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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

私の町には大雪山国立公園があります!

2023年10月25日
東川 渡邉 あゆみ
こんにちは、東川管理官事務所の渡邉です。
 
先日、東川町の小学校5,6年生に、東川町の自然についてお話をする出前授業に行ってきました。


東川町で育った子供たちにとって、麓から見上げる大雪山は当たり前の風景でしょう。
でも、その当たり前が、実は世界中の人々が憧れる「大雪山国立公園」だってこと知ってた?
だから、みんなが東川の自然に愛着や誇りを持って「私の町には大雪山国立公園があります!」と胸を張って自慢できるようになって欲しい!と言うはじまりで、大雪山国立公園は火山でできた雄大で原始の自然と、貴重な動植物が生息していて、日本の宝として国が保護・管理をしていること。また、観光客や登山客が来ることで起こる問題や、地球温暖化による環境変化。それらに対し、アクティブ・レンジャーは日々どんな仕事をしているか、どんなエコ対策をしているかをお話しました。
 
続いてホットなトピックス、「ヒグマ」。
近年、アーバン・ベア(都市型クマ)に関するニュースを毎日のように見かけます。
おそらく子供達にとって、ヒグマは怖くて邪魔な存在になっているのでは・・・。
私はいつかヒグマになって大雪山で暮らしたいほどヒグマが大好きです(大雪山も)。
あらゆる豊かさの象徴とされるヒグマを毛嫌いするのではなく、ヒグマを正しく知って、正しく恐れ、正しく対処しよう、をテーマにヒグマに関するクイズや生態、ヒグマがどうして増えているのか、どうして街に下りてくるのか、そこで私たちにできる対策は何か、をお話しました。

 
ヒグマと共存していくためにはいくつか対策があるのですが、ここでは私たちにできる一番簡単な方法を紹介します。
「ヒグマが今、何をしているかなって、たまに想像してもらいたい。」
 
・・・想像してみました?
今、ヒグマは何をしていると思いましたか?


もしかしたら、まったりとお昼寝をしてたり、子グマが母グマに甘えていたり、ドングリを探すのに真剣かも・・・。
――― そう想像してみると、ヒグマってただ怖いだけじゃなくて、ヒグマも私たちと同じように同じ時間を生きてるんだって気づくことができますよね。
だから、ただヒグマを忌み嫌うのではなく、ヒグマの正しい知識を持って、この先の未来もヒグマと人間が共存していける方法を考えていけたらいいな、と思っています。
 
子供達はテンション高め、リアクション良しで、私も楽しくお話ができました。
いつか子供達が自分の町に大雪山があることを誇りに思い、ヒグマが暮らしている豊かさに気付いてくれたら嬉しいです。
また、私自身、これまで大雪山が与えてくれた数え切れない恩恵を、未来ある子供達に伝えることができることも幸せだと感じています。ありがとう、大雪山♡