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北海道地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [北海道地区]

ヒグマ警報

2009年08月21日
東川
 大雪周辺では7月下旬から8月に入ってからも各地でヒグマが比較的登山道から近い距離で目撃されています。高原温泉沼めぐりコース(現在閉鎖中)と白雲岳避難小屋周辺では特に警戒を呼び掛けている箇所ですが、旭岳裾合平方面でも一般登山者から情報があり20日(火)に巡視に行ったところ、ヒグマ1頭が登山道近くにて個体確認されました。
 
 場所は中岳温泉から旭岳ロープウェイ側に戻る途中300mほど行った箇所。裾合平コースへ行く登山者の方は必ず通る道です。どうやら同じ個体がこのあたりをうろついているようです。
 ホイッスルなどにて何度か威嚇もしましたが、こちらを少し見るだけで逃げる気配がないようなので、人間慣れしてきているヒグマの可能性があります。
突然の遭遇を避けるため、悪天候による視界不良時などは場合によっては入山を控えることも必要かと思います。

 今年の大雪は、夏の悪天候の影響もあるのか例年以上にヒグマとのニアミスが報告されています。登山の際は、最寄りのビジターセンターなどで必ず情報収集を行ってから山に入るようにして下さい。ヒグマに遭遇したときには、できるだけヒグマを驚かせずにそっとその場を離れるようにして下さい。また、遭遇情報をビジターセンター等にお知らせ下さい。

 手つかずの自然が残されている大雪山。あくまでもここはヒグマが生息している場所に人間がお邪魔していくという心得をもって入山するという意識が大事です。逆にいえば、ヒグマがいなくなってしまうということはそれだけ自然が破壊されてしまうということでもあります。ヒグマは大自然の象徴、くれぐれも自然の中に足を踏み入れることの重要性を認識の上、登山を楽しんでください。


ヒグマが確認された旭岳北斜面


1時間以上はうろついていたようです。