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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

特定外来生物の防除活動

2013年05月17日
上士幌
皆さんこんにちは!!
北海道の東大雪地域は最近一気に春になり、ようやく桜の季節になりました!!

17日に士幌町で、特定外来生物に指定されているセイヨウオオマルハナバチの防除活動を行いました。
本来だったら15日に行う予定でしたが、あいにくの悪天候で気温が低く、17日の予備日に見送りました。当日は本年の最高気温を記録するなど、防除日和?となりました。(活動については後述します。)

さて、特定外来生物とは、外来生物(人間の活動によって他地域から入ってきた生物)であって、生態系・人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。
特定外来生物に指定されると、輸入・飼育・栽培・保管及び運搬することが原則禁止されます。

今回の捕獲対象であるセイヨウオオマルハナバチは、農作物の花粉媒介昆虫として世界中で利用されていて、日本でも温室トマト等の栽培に利用するために輸入されました。その温室から逃げ出した個体が野生化したといわれています。

セイヨウオオマルハナバチが起こす問題としては、、在来のハチが圧迫され、生息域を減らしてしまったり、在来種との交雑、短舌で盗蜜を頻繁に行うために、野生植物の種子生産を阻害する等があります。
このような問題を防ぐため、防除活動を行っています。


蜜を吸う、セイヨウオオマルハナバチ

セイヨウオオマルハナバチは、おしりが白いのが特徴です。体のサイズも大きく、またブーンと音が聞こえるため、いるとすぐわかります!!

防除活動は、当事務所の他に、士幌町役場や十勝総合振興局、士幌町JAと生産者、帯広百年記念館、先日お会いしたPVの方々の総勢32人で行い、332体捕獲しました。(ちなみに、昨年は155体でした)
捕獲数が増えた要因は、前述した活動当日の気象条件など、様々あると思いますが、たくさん駆除できて喜ばしい反面、セイヨウオオマルハナバチの数が増えていることは喜べないという複雑な心境です。

セイヨウオオマルハナバチの防除活動や調査は、今後も引き続き行っていきます。