ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

北海道地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

大雪山国立公園

134件の記事があります。

2021年12月21日層雲峡の冬シーズン到来

大雪山国立公園 忠鉢伸一

こんにちは大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。

12月に入ってからも気温が高かったり、季節外れの雨が降ったり、今年は冬になるのが遅く感じる北海道です。

黒岳スキー場は今年は11月28日に営業を開始しました。例年よりも少し遅めのシーズンインとなりました。

12月8日に状況確認に行った時の黒岳スキー場の様子をご紹介します。

<ロープウェイ山麓駅舎内>

<黒岳5合目展望台より黒岳山頂>

この日は珍しく風もそれほど強くもなく、青い空に白い雪の山稜が眩しい日でした。

スキー場の積雪は130cm。まだ若干少なめですが、この時期のスキー場のコンディションとしては北海道でも最高と言える場所だと思います。

<7合目付近スキー場コース内>

4ヶ月ほど前は高山植物でいっぱいの黒岳でしたが今は雪の下です。

黒岳では5合目~7合目リフト周辺がスキーコースとなっています。

ゲレンデとして整備されているコース以外での滑走は、完全に自己責任です。

冬の山はとても魅力がありますが、雪崩や滑落などリスクに遭遇する可能性が潜んでいます。特に悪天候に見舞われた時には、万全の準備で挑んだとしても事故に遭わないとは言い切れません。

初めての山であれば、ガイドツアーに参加することをおすすめします。

リスクを最大限に減らして、雪山を楽しんでください。

道のない雪の上を自分の足で上り、冬山の美しさや、斜面を滑り降りる楽しさを体験して欲しいです。

<黒岳から見える北大雪の山々>

黒岳ロープウェイでは、スキーやスノーボード以外のアクティビティとして、

スノーシューツアーも行っています。興味のある方はチェックしてみてください。

層雲峡黒岳ロープウェイ 

<エゾユキウサギの足跡>

雪が降ると野生動物の足跡がいろんな場所で見られるようになります。

グリーンシーズンには気づけなかった世界が広がっています。

スノーシーズンはまだ始まったばかり。冬ならではの景色やアクティビティが盛りだくさんの大雪山です。

怪我や遭難など、事故の無いよう冬を楽しんでいきましょう。

黒岳ロープウェイ内には「Columbia Field Store」が今夏OPENしています。

山で遊んだ後は、カフェスペース「Black Mountain Coffee」で一息入れる事ができます。黒岳ロープウェイに来た際は是非立ち寄ってみてください。

ページ先頭へ↑

2021年12月20日冬将軍、到来

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

お久しぶりです。東川管理官事務所の渡邉です。

待ち焦がれた冬将軍がやって来ました。

今年は寒波の到来がとても遅く、早くしないと冬が終わってしまう・・・とヤキモキする毎日でしたが、遅れてきた分、恵みのドカ雪。長靴の上から雪が入り込んでくるほど積もり、歓喜の朝となりました。

さて、現在アクティブ・レンジャー日記でも「アクティブ・レンジャー写真展2021-2022~北の自然の舞台裏~」を公開していますが、巡回展としてモンベル大雪ひがしかわ店2階でも写真とパネルを12月26日(日)まで展示させていただいています。

私たちアクティブ・レンジャーが業務中に撮影した、選りすぐりの写真を見に来ていただけたら嬉しいです。

アンケートにご記入いただいた方には「しおり」をプレゼントしています。

【十勝岳温泉登山口、満車の駐車場】

11月後半~12月初旬、安政火口周辺では冬山へ登るためのアイゼン・ピッケル歩行や雪崩埋没レスキュー、ロープワークなどの技術習得・動作確認、また体を冬山に慣らすために、北海道の山岳会の人々がたくさんの訪れ、夏のハイシーズンのようなにぎわいを見せます。

このとき、久しぶりの冬山の凍てついた風や荘厳な雰囲気に気が引き締まり、この季節を待っていたと奮い立つような興奮を覚え、全身の細胞が活気づいてくるのがわかりました。

生きている中で、こんなにも充実し、楽しいことは他にはない、と思えます。

先日、プライベートで十勝岳に登ってきました。

十勝岳の頂上付近はカリカリのアイスバーン、10本刃以上のアイゼンが必須です。

冬山の天気は変わりやすく、濃霧に巻かれると歩いてきたトレースを戻ろうとしても、アイゼンの小さな爪の跡は風ですぐに消されてしまいます。空も地面も360℃真っ白なので方向・平行感覚を失い、次の一歩の起伏さえわからないような状況に陥ります。

大雪山の冬は本当に厳しいです。いざという時、どう対処できますか?

冬山シーズンを待っていた岳人の皆様、短いこのときを目一杯満喫しましょう。

ページ先頭へ↑

2021年12月14日アウトドアはコロナに負けないか。

大雪山国立公園 上士幌 上村 哲也

 東大雪地域には、十勝岳新得コース、トムラウシ山短縮コース、トムラウシ山温泉コース、石狩岳シュナイダーコース、ユニ石狩岳十勝三股コース、ニペソツ山幌加温泉コース、ウペペサンケ山糠平コース、白雲山士幌高原コース、白雲山然別湖畔コース、東ヌプカウシヌプリ、南ペトウトル山などの登山道があります。上士幌管理官事務所では、主な登山口に登山者カウンターを設置し、そのほかの登山口については森林管理署から入林簿をお借りして、利用者数を集計しています。

 登山者カウンターの計数値には誤差があり、入林簿は全ての方に記入いただけてはいないでしょうが、おおまかな利用者数やその推移を推し量ることはできるでしょう。

 新型コロナウィルスの感染拡大が始まったのは2020年の冬、2月28日に北海道が独自の緊急事態を宣言。4月16日、緊急事態措置は全国に拡大、5月25日全国で解除。大雪山が登山シーズンを迎える頃には緊急事態宣言こそ解除されていましたが、咳エチケットや手指衛生を心がけ、人々が密集、密接し、密閉された空間を避けることが求められていました。新しい習慣が登山という活動にどう影響するのか予想が付きませんでした。大雪山国立公園では、避難小屋の利用を避けたり、人との距離を取ったりするよう呼びかけましたが、それが万全の策なのか、手探りが続きました。

 2021年も北海道には5月16日から緊急事態宣言が出され、6月20日にまん延防止等重点措置へ移行、7月11日に解除など、感染拡大と収縮が繰り返されました。

 各登山口の年間入山者数を、新型コロナウィルス感染拡大前の一昨年(2019年)から並べてみると、ほとんどの登山口で、一昨年より昨年、昨年より今年の方が入山者数が増えています(下図参照)。東大雪地域の山々は、表大雪の旭岳や黒岳に比べれば登山者が少なく、ロープウェイや路線バスなど登山口にアクセスする公共交通機関が少ないことから、密を避けて登山できることが好まれたのかもしれません。

 登山に関連して新型コロナウィルスの集団感染が発生した話は聞きませんが、できうる対策は取りながら山を楽しみましょう。

ページ先頭へ↑

2021年11月08日流域面積と降水量から川の流水量を知る

大雪山国立公園 上村 哲也

 上士幌町の幌加川の奥、丸山(1,692m)近くに丸山噴泉塔群という名所があります。地表へ噴き出た温泉に含まれる炭酸カルシウムが積み重なり、塔とまで呼ばれるほど高くなった「石灰華」です。先日、撮影隊に同行する機会を得ました。

 しかし、荒れた林道を歩き、やがて道は踏み跡となり、渡渉を繰り返さなければ辿り着けません。一部の渡渉は胴長が必要なほどでした。雨が降れば水かさが増します。雨が上がってもしばらくは減ってくれません。やがて雪に閉ざされる季節が迫りながら、何度も天候待ちで延期になりました。決行するには川の流水量を見極める必要があります。

 上士幌町の幌加ダムに下る川の流域面積は国土地理院のウェブサイト、地理院地図から約70平方キロメートルと求められます。

幌加川の流域面積は70平方キロメートル ダムに近いぬかびら源泉郷や三股に設置されている気象庁のアメダスから地域の年間降水量(深さ)が1,000から1,300ミリと推定できます。流域面積と掛け合わせれば年間降水量(体積)は7,000から9,000万立方メートルとなります。

 この水量が幌加川に流れ込むと、365×24時間×60×60秒で割り毎秒では2.22から2.85立方メートルという流水量になります。国土交通省のウェブサイト、川の防災情報から幌加ダムの全流入量(=幌加川の流水量)を知ることができます。大雨や雪解けどきを除く穏やかな流れのときは毎秒2立方メートル余りです。

 降った雨は、再び蒸発したり伏流する分もあるでしょうが、ほとんどは川を流れ下るようです。そうして直近の降水とダムへ流入する水量の関係が見えてきます。流域に推定50ミリ余りの雨が降ったとき、流入水量は降り始めから数時間遅れて増加します。雨が降り止んだ頃に頂点を迎え、その後数日かけて平常を取り戻しました。流域の森林が雨を蓄えて流水量の急増を抑える役割を果たしているのです。

幌加川の流域面積は70平方キロメートル 丸山噴泉塔群を訪ねるような、川の渡渉を繰り返す行動では、流域に降った雨の量に気を配る必要がありそうです。どこの川にも雨量や流水量を測る設備があるとは限りません。経験を積んだ現地に詳しいガイドさんがとても頼りになります。今回の撮影でも、地元ガイドさんに大変お世話になりました。

 苦労し時間をかけて辿り着いた丸山噴泉塔は、地中の温度や圧力が下がったのか、頂上からの噴出が見られず高さの成長を止めてしまったようです。それでもあちらこちらからプクプクと泡を立て真っ白な噴出物が流れ出ているようで、落ち葉や倒木などを巻き込みながら下流へと面積を広げているようです。

 なお、今回撮影された映像は、後日、上士幌町ぬかびら源泉郷の「ひがし大雪自然館」において一般公開される予定です。

ページ先頭へ↑

2021年10月30日夏山シーズンの終わり

大雪山国立公園 忠鉢伸一

夏山シーズンの終わり

こんにちは

大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。

大雪山は今年10/6に旭岳で冠雪となりました。

例年よりも少し遅い冠雪となりましたが、観測開始されてから5番目に遅い記録となったようです。

例年パークボランティア行事として行っている旭岳周辺のロープ撤収ですが、コロナ禍で中止としたため、環境省職員で行うこととなりました。

10/7東川管理官事務所と協力して行った時の様子をお伝えします。

前日に雪が降った旭岳。先週までとはまるで見違えるようになりました。

山頂付近は真冬のような空気でした。

旭岳から間宮岳までは真っ白な世界

久しぶりの雪の感触にテンション上がります

ロープは先日の雪がついて凍りついていました。

雪の重みで鉄ピンが折れ曲がるのを防ぐため、ロープは外して下に置いておきます。

また来年の春にこのロープを付け直す時、シーズンの始まりを感じるのでしょう。

標柱には氷が付着し始めました。

これが風上に伸びてエビの尻尾と呼ばれる自然の芸術品が完成します。

風が強いほど伸びていくようです。

この日はロープの撤去の他、中岳温泉に設置していた携帯トイレブースを回収しました。

風の強い日にも飛ばされずに頑張ってくれました。

「お花摘み」や「雉打ち」などと呼ばれ、野外での排泄行為が当たり前のように行われていた信じられない時代もありました。まだまだ充分とは言えませんが、携帯トイレは少しずつ登山者に浸透してきたように感じます。

「山に持ち込んだものはすべて持ち帰り、山のものは持ち帰らない」この考え方を基本的な考え方として、ゴミや排泄物は責任を持って持ち帰りましょう。

来シーズンも中岳温泉には携帯トイレブーステントを設置予定です。

管内の麓でも先日雪が降りましたが、根雪となるのはまだまだこれから。

本格的な冬が来るまではもう少し時間があるのです。

冬の北海道は寒さの厳しい季節ですが、北海道の一番美しい季節であり、また雪国ならではの遊びができる季節でもあります。

冬をめいっぱい楽しみながら、次の季節を待ちたいと思いました。

(中岳分岐下部から旭岳方面の展望)

ページ先頭へ↑

2021年10月29日大雪山の初冬

大雪山国立公園 入江瑞生

愛山渓温泉の近くにある雲井ヶ原に行ってきました。

この雲井ヶ原湿原は登山口から20分ほど歩くと愛別岳、比布岳、安足間岳、永山岳を

眺めることができるとても格好の場所です。比較的簡単に行くことができ、

この景色が見られるのでおすすめの場所の一つでもあります。

この日は冠雪した雪のほとんどが溶けまだ秋の陽気を感じるほど暖かかったです。

湿原に着くと足下でシリシリシリとなく声がしました。しゃがんで声の主を探してみると

ツマグロバッタがいました。

  

   

一匹だけ余り動かない個体がおり観察していると、木の間におしりを近づけているのが分かります。何をしているのか上の写真で皆さん分かりますか?

拡大すると↓↓

何度もおしりを上下させ産卵している個体のようでした。外骨格で覆われているので、

表情からは何もよみとれませんでしたが、最後の力を振り絞って次の世代を残していくその姿に釘付けになってしましなかなかその場を離れる事ができませんでした。

産卵が終わり、ツマグロバッタがその場を立ち去ったので卵が見られないかのぞいてみました。

黄色の丸っこいものはあったのですが、他の場所にも着いておりカビのようでした。私の目では確認できないもう少し深い所に産んだのか、産む場所変更したようでした。

古くなった木道の上での出来事で、朽ちてゆく木道も生き物たちが利用している場合があるのだと改めて感じました。

一週間後に行くと真っ白の世界でした。もう春まで溶ける事はなさそうでした。

ページ先頭へ↑

2021年10月28日今年の紅葉

大雪山国立公園 入江瑞生

今年の大雪山の紅葉は当たり年だったといわれるほど綺麗で、見頃が長く続き多くの人に楽しんでいただけたのではないかと思います。高原温泉沼巡りコースでは、二十年に一度ぐらいの素晴らしさではないかとの声も!

綺麗に紅葉をするためには初秋昼の温度が高く日が十分にあり、夜冷え込むことが必要といわれていますが、皆さんはどうして木は紅葉するのかご存じですか?

木は葉から水分が外に出る仕組みを持っています。葉を付けたまま乾燥している冬になると、水分が出過ぎてしまうため木は秋になると葉を落とす準備を始めます。準備とは木の葉に含まれている栄養を回収するためにクロロフィル(緑色)とカロチノイド(黄色)という色素を分解します。秋になり日差しが弱くなると両方の色素が分解されますが、クロロフィルの方が早く分解され、黄色のカロチノイドが目立つようになり黄葉します。さらに寒くなるとクロロフィルが分解させていくときに葉の中に元々含まれていないアントシアニンという赤い色素が作られることがあります。しかしなぜこの赤い色素が作られるかについてはよく分かっていないそうです。

湿度や気温が関わっているそうで、その年々によって紅葉の雰囲気は変わるそうです。

さて、この秋に私が撮った写真をお見せしますね!!

<高原温泉沼巡りコースの紅葉>

ナナカマドの葉が赤と黄色のグラデーションになっていてとても綺麗なのですが、これはどうしてこうなったのかまだ分かっていないとは...びっくりですよね!?

<赤岳の紅葉>

上の写真は晩秋を迎えほとんどの葉が落ちている中、林道に沿って筋のように残った黄色の並木がありました。どうしてあの場所だけ残っているのか気になり見に行くと、ヤナギとミヤマハンノキという樹種たちでした。

秋も終わりに近づく中、ふと小川に目をやると小さなバイカモが一輪咲いていました。

季節外れだと咲く花が小さくなるようです。寝過ごしちゃったのか、早起きか...不思議ですね。他にも季節外れに咲く花たちがいました。

 

季節外れに咲いたアオノツガザクラやミヤマキンバイは、最後のマルハナバチたちの憩いの場になっていました。

この翌週には大雪山の初冠雪が観測され、長い冬が始まりました。

来年はどのような紅葉なのか今から楽しみです。

ページ先頭へ↑

2021年09月24日We all live in the Earth

大雪山国立公園 渡邉 あゆみ

こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。

先日、東川町内の小学5,6年生に、東川町の生き物と環境問題について出前授業をする機会がありました。

授業のタイトルは【We all live in the Earth~大雪山に暮らす生き物とわたしができるエコプラン~】

「大雪山に暮らす生き物を学び、自然環境問題について課題意識をもち,自分にできるエコを考えてみよう」がテーマです。

はじめに先生と打合せをしたときに「生徒はみんな東川が大好きで、東川に誇りを持っている。」と仰っていました。

では「みんなの誇りでもある町の自慢【お米】【旭岳】【雪】。この3つが、今と同じ暮らしをしながら、50年後も自慢と言えるだろうか?」と、少しドキッとさせる質問を投げかけ、東川で起こっている環境問題や地球温暖化の影響をクイズにしたり、私たちができるエコ活動のお話をしました。

続いて、最近ニュースで連日報道されている「市街地に出てくるヒグマ」について。

ヒグマに関するクイズを出しながら、本来のヒグマの生態を紹介し、ヒグマがなぜ増え、山から下りてくるようになったのか。山の豊かさの象徴であるヒグマを"悪者"とせず共存していく方法や、ヒグマとの事故を起こさないために私たちにできることについて、お話しました。

ヒグマが一時絶滅しかけたことや、ヒグマの生態など知らないこともあったようで、ただ怖いだけだったヒグマの印象が少し変わったかな?と話しながら感じました。

後日、第二弾として、生徒たちが考えた【東川の自然を守るためのエコプラン】の発表会があったので、私が生徒たちに伝えた内容は届いているだろうか・・・とドキドキしながら聞きに行ってきました。

先生が発表前に「笑顔で、アイコンタクトをしながら、ハキハキと」とアドバイスしたポイントを守り、学習している英語やSDGsに絡めた内容を交えての堂々とした発表で、今の小学生はたくましいし、頼もしい!と関心しきり。

生徒たちが発表したエコプランは「動物はとてもデリケートで、私たちに害のないものはむやみに殺さず見守っていく」「50年後の東川を守るために、マイバッグを持ったり、ポイ捨てはしない。」「私もレンジャーになりたい」など嬉しい発表などもあり、今回の授業をきっかけに、自然環境保護への関心が芽生えて、地球に優しい生活が日常の一部になって、みんなで東川の自然を守っていけたら嬉しいです。

これからの時代を担う若い世代への負担を減らし、恥ずかしくなく、胸を張ってバトンを渡せるように、私たち大人もコツコツと、できることからはじめていこう。

【かかとを縫った愛用の靴下を紹介中】

ページ先頭へ↑

2021年09月22日スノーモビルによる荷上げ2021編

大雪山国立公園 忠鉢伸一

こんにちは大雪山国立公園管理事務所の忠鉢です。

9/11当麻乗越にて、木道を設置作業に立ち会った時の様子をお伝えしたいと思います。

以前AR日記でお伝えした、スノーモビルを使った資材荷上のその後です。

以前の日記も良かったら見てください。

2020.3月「スノーモビルを使った荷上げの調査」

この木材はスノーモビルを使って今年の3月に荷上げしたものです。

大雪山は雪解けが遅いため、登山道が乾く8月下旬~9月上旬が登山道の整備に適した季節となります。

木道を作る角材は1本約15kgあります。この仮置き場から各設置場所へ数100メートル移動させるだけでも一苦労ですが、登山口から約5km位離れたこの場所に人力で運ぶとしたら途方もない労力と時間が掛かるでしょう。

令和元年度からスノーモビルでの運搬ルートや手法の調査を続けてきましたが、今年の春に初めて木材の運搬をする事ができました。

スノーモビル数台のチームで行われたこの調査は、スノーモビルの運転技術のみならず、天候、ルート読み等、山行に適した知識や能力も必要であり、何よりも運搬作業が可能かどうか、重要なのは現地の雪の状態です。パウダー雪では運搬には適さないし、溶けすぎていても樹林帯の走行が難しくなってしまいます。

調査の結果、資材運搬は気温が上がり始めた3月が最も適した時期だとわかりました。

     

当麻乗越付近での資材運搬の様子(2021年3月)

(この作業にあたり、環境省が道有林の入林申請を行い、また国立公園内の乗り入れ規制区域でのスノーモビル使用手続きを取りました。許可無く国立公園内にスノーモビルの乗り入れ規制区域に入ることは禁止されています。)

登山口から遠いと日常的な補修整備ができずに、登山道の浸食を止めることができません。

資材不足が登山道の維持管理を難しくしていた部分もあり、今年のスノーモビルでの荷上げは、今後大雪山の登山道整備の方法を変えていく可能性があると期待しています。

当麻乗越から(2021.9月)

当麻乗越への登山道には高層湿原や、秋は綺麗な紅葉をみることができる場所が多くあり、旭岳や愛別岳の展望も良い素晴らしい場所です。

歩きやすい木道が整備されると、ぬかるみを避けて法面や植生の上を歩く登山者の踏圧による侵食が軽減されます。木道を設置する事で整備は終了ではなく、設置してからの管理がとても重要なため、巡視の際に経過の観察をし、侵食状況や木道の不具合を点検する作業が始まります。

 

今回は全部で13基の木道を制作し、水がたまってぬかるんでいる場所や侵食が進みそうな箇所に敷設されました。

一度に大きな施工を行ったために、場合によって生態系が変化してしまうケースもあり、今後の整備としては、最低限の整備をしつつ現場を良く観察しながら、臨機応変に整備方法を見直していくやり方が望ましいと思われます。

今回の試験的な試みが成功して、色々な地域でスノーモビルが活用されるようになり、今まで資材確保が難しくてできなかった整備が進むことによって登山道が快適になったら良いですね。

登山の際は、登山道整備した箇所を観察しながら歩くのも面白いですよ。

今後の整備後の経過もAR日記でお伝えしていけたらと思います。

ページ先頭へ↑

2021年09月17日今シーズン見た面白い生き物たち

大雪山国立公園 入江瑞生

大雪山国立公園では少しずつ紅葉が進み、短いグリーンシーズンの終わりを迎えようとしています。

さて、今シーズン見た面白い生き物たちを皆さんに紹介したいと思います。

ナガバノモウセンゴケは食虫植物の一種で貧栄養の湿地に生育します。葉の表に紅色を帯びた長い腺毛が多数あり、粘る液で小虫を捕らえ消化液で溶かして栄養としているそうです。下の写真は何が起こっているか皆さんわかりますでしょうか?

モウセンゴケに2匹のトンボが捕まっています。

粘液には2匹も捕まえることができる力があったのかと驚かされました!!

今までは、下の写真のように

小バエが捕まっているところは見たことがありましたが、このサイズの小虫ぐらいまででした。

一度気になって湿原を歩くたびにモウセンゴケの観察を始めると、他の場所でもトンボが捕まっていました。朝露のように小さな滴の粘液でどのくらいのサイズの虫を捕まえることができるのか気になりますね!

どこかのアニメで出てきそうな感じでかわいいですよね!頭部のオレンジに愛らしい目!!

見た瞬間かわいすぎて思わず写真を撮ってしまいました。

ハチ目ハバチ亜目という種類の幼虫ではないかと思います。日本に生息するハチの種類は4,000種以上とも言われておりこれ以上同定することはできませんでした。ハバチの仲間は他の動物や人を攻撃するための毒はもっておらず、群れも作らないそうです。そのため初めてこの幼虫を見たときハチの仲間だったとは気づきませんでした...


私は木です。

登山道を歩いていると、あたかも木に同化していると思っているようなエゾライチョウに会いました。登山道に沿って少しづつ近づいても変わらずこのポーズ。

微動だにせずじっとこちらの様子をうかがっていたので、エゾライチョウが逃げるまで待つのではなく、私たちが先に去ることにしました。

エゾトラマルハナバチが夢中になってサワアザミの蜜・花粉を集めていました。サワアザミには蜜が多いのか長いことどの個体も花にしがみついていました。アザミが下向きに咲くのでマルハナバチの調査をしていなければ気づきませんでした。好きな花があるのか、多くのマルハナバチはアオノツガザクラから蜜を集めていましたが、エゾノコザクラやチングルマからしか蜜を集めないというマニアな個体もいるようでした。

マルハナバチの働き蜂は、一日に2匹のハチを育てるだけの花粉を集めると言われており、大忙しに蜜を探して飛び回っています。どのような世界が彼らにあるのか少し覗けたような気がしました。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ