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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

冬の然別湖自然観察会

2010年03月10日
上士幌
 前回予告した然別湖での自然観察会。
 新聞告知や鹿追町の広報・回覧が参加締め切り3日前ということで、ひょっとしたら一般参加者の数が極小なのではと心配し、天気予報に一喜一憂し、なんだか心配だらけだったのが、ふたを開けてみると一般参加者14名で当日は太陽がまぶしすぎるほどの好天。
 今回の参加者は最年少24歳から最高齢77歳という幅広い年齢層。しかしいざ出発すると滑走技術は年齢に反比例して年配者が余裕のペース。若手の参加者が置いて行かれるほど高齢者の元気さは目を見張るものがあります。

温泉街をバックに雪原をゆく(背後の山は南ペトゥトル)

 水深90mの湖上を進みます。途中、純白のウペペサンケ山が姿を現し、湖から真正面に見えるロケーションに多少の疲れは吹き飛びます。
 スタートから約40分で然別湖の対岸へ到達。ここから森の中を20分ほど進みます。

いざ森の中へ

 森の中はダケカンバやエゾマツ、トドマツのほか氷点下30度にも耐えられるハクサンシャクナゲの棒状に変化した葉などが見られ、然別湖ネイチャーセンターの石川昇司チーフマネージャーの解説に参加者は熱心に聞き入っていました。伐っても植えてもいない天然林の中を抜けると誰が名付けたのか北海道三大秘湖の東雲湖が現れます。


 以前にも書いたとおり、この湖(以前は東小沼と呼ばれていた)は水草などの枯死体が分解されずに堆積していくのでやがては湿地となる運命です。何年先かは確定していませんが現在の水深1m程度を考えると近い将来であることは間違いないですね。まさに幻の湖です。虹色の湖は中村晃子です。
 東雲湖到着からまもなく我々を歓迎するかのように南方からオジロワシが頭上を飛んでいきました。
 初めてクロスカントリースキーを履いたという参加者も何度か転びながら無事然別湖を往復でき、晴天もあってか参加して良かったという声が聞かれると主催者としてもうれしい限り。好評だったので冬ならではの観察会はまた来年か再来年にも企画しようと思います。