改善し、登山者が安心して携帯トイレを使用できる環境を引き続き促進したい!と思っています。

今回はここまで。また次回をお楽しみに。。。!

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2019年11月28日冬の始まり

大雪山国立公園 忠鉢伸一

9月より上川自然保護官事務所に新しく配属となった忠鉢と申します。

札幌生まれですが、12年ほど前から大雪山の麓に住み始め今に至ります。

これからアクティブレンジャーとして大雪山の素晴らしさを発信していこうと思います。

先日黒岳スキー場がOPENしたので状況を確認しに行ってきました。

黒岳は5合目まではロープウェイ、7合目まではリフトに乗って上ることができます。

スキー場になっているのはこの5合目~7合目のリフトの区間。

標高が高く北側の斜面ということもあり、雪の質が良いです。

そしてなんといっても眺めが素晴らしい!深緑の季節も紅葉も綺麗ですが、

個人的には大雪山は雪がある時期が一番好きです。

天気も良かったのでシーズン初めの雪を楽しみに来ている

スキーヤー、スノーボーダーが各地から集まっていました。

今シーズンもいよいよ始まった感じです。

ゲレンデからは北大雪の山々

標高約1520mからの展望です。

黒岳スキー場は前半1月5日まで営業した後1月31日まで整備運休し、

2月からまた営業再開する見通しです。

ロープウェイ、リフトは風の影響を受けやすいので、確認してから来るのをおすすめします。

天気のいい日ならスノーシューをはいて散策したり、展望台からの眺めを楽しんだり、

滑らない人でも楽しみ方はたくさんあります。

5合目黒岳駅にはレンタルコーナーもあるので、冬しか行けない場所や

冬しか見られない景色を是非楽しんで欲しいです。

本格的な冬はまだまだこれからですが、大雪山国立公園の冬の楽しみ方を

提案、発信していけたらと思います。

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2019年11月12日携帯トイレ普及への取り組み(1)

大雪山国立公園 岩城大洋

 

皆さん、こんにちは。

上川自然保護官事務所の岩城です。

すっかり木々の葉っぱは落ち葉となり、

上川町はビビットの秋色からモノクロの冬色へコントラストを変えています。

これからながーい冬がやって来ますね。

「あーー嫌だなー」と思う人もいれば、「いつ滑りに行こう」と待ち望んでいた人もいると思います。

私は、冬の寒さがあまり得意ではありません。でも今年は、去年以上、雪の上で過ごす時間を増し寒さに慣れっこになれればと思います。毎年おなじことを言ってるような・・・。

さて、今回は携帯トイレ普及に関するお話です。

大雪山国立公園では、携帯トイレ普及のための取り組みを行っています。

私は2016年に上川自然保護官事務所に着任しました。それから3年半が経過しましたが、

携帯トイレ事情は随分と変化してきています。

今年度もっとも変化したのは、登山者が携帯トイレを入手しやすい環境になったことです。

大雪山国立公園層雲峡温泉地区は、黒岳ロープウェイがあり、黒岳への登山、また大雪山を縦走する

登山者の拠点となっていることから多くの登山者が訪れます。

 

                層雲峡温泉

 

しかしながら、今年の6月中旬まで携帯トイレの販売を行っていたのは、黒岳ロープウェイと

層雲峡ビジターセンターの2箇所しかありませんでした。

携帯トイレをさらに普及させるには、2箇所では足りません。そこで販売者を増やすための

取り組みを行うこととしました。

登山者が、早朝でも夜遅くにでも入手できる場所に携帯トイレを置いてもらうことが

普及にはもっとも効果的であることは言うまでもありません。

そこで、5月中旬に層雲峡温泉にあるセイコーマート上川層雲峡店に相談することに。

話はトントン拍子に進み、セイコーマート旭川地区事務所の担当者と打合せをする機会ができました。

担当者の方が、携帯トイレの普及に非常に理解がある方で、交渉の結果、

5月下旬には携帯トイレの販売について前向きに検討してくれることになりました。

その後、さらなる交渉を行い、6月上旬には、セイコーマート上川層雲峡店のほか、

東川店(東川町)、うえだ上士幌店(上士幌町)屈足店(くったり)(新得町)

4店で携帯トイレの取扱いをしていただける運びとなりました。

そして、624日より、各店舗で販売を開始、現在に至っています。

 

      10月下旬のセイコーマート上川層雲峡店の様子

 

層雲峡温泉では、登山者が携帯トイレを求めやすい環境をある程度作ることができました。

大雪山はとてもスケールが大きい山岳地域です。夏は短く冬は長いことから登山が

可能な期間は僅かしかありません。常設トイレを新たに整備するには、利用者数が少ないこと、

また、山岳地域での維持管理には膨大な費用が掛かることなどから難しい状況です。

このことから、携帯トイレの普及を大雪山国立公園では推進しています。

(現在常設トイレは黒岳石室、白雲岳避難小屋、忠別岳避難小屋、ヒサゴ沼避難小屋、

カミホロカメットク山避難小屋あります。※登山口のトイレは含まず)

 

      南沼野営指定地に設置されている携帯トイレブース

 

現在、携帯トイレブースは、美瑛富士避難小屋に1基、南沼野営指定地に2基、

旭岳姿見に1基、ニペソツ前天狗に1基設置されています。徐々に携帯トイレブースの数は

増えてきており、携帯トイレが利用しやすい環境が整ってきています。

美しく雄大な大雪山にしかない自然を守っていくためにも、登山をされる方々は忘れずに

ザックの中に携帯トイレを。

もし、携帯トイレを忘れてきてしまっても、層雲峡温泉の各店舗でお求めくださいね。

今回の日記はここまで。

 

 

次回は、今年度、秋の紅葉期に初めて取り組んだ、大雪山赤岳と

大雪高原温泉沼めぐり登山コースに設置した携帯トイレテントブースについて紹介します。

お楽しみに。

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2019年11月07日特定外来生物防除・オオハンゴンソウ その後

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 今年、東大雪地域で抜き取ったオオハンゴンソウの数は1,026本でした。

 花を付けた個体を根塊ごと掘りとる方法で駆除しました。要した活動時間は17時間35分、活動日数は14日でした。大雪山国立公園の東大雪地域の中で最も大きい生育地は、国道273号線の三国峠に近い道路脇です。757本を駆除、8日の13時間余りを費やしました。

 既往文献を探したところ、「特定外来生物オオハンゴンソウの管理方法 ー引き抜きの有効性の検討ー」(大澤・赤坂 2009)を見つけました。「複数年にわたり、可能な限り根を残さないように引き抜き続けることで、オオハンゴンソウを根絶できる可能性がある」という記述があり、心強く感じます。

 駆除活動で根塊を取り残すと茎や葉が再発生することが知られており、室内実験により、根塊は生重量2.4gの場合に50%の確率で再発生することが確かめられたそうです。大きさにすると太さ2.1cm、長さ2.1cmに相当するということで、もし野外でもこの大きさなら、見逃すことはないように思えます。

 さらに、野外に調査区を設けて実験したところ、「オオハンゴンソウを地下部から引き抜き続けた結果、2 年間で開花茎の数は、もとの5%未満にまで減少した。」ともあります。これほど目に見える成果に出逢えるのならやりがいを感じます。

 しかし、この後が大切です。「引き抜き開始から3 年目にあたる2007 年には、それまで殆ど見られなかった未開花茎が、観察初年度(2005 年)の開花茎数とほぼ同数観察された。

 つまり、土の中に眠っていた種子が発芽し始めたというのです。「開花茎が見られる場所では、たとえ全ての開花茎を除去したとしても、数年間はシードバンク由来の実生が発生してくることが予想される。」なかなかの手強い相手に腰を据えた活動が必要です。

 今年は、ほかの業務と併せて立ち寄った際に2時間前後を充てて駆除を繰り返したので日数は多くなってしまいました。最終日が10月7日でしたから、大雪山の環境では結実期に入りかねません。来年以降は、集中して駆除にあたり9月中には終えたいところです。大きな生育地でも3日に収めたいところです。反対に僅かな生育地でも時間をおいて2度目の確認が欠かせません。

 また今後、未開花茎の駆除も必要になるかもしれません。花に頼らず、茎や葉だけで同定できる目を養わなくてはなりません。

 今年、開花茎を抜き切れたことで生育数と生育場所が把握でき、活動の日数や時間も業務の中に収められると分かりました。長い年数はかかるでしょうが地域根絶を目標にできると確信しています。

活躍した道具たち

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2019年10月31日原始ヶ原とヒグマ

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

 こんにちは。あと一ヶ月後には一面雪景色と想像すると、歓喜のあまり胸がドキドキしてくる東川自然保護官事務所の渡邉です。

 大雪山国立公園では夏山シーズンがはじまる6月から、登山道利用者を把握するため各登山口に登山者カウンターやトレイルカメラを設置し、登山者数をカウントしています。(昨年度までの登山者数はこちらをご覧ください。)

 カウンターは人体から放射された赤外線(熱)を検知し、通行者数を自動でカウントしたり、トレイルカメラは人体や動物の放射する遠赤外線を読み取り、自動的にシャッターを切って写真撮影を行なうもので、各所に設置したカウンター・カメラは夏山シーズンが終わった10月中旬に撤去し、登山者数の集計作業をします。

 原始ヶ原登山口に設置したトレイルカメラのデータを集計中、つい手が止まってしまった画像が記録されていたので紹介します。

ヒグマです。

 見てください。この太くて短い足、地面につきそうなお腹、むっちりボディー。10月に撮影された写真↑で、冬眠の準備は万端という雰囲気でしょうか。貫禄があるので"横綱"と命名します。

 ヒグマは時速50kmほどで走れると言われていますが、この体付きでそんなに早いスピードが出るとは想像しにくいですね。

 

 この写真↑の注目ポイントは、尋常じゃなく発達している肩の筋肉。腕力の強さが見て取れます。張り手をしたら凄そう、と言うことで"張り手"と命名します。この腕を使い、木登りや急斜面の山越えもラクにするのでしょう。長い爪もあるので、穴掘りも得意です。

 "横綱"と"張り手"が同一個体かはわかりませんが、原始ヶ原で記録されるヒグマのほとんどが23時台に撮影されています。まれに、夜中の1時や2時にも記録されていましたが、昼間には一枚も記録されていませんでした。 暗闇でも行動できるのは嗅覚が優れている証拠ですね。

 原始ヶ原のヒグマは、昼間は一体どこで寝ているのでしょうか。

 

 8月、原始ヶ原滝コース巡視中、非常に珍しいヒグマの死骸を見つけました。骨と毛が散乱し、既に臓器等はありませんでした。肋骨らしき骨は細かったので、まだ子グマだったのでしょうか。

 どうしてこんなところで亡くなってしまったかはわかりませんが、山の神(アイヌ語でヒグマは、キムンカムイと呼ばれ、山の神を意味します。)は小動物の養分になり、山に還ったのでしょう。もしこのヒグマが転生するとしたら、次は何に生まれ変わるのでしょうか。

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